乃木坂高校












小説トップ
第5章
2人の決意
ある日、遥香と真佑から、ある事についての相談を受けていた。
すっかり忘れていたが、自分は1年生の教育係だった。

和也「それで、さぁちゃんが毎日、起こして誰かに起こしてもらってると?」
真佑「そうなんです。昨日はかっきーで今日は真佑で」
遥香「沙耶香は寮生活だからしょうがないし、嫌とかではないんだけど、このままでいいのかなって…和くん、どうしよう?」
和也「うーん。俺も1回話してみるよ」
真佑「よろしくお願いします」
遥香「和くんも忙しいのにごめんね?よろしくお願いします」
2人はお礼を言って教室を出て行った。
和也「それで、その目は一体なんなんでしょう?」
明らかに、何か言いたげな感じで見てくる人達がいた。
美月「別に〜!なんか楽しそうでござんしたね〜?」
祐希「最近、1年生に贔屓してない?」
桃子「だよね?全然、桃子達のことかまってくれない!」
和也「そんなことないって。それに1年生の教育係だしさ」
史緒里「絶対、教育係ってこと忘れてたよね?」
美波「うん、絶対忘れてた。リアクションが不自然だったもん」
和也「どんな洞察眼してるんだよ…」
美月「とにかく!ちゃんとかまってくれないと拗ねちゃうんだからね!」
みんなの圧に負けて、頷くしかなかった。
美月「でも、和くんも毎日さくらちゃんに起こしてもらってるって言ってなかった?」
和也「あっ……」
すっかり自分のことを忘れている和也であった。

その日の昼休み。和也は沙耶香を屋上に呼んだ。
沙耶香「ぴょんぴょん!うれしいなぁ〜!」
和也「なんでそんなに嬉しそうなの?」
沙耶香「和くんと一緒にお昼休み過ごせるんだもん!」
和也「そっか。それでね、話があるんだけど」
沙耶香「なになに〜?良いこと〜?」
和也「良いことではないかな?さぁちゃんは、毎日、誰かに起こしてもらってるんだって?」
沙耶香「えっ?それってダメなことなの?和くんもさくちゃんに起こしてもらってるんでしょ?」
やっぱりバレていた…。
和也「これから俺も自分で起きるから、さぁちゃんも一緒に頑張ろ?」
沙耶香「うーん。和くんと一緒なら頑張る!!」
こうして、2人はこの日から自分で起きると決意した。

その日の夜。さくらにその事を話す。
さくら「わかったけど、兄ちゃん、大丈夫なの?」
和也「まぁ、さぁちゃんに言ったし頑張るよ」
さくら「う〜ん、心配だな〜」
和也「大丈夫、大丈夫。兄ちゃんだってやれば出来る所みせるから!」
さくら「わかった。頑張ってね?」
和也は頷き、早い時間に眠りについた。

翌朝。『ピピピッ、ピピピッ』とアラームの音が聞こえて、目を覚ます。
和也はアラームを止める。
さくらに起こしてもらわなくても大丈夫じゃん。と思いながら時計を確認する。
時計の針は8時を差していた。
和也「えぇ〜!!」
遠藤家の家中に和也の声が響き渡った。

しゃもじ ( 2021/11/03(水) 18:39 )