乃木坂高校












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第2章
初デート〜美月side〜
美月「あわわっ〜。どうしよう、どうしよう」
私の名前は山下美月。現在、絶賛テンパリ中です。
最近転校してきた遠藤君に街の案内をすると、勢いで誘ってしまった。
美月「なに着ていこう。あっ!お風呂入らなきゃ!痛ぁっ!」
急いでお風呂場に向かおうとしてら、棚に足をぶつけてしまう。
痛みに耐えながらもお風呂に入る。
お風呂から出て急いで頭を乾かした。
美月「あとは、メイクして〜、服選ばなきゃ!」
クローゼットから服を取り出そうとしたら、机の上に置いてある雑誌が目に入る。
美月「好きな人にアピールしろ。モテテク講座」
雑誌の表紙に書いてある文字に反応する。私は雑誌を開いて読み始める。
美月「ふむふむ。さりげないアピール。自分のことを知ってもらうのが大事か。なるほど!奥が深いなぁ〜。って、ヤバい!時間が!」
ついつい読むことに集中してしまい、時間のことを忘れていた。
服を着替えて、メイクをしてリビングに向かう。
母「あらっ?どこかいくの?」
美月「ちょっとね!ママ、今日の私、可愛いかな?」
母「うん。可愛いわよ」
美月「よしっ!なら、行ってきまーす!」
私は急いでお家を出た。

美月「ごめーん!お待たせしました!待ったよね?」
余計なことをしてしまったので、少し予定の時間より遅れてしまった。
和也「ううん。そんなに待ってないよ」
彼は優しい顔でそう言ってくれた。
(確かに雑誌に書いてあったのは、楽しみなことをアピールすることだったかな。よしっ!)
美月「お出かけが楽しみで、準備に時間かかっちゃったぁ」
遠藤君とのお出かけが楽しみと、さりげないアピールをする。
和也「山下さんは出かけるのが好きなんだね」
(むむっ?むむむ?なんか伝わってないぞ)
私のアピールは虚しく空振りで終わった。私は次のアピールを始める。
美月「どう?似合ってるかな?」
お互い私服を見るのが初めてなので、とても新鮮な気持ちになる。
和也「うん、可愛いと思うよ」
遠藤君が可愛いって言ってくれた。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが混ざり合う。
和也「顔が赤いけどどうしたの?暑い?」
私はあまりの嬉しさに顔が赤くなっているみたいだ。それを必死で誤魔化す為に、急いで歩き出した。
そして、私はあることに気づく。彼は鈍感ということに。

この後も、私は必死にアピールした。行きつけの美容院。お洋服を買うところ。喫茶店での好きな食べ物。自分のことを彼に知って欲しかったから。
そして、お昼ご飯を食べてから秘密の場所へと案内をした。
ここに来ると不思議と素直になれる。
私は普段の私を知って欲しくて、彼にありのままを話した。闇が深い所、ネガティブな所。正直、引かれると思った。しかし、彼の言葉は私の予想をいい意味で裏切った。
「俺からしたら山下さんもキラキラしてるよ」
初めてそんな言葉を言われた。必死でキラキラしようと努力したが、空回りしてしまったり、ネガティブな所が出てしまったりする。
彼はそんな私を受け入れてくれた。それが嬉しくて泣きそうになってしまう。
マネージャーとしてかもしれないけど、それでいいんだ。そばに居てくれるなら。
そして、嬉しさのあまり彼の手を握ってしまった。彼も握り返してくれて、幸せな気持ちになる。これが男の子と初めて手を繋いだ瞬間だった。
その後も、色々な所を案内して帰る時間になった。
別れ際、私は勇気を振り絞ってお願いごとをした。
美月「み、美月って呼んでくれないかな?」
そう。密かに目標としていた、名前で呼んでもらうこと。
遠藤君は快く承諾してくれた。更に、遠藤君も下の名前で呼んでいいと言ってくれた。
私は嬉しくて飛び跳ねたい気持ちだったが、グッと我慢してお家に入った。
美月「ただいま〜!!」
母「おかえりなさい。デートはどうだったの?」
美月「で、で、デート!?」
母「あらっ?違ったの?」
美月「デートというか、町を案内したのいうか…」
母「楽しかった?」
美月「うんっ!すごく楽しかった!」
母「そう。よかったわね。パパが寂しがっちゃうから内緒にしなきゃね」
美月「あははっ、大丈夫だよ!お手伝いするね」
私は今日一日が凄く幸せだと感じたのだった。

■筆者メッセージ
もうそろそろ官能も入れていこうと思います!
しゃもじ ( 2021/08/23(月) 08:28 )