乃木坂高校












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第10章
桃子と麻衣
桃子「お姉さま!聞いてください!この前和くんがね…」
桃子は和也と白石の間でニコニコしながら話している。
桃子の話を聞きながら、白石は「うん、うん」と相槌を打っていた。
その顔は優しい表情をしており、七瀬に似ていた。

和也「一緒だ…」
無意識に声に出してしまう。
桃子「何が一緒なの?」
和也「えっ…あっ、白石さんと七瀬さんが似ているなって思って」
白石「七瀬さん?和也くん、七瀬に会ったの?」
和也「はい、この前祐希と遊んだ時に会いました」
桃子「西野さんとお姉さまが似てるの?」
和也「祐希を見る七瀬さんと桃子を見る白石さんがだよ?」
白石「ふふっ、和也くんはよく見てるね?」
白石がそう言うと、桃子は『ポカーン』とした表情をしている。

白石「七瀬も私も同じことを思ってたからかな?」
和也「妹みたいに思ってることですか?」
白石「それもあるけど、2人の事を守ってあげたいと思ったんだ。この子達は傷つけちゃいけないって」
白石は目を細めて遠くを眺める。

和也「そうなんですね。2人ともすごいですね」
白石「ううん、すごくないよ。ただ、私たちがアイドル活動を始めた時は、笑われたりバカにされたりした。辛かったけど、みんなで支えてあって続けれたの。だから、この子達は何があっても守ってあげたいってみんな思ったんだよ?だかは、私や七瀬だけじゃないの。飛鳥や絵梨花、他のみんなも頑張ってくれたんだよ?」
白石の話を聞いて、和也は心が打たれた。

和也ですら感動した話だったので、隣にいる桃子はまたもや号泣していた。
桃子「うえーん、桃子、白石さんに会えてよかったです…」
白石「また泣いちゃったの?」
白石は苦笑いしながら桃子を慰める。

桃子が泣き止んだので、昼食を食べることにした。
桃子が行きたがっていたカフェに入る。

桃子「桃子、ちょっとお手洗いに行ってきます」
注文をして待っている間、桃子はトイレに行く。

白石「ねぇ、和也くん。1つお願いがあるんだけどいいかな?」
白石が真剣な表情をして話し出す。

和也「お願いですか?どうしました?」
白石「桃子のこと頼んでいいかな?」
和也「桃子ですか?」
白石「うん。ほら、あの子泣き虫でしょ?メンタルも人より弱いしさ…だから、お姉ちゃんとしては心配なの」
和也「ふふっ、やっぱり一緒ですね。七瀬さんも同じ様なこと言ってました」
改めて白石と七瀬は似ていると感じる。

白石「七瀬もキミになら任せれると思ったんだよ。それでどうかな?」
和也「もちろんです。白石さんの頼みなら喜んで」
白石「ありがと。それと、私のことは麻衣でいいわよ?」
和也「なら、麻衣さんって呼ばせてもらいますね」
白石「うん!そうだ!連絡先交換しよ?また、何かあったら相談してね?」
和也「はい。ありがとうございます」
連絡先を交換し終わると、桃子が戻ってきた。

桃子「お待たせしました!あれ?お姉さま、なんか嬉しそうですね?」
麻衣「ちょっとね?」
桃子「なんですか?教えて下さい〜!」
麻衣「だーめ!和也くんと私の秘密だもん!」
桃子「えぇ〜!和くんずるーい!桃子もお姉さまと秘密がほしいです!」
麻衣「なら、2人だけの秘密作ろっか?」
麻衣が桃子の耳元で何かを話す。
話終わると、桃子の顔が真っ赤になった。
和也「桃子どうしたの?顔が真っ赤だけど?」
桃子「な、なんでもない!」
麻衣「本当になんでもないの?」
麻衣はニヤニヤしている。

桃子「もぉ〜!白石さん!」
麻衣「頑張らなきゃね?」
顔を真っ赤にして怒る桃子とニコニコの麻衣。
そんな2人を見て和也は微笑んでいた。

しゃもじ ( 2022/04/30(土) 16:02 )