乃木坂高校












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第2章
間接キス
放課後になり、レッスンを行う。
1年生は身体作りとして、ランニングと筋トレを行う。
和也はというとレッスン室の端でPCを構っていた。
生田「なにしてんの〜?」
休憩になり生田さんが話しかけてくれる。
和也「あっ、生田さん。これは先生からもらったみんなの長所や短所をまとめているんです」
生田「へぇ〜!私はなんで書いてあるの?」
生田さんがPCを覗いてくる。
(ち、近い)生田さんの顔がすぐ横にあり、少しドキドキする。
生田「なになに〜。長所、歌、ダンスが抜群に上手。やだぁ〜!そんなことないのに〜!」
明らかに満更でもない顔をしている。
続けて短所を読み始める。
生田「えーっと短所は〜、自由奔放。たまに俺様気質が出る。料理が苦手。待って!料理が苦手っておかしくない?」
和也「いや、俺に言われても受け継いだ資料を元に打ち込んでいるので」
秋元「へぇ〜!ちゃんと出来てる資料だね〜!」
生田「真夏!?どこがよぉ〜!」
秋元「だって、生田ちゃんは真夏の物は私の物って言ってるし」
和也「おぉ〜、まさにですね〜!」
生田「だって、真夏が持ってる物欲しくなるんだもーん!」
秋元「それにたまに食べかけのお菓子を無理矢理食べさせてくるしね」
生田「えぇ〜!無理矢理は傷つくなぁ〜!食べたいと思ってたのに〜!」
秋元「寝てる時に口に突っ込んでくるじゃない」
生田「寝てても食べたくなる時あるじゃーん!まぁ、いいや!これからは遠藤くんにあげよ〜!」
和也「俺ですか!?」
生田「分け合いっこしよーね!それで、真夏はなんて書いてあるの?」
和也「秋元さんは、長所は優しい。メンバー想いな所。料理上手って打ち込んであります」
秋元「えぇ〜!まなったんはいい子だなぁ〜!」
和也「短所は音痴、ダンスが独特、ぶりっ子、よく転ぶ。と打ち込んであります」
秋元「ほとんど悪口じゃない!」
生田「あははっ、すごい!当たってる!あははっ!」
秋元「いくちゃん笑すぎ!!遠藤くんの邪魔になるからもう行くよ!」
秋元さんが生田さんの腕を引っ張っていく。
生田「またね〜!頑張ってね〜!」
生田さんは引きずられながら手を振っていた。

一通りまとめれたので、休憩中のメンバーに飲み物を配る。
すると、レッスン室の隅で休憩している飛鳥さんを見つけた。
和也「飲み物どうぞ」
飛鳥「いらない」
今日は機嫌が悪いのかツンツンしている。
和也「そうですか。なら、欲しくなったら言って下さい」
1人でいたいのかもしれないので、その場から立ち去ろうとした。
飛鳥「待って!どこいくの?」
和也「どこって他の人の所ですかね?」
飛鳥「またそーやって鼻の下を伸ばすのか」
和也「えっ?またっていつそんな事があったんですか?」
飛鳥「さっき、いくちゃんが近くにいてなってた」
和也「さっき?あー、あの時ですか!生田さんって面白いですよね」
飛鳥「なにやってたの?」
和也「メンバーの長所と短所をまとめてたんです」
飛鳥「長所と短所。べ、別に知りたくないけど飛鳥ちゃんはなんて書いたの?」
和也「飛鳥さんですか?確か長所は、後輩の面倒見がいい。ダンスが上手でそれから〜」
飛鳥「待った、待った!!もういい!」
飛鳥さんは顔を赤くしていた。
和也「顔が赤いですけど大丈夫ですか?」
飛鳥「もーうるさい!喉が渇いた!それちょうだい!」
飛鳥さんか持っていたドリンクを奪い取る。
和也「あっ!でもそれ…」
『ゴクッ』飛鳥さんがドリンクを一口飲む。
飛鳥「それってなに?」
和也「いや…。それ俺が飲んでたやつです。みんなに配ってたのはこっちで…」
そう告げると飛鳥さんの顔がみるみる赤くなる。
和也「あの〜、飛鳥さん?」
呼びかけても全く返答がない。
和也「間接キスしたこと気にしてます?」
飛鳥「わぁ〜〜!!別に気にしてないし!これぐらい飛鳥ちゃんからしたら普通なんだから!!」
どう見ても動揺している。
和也「そうですか!さすが飛鳥さんですね」
飛鳥「もういい!休憩終わり!早くレッスン再開しよ!」
飛鳥さんは立ち上がって移動していった。
和也はその後ろ姿を笑いながら見ているのであった。

しゃもじ ( 2021/08/30(月) 08:19 )