マネージャーの仕事
(そういえばこの人たちはそうだった…)
勝負事なので、みんな気合いが入っている。
和也「それで、どうチーム分けされるの?」
今年転校して来たばかりの和也は、体育祭のシステムを知らない。
美波「基本的には他の学校と一緒だと思うよ?」
史緒里「学年関係なく、縦割りになるの。A組だったら、上級生、下級生関係なくね?」
和也「上級生と下級生が関係なく…ってことは…」
美月「飛鳥さんやかっきー達と同じチームでーす!」
芸能科は各学年で1クラスしかないので、必然的にみんな同じチームになる。
和也「あのさ、みんながここまでやる気ってことは、真夏さんや飛鳥さん達は…?」
蓮加「もちろんやる気満々に決まってるよ!」
理々杏「球技大会とは比にならないぐらいにね?」
和也「マジか…」
これは楽しんでいられないと思った。
葉月「絶対1番にならなきゃ!」
楓「マラソンなら負けないんだけどなー」
桃子「ももこ、運動苦手です…」
桃子が不安になったのか、泣きそうになっている。
和也「大丈夫だよ。頑張ろ?」
桃子「うんっ!」
麗乃「一緒にやるならみんなお揃いのTシャツほしいな〜!」
珠美「おっ!それありじゃない?」
綾乃「先輩とか後輩とかお揃いにしちゃう?」
美波「与田、どう思う??」
みんなが一斉に祐希の席に目を向ける。
祐希「Z z z z…」
史緒里「寝てるね…」
和也「うん、寝てる」
美月「まぁ、いいや!なら、Tシャツの件はお願いね?」
和也「えっ?俺が!?」
美波「だってマネージャーだし」
和也「そう言われると…」
美波の正論にぐうの音もでない。
和也は仕方なく昼休みに3年生の教室に向かった。
和也「あの〜」
眞衣「おっ、珍しいじゃん!どうしたの?」
3年生の教室に行くと、眞衣が和也を見つけて駆け寄る。
和也「あっ、眞衣姉さん。ちょっとみなさんに相談したい事があるんですが…」
眞衣「みんな?ちょっと待ってて?おーい!和也くんが話があるって〜!」
眞衣が教室にいるメンバーに呼びかける。
絵梨花「あぁー!和也くーん!どうしたの?」
真夏「もしかしてまなったんに会いに来た〜?」
和也「いや、違うんですけど」
真夏「ひどい!!」
飛鳥「あははっ、真夏、残念だったね!この人は飛鳥ちゃんに会いに来たんだぞ!」
飛鳥が笑いながら近寄ってくる。
和也「それもちょっと違うんですけど、みんなに相談がありまして」
飛鳥「あぁん?相談ってなに?」
飛鳥は少し不機嫌そうな顔をしている。
和也「もうすぐ体育祭だから、お揃いのTシャツがほしいとみんなで話してまして。どうですか?」
まあや「お揃いのTシャツ?」
一実「お揃いのTシャツいいじゃん!」
日奈「うんうんっ!買おう買おう!」
絢音「どんなデザインにする?」
飛鳥「それはマネージャーが考えるだろ?」
和也「えっ?嘘でしょ?」
絵梨花「わーい!和也くんが考えてくれるんだぁ〜!」
真夏「なら、よろしくね〜!」
断る暇もなく話が終わってしまった。
和也は肩を落としながら、1年生の教室に向かったのだった。