乃木坂高校












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第9章
デートの誘い
和也はお風呂から出てリビングに戻ると、さくらと美緒は何かを見て楽しんでいた。

和也「なに見てるの?って、これって…」
和也は2人が見ている物を覗くと、小さい頃のアルバムを見ていた。

さくら「あっ、兄ちゃんおかえり!」
美緒「小さい頃の先輩、めっちゃ可愛いですね!」
さくら「それでね、これが兄ちゃんが小学校に入学した時なんだよ!でね〜、あっ!」
さくらは美緒に写真の解説をしていたが、慌てて1枚の写真を手で隠した。

美緒「んっ?さくちゃん、その写真はなに〜?」
さくら「な、何でもないよ!!次のページ見よ!」
和也「その隠した写真ってさくらが号泣してる写真だよね?」
美緒「さくちゃんが号泣??」
さくら「兄ちゃん!何で言っちゃうの?」
さくらは頬を膨らませて和也の方を見る。
その時、無意識に手を腰に当てたので、写真から手が離れた。

美緒「あっ!本当に泣いてる!しかも、先輩にくっついて」
さくら「あっ!!」
さくらは慌てて写真を隠したが、時すでに遅し。美緒はその写真をバッチリ見ていた。

美緒「さくちゃん、可愛い〜!!」
さくら「もうっ!兄ちゃんのせいだからね!」
美緒「でも、なんでさくちゃんは泣いてたの?」
和也「確か俺が小学校に行くのが嫌だったからだったような…。一緒に幼稚園に行ってたから離れ離れになるのが嫌で泣いてた気がする」
和也はソファに座って、飲みかけの麦茶を飲んだ。

美緒「へぇ〜、そうなんですね〜」
美緒はニヤニヤしながらさくらを見た。
さくら「何で言うの?恥ずかしいじゃんかぁ!」
さくらは和也の後ろに行き、肩を『ポカポカ』と叩き始める。

和也「あぁ〜、そこ気持ちいいよ。出来れば叩くんじゃなくて、揉んでくれるとありがたいけど」
さくら「肩叩きしてるんじゃない!さくは…じゃなくて、私は怒ってるのー!」
美緒「怒りながら言い間違えるさくちゃんも可愛い〜!」
美緒はスマホで2人の動画を撮り始める。

和也「ごめんごめん!それより、もうこんな時間か…明日も早いし寝ようかな」
さくら「あれ?明日、兄ちゃん出かけるの?」
和也「美波と買い物に行くんだ」
さくら「梅澤さんと?」
和也「うん。服をコーディネートしてくれるみたい」
さくら「そう…なんだ…」
さくらは寂しそうな表情をする。

和也「そんな顔しないの。さくらは明後日出かけようね?」
和也はそう言ってさくらの頭を撫でた。
さくら「うんっ!!」
さくらはニコッと笑って返事をした。

「あの!!」さくらとのやり取りを見ていた美緒が立ち上がる。

和也「んっ?どうした?」
美緒「わ、私も、その…で、で、で」
和也「で?」
美緒「私もデートしたいです!!」
和也「デート?さくら、明日、美緒と出かければ?」
さくら「えっ、これってさくじゃない様な…」
和也「さくらじゃないの?じゃあ誰?」
美緒「さくちゃんともデートしたいけど、その、先輩と…」
和也「んっ?俺!?」
美緒「は、はい!先輩のみなさんやさくちゃんみたいにデートしたいです…」
和也「デート…。うん、いいよ。美緒と出かけるの楽しそうだし!」
美緒「ほ、本当ですか!?やったぁ〜!さくちゃーん!」
美緒はさくらに抱きついた。

さくら「美緒ちゃんよかったね〜」
さくらは美緒の頭を撫でている。

和也「それじゃ、美緒が空いてる日教えて?」
美緒「は、はい!!えーっと…」
美緒から空いている日を聞いて、和也も予定がなかったので、その日に遊ぶことにした。

和也「なら、また今度ね。俺は寝るから2人も夜更かししすぎない様にね?」
和也はそう言って自分の部屋に向かった。

和也が居なくなった後、さくらと美緒は和也と遊べることがよほど嬉しかったのか、ニコニコしながらアルバムの続きを見ていたのであった。

しゃもじ ( 2022/03/20(日) 12:43 )