乃木坂高校












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第5章
天才いくちゃん
和也「今日も絵梨花さんはレッスン来れないんですか」
真夏「そうなの。もうすぐピアノのコンクールがあるから、放課後も音楽室で練習してるの。多分、私達より帰るの遅いんじゃないかな?それに何か思い詰めてるみたいで…」

真夏さんの話によると、絵梨花さんはピアノの腕前も凄いらしく、全国大会に出れるほどらしい。
学校も絵梨花さんのコンクールに期待しているので、その期待に応えるために、毎日遅くまで練習をしているみたいだ。

和也「無理しなきゃいいけど…」
美月「和くーん!ちょっとダンスの動画撮ってほしいんだけど、お願いしてもいいかな?」
和也「うん!今行くよ!」
和也は絵梨花の体調を気にしながらも、レッスンのサポートをしていた。

次の日の放課後。レッスン後に和也は急いで帰る準備をしていた。
史緒里「そんなに急いでどうしたの?」
祐希「確かに!祐希なんてまだ着替えてもないのに!」
美波「珍しいね?なんか用事?」
美月「まさか、浮気!?」
桃子「浮気!?ちょっと和くん!」
和也「違うよ!ちょっと行きたい所があるだけ。それじゃ、また明日!」
和也は急いでどこかに行ってしまった。
柚菜「いっちゃった…」
あやめ「さくちゃん、何か知ってる?」
さくら「うーん。なんも聞いてないけど、マイペースの兄ちゃんが急いでる時は、人の為ってことしか…」
遥香「そっか。また人助けしてるんだ…」

和也は購買で色々買った後に、音楽室に向かう。その途中、綺麗なピアノの音が聴こえてきた。
音楽室に着くと、邪魔をしない様に、そーっとドアを開けた。
絵梨花「うーん。なんか違うなぁ〜」
音楽室では、絵梨花さんが何かに悩んでいるようだった。
絵梨花さんは、もう1度ピアノを弾き始めようとした時に、和也の存在に気づいた。
絵梨花「あれ?和也くんどうしたの?」
和也「真夏さんから、ピアノの練習をしてるって聞いて。これ、よかったらどうぞ」
和也は袋に入ったデザートや飲み物を渡した。
絵梨花「わぁ〜!ありがと〜!ちょうどお腹空いて喉が渇いてたんだぁ!」
和也「なら、よかったです。邪魔したら悪いので俺はこれで…」
音楽室から出ようとした時に、「待って!」と絵梨花さんに呼び止められた。
絵梨花「よかったら一緒に食べない?1人じゃ寂しいし!」
和也「は、はぁ…。なら、お言葉に甘えて」

絵梨花「んーっ!!美味しい〜!」
絵梨花さんは買ってきたプリンを一口食べると、足をパタパタさせて喜んでいる。
絵梨花「和也くんも一口どうぞ!」
スプーンでプリンをすくってくれて、口元に近づけてくれた。
和也「えっ、あっ、いただきます」
プリンを口の中に入れる。口の中には甘い、優しい味が広がる。
絵梨花「わぁ〜!間接キスだぁ〜!」
和也「んっ!ゴホッゴホッ!」
絵梨花「あらら〜、大丈夫?」
和也「だ、大丈夫です!」
絵梨花「いつも完璧なのに、珍しく動揺したね!」
和也「絵梨花さんが急にからかってくるから。それに完璧なんかじゃないですよ。完璧なの生田さんですよ」
絵梨花「えっ、私?照れる〜!ねぇ、私のどこが完璧なの?」
和也「うーん、ストイックだし、優しいし、明るいし。みんなを笑顔にしてくれますよね。さくらも絵梨花に憧れてるし」
絵梨花「え〜っ!そんなことないよぉ〜!」
満更でもない顔をする絵梨花さん。
和也「純粋にすごいと思いますよ」
絵梨花「……。全然すごくなんかないよ…」
さっきまで明るかった絵梨花さんの顔が、急に暗くなった。
和也「あの…なにかありましたか?さっきも悩んでるみたいだったし」
絵梨花「私ね、ロボットなんだ…」
絵梨花さんは悲しい顔をしながら、自分のことを話し始めた。

■筆者メッセージ
つさん
コメントありがとうございます。
すみません。自分の考えた架空の話なので、現実味がないかもです。
これからもよろしくお願いします!
しゃもじ ( 2021/11/02(火) 18:07 )