乃木坂高校












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第2章
桃子のお願い
レッスンが終わって掃除をしている。
すると、「ねぇねぇ、遠藤くん」と声をかけられた。
和也「大園さんどうしたの?」
大園「あの、お願いがあるんだ」
和也「お願い?なに?」
大園「土曜日に試合に出てください!」
和也「試合!?なんの!?」
大園「野球の試合です」
和也「野球!?なんでまた?」
大園「桃子、1年生の頃、野球部のマネージャーだったんだ。こっちが忙しくなったから、辞めちゃったんだけど、たまに見に行ってたの。それで、土曜日に練習試合があるんだけど、部員の1人が怪我しちゃって。人数が足りてなくてできないんだ」
和也「そ、そうなんだ。1年生はいないの?」
桃子「まだ、部活動に入っていないから。桃子、男友達がいないから遠藤くんにしか頼めなくて」
和也「なるほとね。野球か…」
大園「だめかなぁ〜?」
大園さんが泣きそうな顔をしている。
梅澤「私からもお願いできないかな?」
後ろにいた梅澤さんもお願いをしてきた。
和也「うーん。わかった。困ってるもんね」
大園「ほんと?本当にいいの?」
和也「うん。レッスンもあるからあんまり部活出れないけど」
大園「大丈夫だよ!ありがとう!ぐずん」
大園さんは何故か急に泣き始める。
和也「えっ?なんで泣いてるの?」
梅澤「嬉し泣きだから大丈夫だよ」
和也「そうなんだ。まぁ、とりあえず頑張るよ」
レッスン室の掃除が終わって下校する。
大園さんと梅澤さんと校門で別れて、帰ろとすると、さくらが待っててくれた。
和也「さくら、待っててくれたの?」
さくら「うん!一緒に帰ろ〜!」
さくらと一緒に下校する。
和也「そういえば、土曜日に野球の試合に出ることになった」
さくら「野球の試合?兄ちゃん、野球やるの!?」
さくらは少し嬉しそうな顔をする。
和也「土曜日の練習試合だけだよ。大園さんにお願いされたから」
さくら「そうなんだ!私、応援に行くね!」
和也「ありがとう。まぁ、頑張るよ」

次の日。大園さんに連れてかれて、野球部に行った。
大園「遠藤和也くんです!土曜日の試合に出てくれることになりました」
「お願いしまーす!!」部員は礼儀正しく頭を下げてくれる。
和也「こちらこそお願いします。あの、俺はどこを守ればいいですか?」
キャプテン「とりあえず、ライトを守ってくれるかな?1番打球が飛んできにくいから」
和也「わかりました。あと、朝練は大丈夫ですが、放課後はレッスンもあるので試合まで中々練習に来れないと思います…」
キャプテン「大丈夫。試合に来てくれるだけで感謝してるよ。毎年ある伝統の合流試合だから、中止にする訳にいかなくて。だから、ありがとう」
監督「遠藤、すまんな。これ練習着とユニホームだ。よろしく頼む」
和也は監督から練習着とユニホームを受け取り、部室へと向かう。
大園「遠藤くん、ありがとう」
和也「いいよ。たまには体動かさないとね!ちょっと着替えてくるね」
和也は部室に入って練習着に着替えた。
練習着に着替え終わり、部室を出ると大園さんが待っててくれた。
大園「んっ?うーん…」
和也「なに?どうしたの?」
大園「なんか違和感がないというか、やけに似合ってるというか」
和也「き、気のせいだよ。みんな待ってるから行こ?」
グラウンドに向かっていると、「あーっ!」と大きな声が聞こえる。
美月「本当に野球やるんだぁ!」
与田「おぉ〜!なんか似合ってますね〜!」
久保「なんかちょっとかっこいいかも!」
和也「みんな。どうしたの?」
美月「今日はレッスンがないから応援に来たの!」
和也「絶対茶化しに来ただろ」
久保「そんなことないよ〜!遠藤くん、けっぱれ!」
和也「け、けっぱれ??」
久保「宮城の方言で頑張れって意味だよ」
和也「そうなんだ。ありがとう!とりあえず練習行ってくるよ」
美月「和くん、けっぱれ〜!」
和也はグラウンドに行き、練習を始めた。
2時間程練習をして、部活が終わる。
久しぶりに身体を動かしたので、筋肉痛になってしまった。
和也はふらふらになりながら帰宅したのであった。

■筆者メッセージ
さくちゃんのお兄さんの呼び方が、兄ちゃんだったことを思い出して、急遽呼び方を変更しました笑
しゃもじ ( 2021/08/31(火) 12:11 )