乃木坂高校












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第12章
2人の秘密
遥香とイチャついている所をさくらに見られてしまった。
和也はテンパり動揺している。
一方遥香は平然としており、2人に温度差を感じる。

和也「全然大丈夫じゃないって!さくら?あの、これはね…」
なんか誤魔化そうとするが、何もかも手遅れである。

遥香「あははっ!和くん、慌てすぎだって!」
和也「いやいや!慌てるでしょ!」
遥香「大丈夫だって!さくちゃんは全部知ってるもん!」
和也「大丈夫じゃないよ!んっ?全部…?」
遥香「うん、全部…」
和也は遥香の言葉の意味が理解できなかった。

和也「えーっと…それはどういう?」
遥香「だからぁ!全部は全部!」
遥香は恥ずかしくなったのか、顔を赤くして大きな声をだす。

和也「ごめん。全然理解できない…」
遥香「もうっ!さくちゃんは和くんと私が、その…エッチしたこと知ってるの…!」
和也「そうなんだ…えぇっ!!」
あまりにテンパりすぎて色々とおかしくなっている。

遥香「私もさくちゃんのこと知ってるけどね」
和也「さくらのこと…まさか!」
和也はさくらの方を振り向くと、さっきよりも顔を真っ赤にしており、小さく頷く。

(最悪だ…)和也の表情が見る見る暗くなっていく。
遥香「そんな気にすることじゃないと思うけど?」
和也「いや、でも兄妹で…」
遥香「兄妹なんて関係ないよ。お互いがお互いのことを大切に想ってるならね?」
和也は妙に遥香の言葉に納得をした。
むしろ納得しないとやっていられなかった。

さくら「兄ちゃん、大丈夫だよ…」
さくらは和也の腕に『ギュッ』と抱きついた。
和也「さくら…」
顔をさくらの方に向けて、2人は目を合わせた。
そして、自然と2人の顔が近づいていく。

すると、「ストーップ!!」と遥香が騒ぎ出す。
遥香「そこでイチャつくなぁ〜!チューするの禁止!」
遥香はヤキモチを妬いて、頬を膨らませる。

さくら「かっきーはさっきまで兄ちゃんとしてたでしょ!次はさくの番!」
いつになく強気なさくら。
遥香「そうやけど…でもダメーっ!」
遥香も中々引き下がらない。

遥香「こうなったら和くんに決めてもらお!」
さくら「うんっ!そうしよ!」
和也「はっ?えっ?どういうこと?」
和也は2人の顔を交互に見る。

遥香「和くん!私かさくちゃんどっちにする?」
さくら「兄ちゃん?もちろんさくだよね?」
2人に詰め寄られ、おどおどしてしまう。

和也「いや、そういうのちょっと…決めれないというか…」
遥香「和くん!男の子でしょ〜!」
ぐいぐいくる遥香に対して、さくらはウルウルした目で無言で見つめる。

和也は体育祭前日にまさかの形でおいこまれるのであった。

和也「えーっと、そのさ…もっと平和に…」
和也がどんな言葉をかけても今の2人には意味がなかった。

遥香「もう!まぁ、そこが和くんの優しいところか?」
さくら「ふふっ、そうだね。兄ちゃんは優しいもんね」
遥香「なら、2人仲良くしよっか?」
さくら「うんっ!」
さくらと遥香の中で話がついたみたいだ。

2人の笑顔を見て、和也はホッとする。
遥香「ジャンケンでいい?」
さくら「いいよ〜!」
2人は急にじゃんけんをし始めた。

この時、和也はこの後何が起きるか知らず、2人のじゃんけんを呑気に見ていたのであった。

しゃもじ ( 2022/08/30(火) 23:36 )