乃木坂高校












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第3章
お家デート
遥香の家に行く前にレンタルショップに寄った。
遥香「和くんの観たい映画ってどれ?」
和也「えっ、えーっと、どれだったかなぁ〜!」
和也は色々手に取り、パッケージ裏のあらすじを読んでいる。
もちろん、それは忘れたことを思い出す為ではない。
観たい映画があると言ったのは嘘であり、遥香の落ち込んだ顔を見たくなかったから、咄嗟にでた言葉だった。
遥香「ふふっ、観たいって言ったのに覚えてないの?」
和也「最近、物忘れが多くってさ。どれだったかな〜」
遥香「私はこれが観たいな?」
和也「これ?遥香が観たいならこれにしよっか」
遥香「でも、和くんも観たいのがあるんじゃないの?」
遥香がニヤニヤしながら聞いてくる。
和也「お、俺のはまた今度でいいよ。今日はこれにしよっか」
遥香「そうなんだね。和くん、ありがと…」

レンタルショップを出て、少し歩くと遥香の家に着いた。
和也「おじゃまします」
遥香「誰もいないから、緊張しなくていいからね!」
遥香がリビングへと案内してくれる。
遥香「私のお部屋かリビング、どっちで映画観る?」
和也「どっちでもいいよ?」
遥香「なら、私のお部屋でいいかな?テレビのサイズが小さくなっちゃうけど」
和也「大丈夫だよ。でも、部屋に入っちゃっていいの?」
遥香「うん!なら、行こっ!」
遥香は手を握って、部屋に連れて行ってくれた。

遥香「適当に座ってて!飲み物持ってくるね!」
遥香はそう言って部屋を出ていった。
とりあえず座ってはみたものの、人の部屋に1人でいるのは慣れないもので、ソワソワしてしまう。
和也「それにしてもすごい漫画の量だな…」
遥香の部屋は漫画やプラモデルが多く置かれていた。
和也「このプラモデルは遥香が作ったのかな」
周りを見渡すと、あるものが目にはいった。
遥香「お待たせ!着替えてたら遅くなりました」
戻ってきた遥香は、部屋着に着替えており、ショートパンツから綺麗な足が出ている。
遥香「私だけごめんね。私服が苦手で…」
遥香は和也の横に座った。
和也「全然。遥香の家なんだから、気を使わなくていいよ」
遥香「ありがとうございます!でも、お部屋に男の子が来たの初めてだから、緊張しちゃうなぁ〜!変なもの置いてないかな?」
遥香が周りを見渡すと、和也と同様、あるものが目にはいった。
遥香「わぁ〜!!」
遥香は慌てだし、急いで片づける。
遥香「もぉ、最悪!和くん、見た?」
和也「えっ、その…」
遥香「見たんだ…もう…お母さんのばかぁ〜」
和也が見たものは、クローゼットの前に置かれていた洗濯物。その1番上に遥香の下着が置かれていたのだ。
遥香はあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしている。
遥香「初めてのデートだったのに…」
遥香は少し落ち込み始めた。恥ずかしがったり、落ち込んだり感情が忙しい子だ。
和也「だ、大丈夫だよ!可愛い下着だったし、気にしなくていいよ」
遥香「ふふっ、なんやそれ?デリカシーがあるのか、ないのか分からんやん。でも、ありがと…」
何故か関西弁になった遥香はそう言うと、和也の横に戻って抱きついてきた。
遥香「和くんは普段からさくちゃんの見てるから、そんなに気にならないんだね?」
和也「いやいや、別に見てないから。たまに洗濯物を干してる時に、目に入るぐらいで」
遥香「それを見てるって言うんやで?和くんのエッチ」
和也「たまたまだって。そんな変態じゃないよ」
遥香「ふーん。そう言う事にしときます。さくちゃんとは一緒に寝たりするの?」
和也「えーっと、どうだろう…」
遥香「和くんは嘘が下手やなぁ〜。さくちゃん、いいなぁ〜」
遥香の抱きしめる力が強くなる。
和也は、女の子特有のいい匂いや、密着している事により、我慢の限界が近づいてくる。
和也「遥香、そろそろ離れた方が…」
遥香「なんで?嫌なん…?」
和也「嫌とかじゃないけど、色々とさ…」
遥香「私、和くんとならいいよ…」
遥香はそう呟いてキスをした。

しゃもじ ( 2021/10/06(水) 00:39 )