乃木坂高校












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第10章
ドキドキの温泉旅館
露天風呂付きの部屋に泊まることになった和也と遥香。

和也「と、とりあえず温泉街いく?」
遥香「そ、そうだね。とりあえず…」
少し気まずい空気が流れて、2人は再び温泉街に行こうとした時、「ちょっと待って!」と遥香が呼び止める。

和也「んっ?どうした?」
遥香「どうせならこれ着てかへん?」
遥香が旅館にある外出用の浴衣を指で指す。
和也「あっ、いいね!こっちのが雰囲気でるし!」
遥香「でしょでしょ!」
遥香は浴衣を手に取り、ワンピースを脱ごうとする。

遥香「ば、ばかぁ!あっち向いてて!」
ワンピースの紐に手をかけた時、和也と目が合うと顔をプクッと膨らませる。
和也「あっ、ごめん!」
和也は遥香と反対側に身体の向きを変える。

遥香「うーん、どうすればいいんやろ?上手く出来へん…」
少しすると遥香が独り言を言い始める。
何かに悩んでいるようだ。

遥香「和くん、帯が上手く出来へん…」
声をかけられたので振り向くと、スマホを片手に浴衣を着た遥香が眉を八の字にして困っている。

和也「ちょっと待ってて」
和也はスマホを取り出して、帯の結び方を調べる。
和也「ふーん、なるほどね…」
調べ終わると、遥香の前に立って帯を結び始める。

遥香「えっ!和くん、なんでできるの?」
和也「今調べたからね〜」
元々器用な和也は簡単に帯を結ぶ。
和也「よしっ!出来…た…」
顔を上げると、目と鼻の先に遥香の顔があった。
そして、時が止まったかのように見つめ合う2人。
『ガタッ』遥香のスマホが床に落ちる。

和也「あっ、ごめん」
遥香「わ、私もごめんなさい」
その音で我に返り、顔を赤くして距離を取った。

遥香「つ、次は和くんの番だね」
和也「うん…」
和也は浴衣を手に取り、着替えようとする。
和也「あの…恥ずかしいんだけど…」
自分の時は恥ずかしがっていた遥香が、和也が着替える時はガン見している。
遥香「いいからいいから!どうぞ?」
和也「そう言われると着替えづらいよ…」
遥香「意外と恥ずかしがり屋やな〜!」
遥香はそう言うと後ろを向いた。

和也はその間に浴衣に着替える。
和也「もういいよ!」
遥香「なんか早かった…ね…」
遥香が振り向くと浴衣姿の和也に言葉を失った。
夏祭りの時も浴衣姿は見たが、旅館の浴衣はまた違った味があり、思わず見惚れてしまう。

和也「遥香?どうした?」
遥香「えっ、あっ、なんでもない!です…」
和也「なんか態度がおかしいような…」
遥香「なんでもない!なんでもないから!」
慌てた様子の遥香。和也は急によそよそしくなった遥香の態度に首をひねった。

和也「それじゃ、着替えたことだしいこっか?」
遥香「うんっ!でも、その前に…」
遥香が和也の横に並んで腕を絡ませる。
遥香「記念撮影しなきゃ!」
スマホを片手に腕を伸ばす。
遥香「和くん、笑ってね?」
『カシャ』スマホの画面に写っていた2人は最高の笑顔をしていた。

遥香「これ待ち受け画面にしちゃお〜!和くんにも送るね!」
実際の遥香も写真に負けないぐらい、最高の可愛い笑顔をしていたのだった。

■筆者メッセージ
気分転換に完全不定期更新で櫻高校を作ろうと思います!笑

とりあえず、今日は完全休養なので、乃木坂と日向のストックを作り込みます!笑
しゃもじ ( 2022/05/07(土) 10:13 )