乃木坂高校












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第2章
みんなで打ち上げ
監督「遠藤、ちょっといいか?」
試合が終わり、帰る準備をしていると監督に話をかけられた。
和也「どうしましたか?」
監督「遠藤、もう一度野球をやるつもりはないか?」
和也「もう一度ですか?」
監督「そうだ。過去のことは妹から聞いた。でも、我ら野球部にはお前の力が必要なんだ。どうだ?」
和也「ごめんなさい。お断りします」
監督「妹の為か?」
和也「それもありますけど、何より…」
和也はメンバーの方を見る。
秋元「おーい!遠藤くーん、打ち上げに行こ〜!」
生田「いっぱい食べよ〜!!」
飛鳥「早くしないと置いてくぞ〜!」
和也「今はみんなのマネージャーで、ちゃんとしないと怒られちゃうんですよね」
和也は笑顔で監督に言った。
監督「そうか。新しいやりたい事を見つけたんだな」
和也「はい。出来はまだまだですけどね!また、助っ人で野球やらせてください。それではお疲れ様でした」
和也はみんなの元に駆け寄った。
美月「監督さんと何話してたの?」
和也「んっ?野球部にはいらないか?って」
桃子「和くん、野球部に入るの!?」
さくら「兄ちゃん、また野球やるの?」
和也「断ったよ。野球部に入ったらマネージャーどころじゃなくなるし、そしたらある先輩に怒られそうだからね」
飛鳥「ある先輩って誰よ?」
和也「げっ?飛鳥さん!?」
飛鳥「げってなんだよ!えんぴー、あいつを捕まえるんだ!」
さくら「あすぴーさん、わかりました!兄ちゃん待てぇ〜!」
和也「さくら、いつから飛鳥さんの手下になったの!てか、俺、もうフラフラだから」
久保「遠藤くん、かっこよかったね?」
美月「久保。そうだね!でも、みんなの和くんなんだね」
久保「んっ?どういうこと?」
美月「ううん。なんでもない!和くーん、打ち上げは私の隣に座ってね〜!」
美月は和也に向かって叫んだ。
こうして、みんなでファミレスに向かった。

