乃木坂高校












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第11章
新学期
夏休みが終わり今日から新学期が始まる。
いつもの様にさくらに起こしてもらい、一緒に学校に向かう。
すると、登校中、後ろからひそひそと声が聞こえる。
「付き合ってるのかな?」
「でも、一緒に登校してるってそう言うことだよね?」
和也とさくらが後ろを振り向くと、松尾と黒見がいた。

和也「松尾さんと黒見さん。おはよ。どうしたの?」
黒見「あっ、いえ。おはようございます」
松尾「えーっと、あははっ…」
2人は気まずそうに和也とさくらの顔を交互に見る。

さくら「あっ!違うよ?」
黒見「えっ、でも…」
和也「さくら、何が違うの?」
松尾「名前で呼び捨て!?やっぱり!」
さくら「兄ちゃんは静かにしてて!」
『兄ちゃん!?』2人は驚いた表情をする。

さくら「この人は私の兄ちゃんです」
和也「さくらの兄です」
松尾「まさかのお兄さんですか!?」
黒見「でも、そう言われれば、お二人とも苗字が遠藤さんですね」
和也「そういう事です」
松尾「し、失礼しました〜!」
2人は小走りでその場から立ち去った。

和也「なんだったんだろう?」
さくら「へへっ、カップルに見えたのかなぁー?」
さくらは何故か嬉しそうだった。

学校に着き、さくらと別れて教室に入る。
美月「和くんおはよ〜!」
和也「おはよ。史緒里もおはよ」
隣の席の美月と前の席の史緒里に挨拶をする。
他のみんなはどこかに行っているのか、教室にいなかった。

史緒里「和也くん、おはよ!」
美月「んっ?ちょっと待って!」
和也「どうしたの?」
史緒里「山下、目が怖いよ?」
美月「なんで久保だけ名前を呼んで私は呼ばないの?」
和也「えっ!?そこっ?」
美月「そこじゃなーい!」
美月が騒ぎ出すと、他の子が教室に戻ってきた。

美波「山下、何に騒いでるの?」
美月「和くんったら、また久保に贔屓したんだよ!」
史緒里「贔屓っていいすぎだって」
蓮加「でも、一緒に地元行ったんでしょ?」
和也「……。」
史緒里「……。」
蓮加の鋭いツッコミに思わず黙り込む。

美波「私からしたら山下も十分贔屓されてるって…」
美月「えーっ?そうかな〜?和くん、私って特別〜?」
上目遣いで和也を見つめる美月。

和也「そうだね。特別だね」
美月「やだぁ〜!もう照れちゃう〜!」
美月は両手を頬に当てて笑顔で喜ぶ。

桃子「えっー?桃子はー?桃子も特別って言ってよ〜!」
和也「はいはい。桃子も特別だね」
祐希「祐希も〜!」
和也「祐希もだね」
何気なくみんなにそう言っていると、美月の顔がだんだん怖くなる。

美月「和くん!!また浮気!?」
和也「えっ!?またそのくだり!?」
史緒里と美波は少し呆れて苦笑いしている。

和也が美月に追い詰められて困っていると、「おーい!静かにしろ〜!」と先生が入ってHRが始まる。

先生「今日から新学期だ。気合い入れていけよ〜!それと、9月は体育祭があるから頑張るんだぞー!」
その後も話が続いてHRが終わった。

和也「体育祭か〜!楽しみだね?」
和也は隣にいる美月に話をかけた。

美月「楽しみ?和くん何言ってるの?」
和也「なにって、えっ?」
美波「そうそう!その発言にびっくりだわ!」
美波の会話に参戦する。

和也「なにかおかしなこと言ったかな?」
美月「体育祭はぜーったい優勝しなきゃ!」
美波「そうそう!楽しんでいる余裕なんてないんだから!」
そう言う2人はガチな目をしていたのだった。

しゃもじ ( 2022/05/24(火) 12:19 )