乃木坂高校












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第5章
ピアノコンクール
翌日、日直なので1人で登校していると、突然、横に一台の黒い大きな車が停まった。
あまりに突然のことで身構える和也。
絵梨花「和也くん、やっほーっ!」
車から絵梨花さんが降りてきた。
和也「へっ?絵梨花さん?お、おはようございます!」
絵梨花「ここまででいいから!ありがと!」
絵梨花さんがそう言うと、車は走り去っていった。

和也「すごい車ですね〜?」
絵梨花「そうかな?車のことよく分からないからなぁ〜!それより、一緒に学校いこ?」
和也は頷くと絵梨花は喜んだ。
絵梨花「そういえば、さくらちゃんは?」
和也「日直なんですよね。だから、今日は1人です。絵梨花さんも早いですけど、日直ですか?」
絵梨花「私はピアノの練習しようと思って!」
和也「そうですか。もうすぐコンクールでしたよね?」
絵梨花「そう!今週の土曜日なんだ!あっ、そうだ!和也くんにお願いがあるんだ!」
和也「なんでしょうか?」
絵梨花「コンクールで金賞取れたら、日曜日、デートしてくれない?」
和也「デートですか!?」
絵梨花「そうデート!だめかな?」
和也「いや、俺でいいんですか?」
絵梨花「うん!和也くんがいいんだ!なら、決まりね!よしっ!頑張るぞーっ!」
絵梨花さんは両手を上げて、気合いを入れていた。

コンクール当日。和也はみんなと絵梨花さんの応援に来ていた。
真夏「なんかすごい緊張感だね」
一実「そうだね。なんかこっちまで緊張してきた」
眞衣「いくちゃん、大丈夫かな?」
初めて来るピアノのコンクール。その雰囲気に圧倒される。
さくら「兄ちゃん…」
隣に座っているさくらも少し震えていた。

そして、コンクールが始まる。
プログラムをみると、絵梨花さんの順番は1番最後だった。
絵梨花さんの前の参加者が演奏をする。
美月「みんな上手だね…」
コンクールに出るだけであって、みんな上手かった。
しかし、確かに上手いと思ったが、あの日の絵梨花さんの演奏よりは心には響かなかった。

眞衣「いよいよ、いくちゃんの番だね」
飛鳥「うん…」
コンクールは最後の演奏者の絵梨花さんの番になった。
ステージに登場した絵梨花さんは、ドレスを着て凛としており、普段の絵梨花さんからは想像できないぐらいだった。
絵梨花さんが演奏前に一礼すると、なぜか目があった様な気がした。
さくら「生田さん、今、こっちみてなかった?」
和也「うん。そんな気がしたね」

ピアノの前に座り、絵梨花さんが演奏を始まる。
『〜〜♪』綺麗なピアノの音色。その音は素直に心に入ってくる。
美月「和くん…これ使っていいよ?」
和也「えっ…」
自分でも知らないうちに涙を流していたようだ。
そして、絵梨花さんの演奏が終わった。
会場はスタンディングオベーションが起き、今日1番の盛り上がった。

コンクールは絵梨花さんの金賞で終わり、会場の外で絵梨花さんを待っているる。
絵梨花「みんなお待たせ〜!応援ありがとね!」
真夏「おめでとう〜!」
日奈子「いくちゃん、やったね!」
史緒里「生田さん、凄いです!」
絵梨花「そんなことないよぉ〜!」
美月「そんなことありますって!和くんなんて感動して泣いてたんですから!」
『えぇ!!』みんなが一斉に和也の方を見る。
さくら「えーっ!あの兄ちゃんが!?」
和也「あのって、なんか失礼じゃない?」
祐希「和くんって心があったんだぁ!」
和也「いや。もはやそれは悪口だよ」
絵梨花「和也くん、ありがと。あの日、和也くんが言ってくれたことばのおかげたよ。本当にありがと」
絵梨花さんがそう言うと、抱きついてきた。
飛鳥「こらっ!いくちゃん!!」
真夏「まぁ、今日ぐらいはいいんじゃない?」
遥香「でも、和くん、デレデレしすぎ!」
絵梨花「明日、10時に駅に集合ね?」
絵梨花は耳元でそう呟き、和也は頷いた。
一実「よしっ!今からお祝いしよー!」
『はーい!!』みんなは返事をして、会場を後にした。

■筆者メッセージ
.さん
コメントありがとうございます。
やり方がわからなかったので、newと付けれていませんでした。
次回から付けていきます!

名無しさん
コメントありがとうございます。
確かにあまり登場していませんでした…。
今度から登場する機会を増やします!
しゃもじ ( 2021/11/14(日) 12:25 )