和也「ねぇ、誰がこんなに食べるの?」
ファミレスに着いて、注文した物がテーブルに届く。
秋元「大丈夫、大丈夫!いくちゃんと久保ちゃんがいるから!」
和也「あの2人そんなに食べるんですか?」
秋元「うん。いくちゃんはすごいよ」
生田「真夏〜!もう食べてもいい〜?」
秋元「それじゃ、乾杯しよっか!乃木坂高校の勝利と、遠藤くんの活躍にかんぱ〜い!」
『かんぱ〜い!!』みんなでグラスを合わせて打ち上げが始まる。
美月「和くん、なにが食べたい?」
和也「んっ?なんでもいいけど」
美月「ならこれだね!はい、あーん!」
美月がフライドポテトを掴んで、口に近づけてきた。
和也「えっ、自分で食べれるからいいよ」
美月「いいから、あーん!」
美月に見つめられて食べるしかない雰囲気になる。
和也「あ、ありがとう。いただきます」
美月「ふふっ、美味しい?」
和也「う、うん。美味しいよ」
すると、「痛てててっ」横で腕をつねくられる。
飛鳥「おい!飛鳥ちゃんの横でイチャイチャすんな!」
何故か横に座っている飛鳥さん。
和也「イチャイチャなんてしてないですよ」
飛鳥「んっ!!」
飛鳥さんが大量のポテトを掴んで、口に近づける。
和也「いやいや、それは多すぎですよ」
飛鳥「いいから、たべなさい!!」
飛鳥さんがポテトを無理矢理口の中に入れた。
桃子「あははっ、和くん、与田と一緒でリスみたいになってる!」
与田さんの方を見ると、口の中一杯に入れて、口が膨れ上がっていた。
田村「それにしても先輩の活躍は凄かったね!」
筒井「うん!ボールが凄く遠くまで飛んでいったよね!」
和也「最後はバテバテだったけどね」
梅澤「逆に体力ない状態であれができるって凄いよ」
久保「うん!これは来月の球技大会はうちらがもらったね!」
『球技大会!?』1年生と和也が反応する。
美月「そうだ!和くんが居れば球技大会で優勝できるじゃん!」
飛鳥「ちょっと待った。それは卑怯だ!」
秋元「そうよ!男の子がいるなんてずるーい!」
和也「みんなで盛り上がってるけど、なんのこと?」
高山「乃木坂高校は、クラス対抗の球技大会があるんだよね」
秋元「うちら芸能科は、普通科に比べて人数すくないから、1人で何種目もでるの」
梅澤「それで、優勝したクラスには校長先生からご褒美がもらえるの!」
与田「去年はなんだったっけ?」
美月「確か、打ち上げの時にお寿司を取ってくれたんじゃなかったっけ?」
掛橋「お寿司食べたいです!」
和也「なんか凄い学校だね…」
遥香「さくちゃん、球技大会楽しみだね!」
さくら「うん、でも出来るかな…」
和也「種目が決まったら一緒に練習しようか?」
さくら「うん!!兄ちゃんありがと!」
遥香「私も一緒にいいですか?」
筒井「あやも良ければ一緒に…」
田村「まゆもやりたいです!」
掛橋「私もいいですか?」
和也「もちろん!みんなで頑張ろ!」
掛橋「さすが教育係ですね!」
梅澤「こらっ!ライバルに塩を送ってどうするんだ!」
桃子「和くんは桃子達と練習しなきゃだめでしょ!」
和也「でも、みんな困ってるし…」
美月「私も困ってまーす!」
飛鳥「やま!わざとっぽいぞ!そもそも、教えられなくてもちゃんとやりなさいよ」
秋元「去年の飛鳥のバスケはヤバかったけどね!」
飛鳥「うるさい!真夏も人のこと言えないじゃん!」
高山「まぁ、どっちも下手だったよね!」
飛鳥・真夏「ずー!!(かずみん!)
みんなで騒いでいると、「あーっ!お腹一杯!」今まで喋ってなかった生田さんが声を出した。
和也「えっ、嘘でしょ…」
大量にあった食べ物がほとんどなくなっていた。
生田「みんな何で盛り上がってるの〜?てか、久保ちゃんデザート食べない?」
久保「いいですね〜!何にします?」
あまりの大食いに空いた口が塞がらなくなる。
秋元「ねっ?大丈夫だったでしょ?」
和也「あの細い身体のどこにあんだけ入るんだ」
生田さんと久保さんに驚きながらも、その後もみんなで打ち上げを楽しんだ。

真夏「それじゃみんなお疲れ様!」
打ち上げが終わって店を出た。
みんながそれぞれ帰り始めて、和也はさくらが1年生と話しているので終わるまで待っていた。
美月「和くん、ちょっといいかな?」
さくらを待っていると美月が話しかけてきた。
和也「うん。どうしたの?」
美月「明日って用事あるかな?」
和也「明日?特に何もないよ?」
美月「それなら、明日デートしよ?」
和也「デート!?」
美月「シーッ!声が大きいよ!」
和也「ご、ごめん。驚いちゃって」
美月「それでどうかな?」
和也「あ、はい。大丈夫です」
美月「ふふっ、ならまた詳しいことは連絡するね!じゃあね!」
美月はそう言って帰っていった。
さくら「兄ちゃんどうしたの?」
和也「んっ?なんでもないよ。もう話は終わった?」
さくら「うん!それと、今日、沙耶香が泊まりに来るんだけどいいかな?」
和也「掛橋さんが?いいんじゃない?母さんも喜ぶと思うよ」
さくら「ありがと!なら、沙耶香に伝えてくるから待ってて!ママにも連絡しなきゃ!」
さくらは一度戻って、掛橋さんと話し、再度こちらに戻ってきて、家に帰宅した。
こうして、和也の長い1日の半分が終わった。

しゃもじ ( 2021/09/07(火) 11:34 )