乃木坂高校












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第3章
それぞれの試合
次に女子バレーを観に行った。
梅澤「山下、お願い!」
美月「おっけ!おりゃあ〜!」
美月がスパイクしたボールは当たり損ねたが、それが相手の逆をつき、相手コートにボールが落ちた。
美月「やったぁ〜!あっ、和くんだぁ!和くーん!」
美月がこっちに気づいて手を振ってくる。
さっきの桃子や与田さんといい、緊張感のない人が多いと思う。
梅澤「山下!ちゃんと試合に集中しなさい!」
美月「はーい!怒られちゃったぁ」
試合は梅澤さんの活躍もあり、1回戦を勝つことが出来た。
美月「和くんやったよぉ〜!」
和也「お疲れ様。梅澤さん、凄かったね」
梅澤「えへへっ、中学の頃バレー部だったからね!」
美月「もぉ〜、私も頑張ったから褒めてよ〜!」
和也「美月も頑張ったね。打ち損なったスパイクカッコよかったよ」
和也は美月の頭を撫でた。
美月「うんっ!次も頑張るぞ〜!」
美月は嬉しそうに飛び跳ねていた。
和也「それじゃ次の所行ってくるからね」

さっき飛鳥さんから試合の時間が送られて来たので、試合を観に行くことにした。
和也が体育館に着くと、試合はもう始まっていた。
生田「真夏〜!ボールちょうだーい!」
秋元「いくちゃん、いくよ!えーい!」
『テン、テン、テン』秋元さんが投げたボールは生田さんの所まで届かなかった。
生田「こら真夏〜!ちゃんとやれー!」
飛鳥「真夏!!ふざけないで!」
秋元「飛鳥が怒ってる…」
試合はどんどん点差が開いていき、恐らく逆転することはほぼ不可能に近い。
しかし、飛鳥さんは諦めずにボールを追いかけていた。
生田「飛鳥、シュート!!」
ゴール近くでボールを受け取り、飛鳥はシュートを打った。
ボールはリングに当たって跳ねたが、ネットをすり抜けていった。
『ピッピー』シュートが決まった直後、試合終了の笛が鳴った。
飛鳥さんのクラスは負けてしまった。
試合が終わると、飛鳥さんは隅っこで顔を伏せて座っていた。
和也「お疲れ様でした」
飛鳥「……。」
和也「最後のシュートすごかったですね」
飛鳥「……。」
和也「飛鳥さんの最後まで諦めない姿かっこよかったですよ」
和也は飛鳥の頭を撫でた。
飛鳥「でも…負けちゃった…」
和也「負けたとしても、飛鳥さんが1番かっこよかったですよ」
飛鳥「なんだよマネージャーのくせに…。ばーか。でも、ありがと…」
和也「もうすぐ自分の試合があるんで、もしよかったら観に来てください」
飛鳥「気が向いたら行く…」
和也「待ってますね」

和也は自分の試合時間が近づいたので、コートに向かった。

      〜10分後〜
美月「和くーん!応援に来たよ〜!」
桃子「あれ?和くん何してるの〜?」
秋元「飛鳥!早くおいでよ!」
和也「飛鳥さん、来てくれたんですね」
飛鳥「真夏がどうしてもって言うから…」
秋元「私!?飛鳥が付いて来てって言ったんじゃん!」
飛鳥「うるさいー!真夏なの!」
さくら「兄ちゃん、試合は?」
和也「んっ?終わったけど?」
遥香「終わったって、もうですか?」
飛鳥「なんだ、負けたのか?」
和也「いや、勝ちましたけど…?」
美月「おぉ!さすがだぁ〜!でも、和くんが勝ったのに、なんで久保はそんな青ざめた顔してるの?」
史緒里「いや…。和也くん凄すぎるんだけど…」
さくら「兄ちゃんが凄いんですか?」
史緒里「うん。相手の人、バドミントン部の人だったんだけど、一点も取られずに勝っちゃったの」
秋元「うそっ!あんな呑気に飲み物を飲んでる人が?」
みんなは和也の方を見ると、窓から空を見ながら飲み物を飲んでいた。
この後、メンバーは和也の凄さを目の当たりにする。

しゃもじ ( 2021/09/21(火) 00:59 )