乃木坂高校












小説トップ
第4章
兄妹デート
さくら「ついた〜!!」
遊園地につくと、さくらは子供の様にはしゃいだ。
和也「そんなにはしゃぐと危ないよ」
さくら「大丈夫!兄ちゃんも早く〜!」
和也「ふふっ、さくらは本当に子供だな〜」
さくら「もうっ!子供扱いしないで!私はもう高校1年生だよ!大人なの!」
和也「はいはい。それじゃ中に入ろうか」
入場券を買って、遊園地の中に入る。

さくら「兄ちゃん、あれ乗りたい!」
何に乗るか悩んで歩いていると、さくらが乗りたいものを見つけたみたいだ。
和也「あれって…」
さくらが指を差したのはメリーゴーランドだった。
さくら「やっぱりやだ?」
さくらの顔がみるみる暗くなっていく。
和也「嫌じゃないよ。乗ろうか」
さくら「やったっ!早く行こー!」
さくらは手を握って、メリーゴーランドに向かった。

さくら「うーん。お馬がいいかな?かぼちゃがいいかな?」
並び始めた時に動いていたので、止まるまで待っている間、どれに乗るか悩んでいるさくら。こんな所でも優柔不断が炸裂する。
さくら「兄ちゃん、ちゃんと聞いてる?」
和也を見て、さくらは頬を膨らませる。
和也「聞いてるよ。かぼちゃか馬かだよね?」
さくら「そう!どっちがいいかなー?」
和也「かぼちゃでいいんじゃない?馬だと1人ずつになっちゃうし」
さくら「確かにそうだね!そうする!」

動いていたメリーゴーランドが止まり、2人でかぼちゃの馬車に乗る。
さくら「楽しみだね〜!」
和也「メリーゴーランドって小さい頃に一緒に乗った以来だよね?」
さくら「そうだね!小学校以来かな?兄ちゃん、ありがと!」
和也「まだ動いてないし、遊園地に来たばっかだよ?」
さくら「ふふっ、いいの〜!」

2人でメリーゴーランドを楽しんだ後に、次のアトラクションに行く。
和也「これならさくらでも大丈夫そうだね?」
2人が着いたのは、ゆったりしたジェットコースター。
さくら「うん!でもいいの?兄ちゃん、もっと怖いのに乗りたいんじゃ…?」
和也「ううん、俺はこれで良いよ。今日はこれの気分なんだ」
さくら「そっか…ありがとね?」

ジェットコースターに乗ると、さくらが手を握ってきた。
和也「怖い?」
さくら「ちょっとだけ…でも、兄ちゃんの手を握ったら大丈夫になった!」
和也「ふふっ、もう動くからしっかり捕まってなよ?」
ジェットコースターは上がりだして、頂上まで着いた。
ゆったりしたと言っても、結構高さはあった。
さくら「キャー!」
頂上から下がると、さくらが叫び出した。
そんなさくらを見て、和也は隣で笑っていた。

ジェットコースターがスタート位置に戻って来た。
和也「ははっ、結構面白かったね?」
ジェットコースターから降りる2人。
さくら「怖かった〜!兄ちゃん、笑いすぎ!」
和也「怖がってるさくらを見たら笑えてきちゃってさ!」
さくら「もぉ〜!意地悪だな〜!」
さくらはプイッと顔を横にする。
和也「アイス買ってあげるから許して?」
さくら「アイス!?食べたい!!」
アイスに釣られて、すぐに機嫌が良くなった。
本人は大人だと言ってるけど、まだまだこういう所は子供だ。
さくら「人の顔見てどうしたの?」
和也「何でもないよ。なんのアイス食べようね?」
嬉しそうなさくらを見て、たった1人の妹をこれからも大切にしたいと思うのであった。

しゃもじ ( 2021/10/27(水) 18:38 )