乃木坂高校












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第9章
思い出し笑い
和也「えっ、ちょっとさくら!ここがどこかわかってる?」
さくら「わかってる…」
和也「そ、そうなんだ…」
さくら「さくも入るの嫌だ…?」
さくらはウルウルした目で和也を見つめる。

和也「嫌じゃないよ。行こっか?」
さくら「うん…」
和也はさくらを引き連れてホテルの中に入った。

『ガチャ』選んだ部屋の中に入っていく。
すると、「和くん…」とさくらが後ろから抱きしめてきた。

和也「どうした?」
さくら「なんでもない。ただ、和くんとまだ居たかったから」
和也「そうなんだね。とりあえず座ろっか?」
さくらは頷いて、2人はソファに座った。

ペタッとくっつき、和也の肩に頭を乗せるさくら。
さくらのシャンプーの匂いが嗅覚を刺激する。
さくら「やっぱ落ち着くなー」
和也「なにが?」
さくら「和くんの近くにいると」
和也「俺からマイナスイオンでも出てるのかな?」
さくら「ふふっ。そうかもしれない!」
さくらは微笑み、頭を上げて体勢を整える。

さくら「和くん。チューしよ?」
恥ずかしそうに顔を赤くして、さくらは和也にお願いする。
和也はさくらに身体を向けて、ゆっくり顔を近づける。
『チュッ』触れ合った2つの唇。
顔を離すと幸せそうにしているさくらがいた。

和也「お風呂入る?」
さくら「お風呂?入りたいなー」
和也「なら、お湯溜めてくる」
さくら「さくもいく」
さくらは和也の服の端を掴んで、後をついてくる。

それは昔を思い出させる行動だった。
まだ小さい頃、和也がどこかに行く時、さくらは和也の後をずっとついてきた。

なので、友達と遊ぶ時はほとんどさくらと一緒だった。
しかし、さくらは人見知りなので、和也から離れようとせず、ずっと後ろに隠れていた。
小学4年生になると、和也も野球を始めたので、さくらもついてくることが少なくなったが、初めの頃は和也が練習に行く度に泣いていた。

「ふふっ」和也は思い出し笑いをする。
さくら「何で笑ってるの?」
和也「さくらは本当いつまでも変わらないなーって」
さくら「それって褒められてるの?」
さくらは不思議そうな顔をしている。

和也「もちろん。褒めてるよ」
さくら「ならいいけど」
蛇口を捻って湯船にお湯を溜めていく。

2人はお湯が貯まるまでの間、再びソファに戻ってキスを始めた。
それはどちらからでもなく、自然に始まった。

触れ合うだけのキスをしていると、さくらの口が少し開いた。
兄妹からなのか、さくらがどうしてほしいのかわかる。
舌をさくらの口の中に入れて、ゆっくりねっとり絡ませる。

「んっ…んんっ…はぁっ、んっ」
隙間からさくらの吐息が漏れ始める。
さくらも積極的に舌を絡ませて、手を和也の首に回して離れないようにする。

その時間がいつまで続いたのだろう。
2人はひたすらキスを続け、お互いを求め合っていた。

和也「あっ、お風呂…」
唇を離すと、絡み合った唾液が糸を伸ばす。
和也「さくら、先に入っておいで?」
和也がそう言うと、さくらは首を横に振った。

和也「後でいいの?なら、俺が先に入るね?」
和也が立ち上がろうとすると、さくらはなにか言いたそうな顔をして、首を横に振った。

和也「どうした?」
さくら「……たい」
小さな声で何かを話すさくら。
和也「一緒に入る?」
僅かだが、さくらが何を言ったのか聞き取れた。

すると、さくらは首を縦に振る。
和也「いこっか?」
和也はさくらの手を握って脱衣所に向かった。

湯船を見ると、お湯が溢れそうになっていたので、慌てて蛇口を戻す。

和也「危なかったー!」
さくらは慌てている和也が面白かったのか笑っていた。

和也「笑すぎ!」
さくらの髪の毛を手でボサボサにする。
さくら「やめろ〜!」
さくらが対抗すると、和也の体勢が崩れて、さくらとの顔が至近距離になる。

さくらは目をつぶる。和也も目をつぶってキスをした。
そして、さくらの着ていた水色の服に手をかけて、ゆっくり脱がしていった。

しゃもじ ( 2022/03/29(火) 13:34 )