乃木坂高校












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第1章
小悪魔美月
午前の授業が終わり、お昼休みになる。
吉田「遠藤君、一年生の子が来てるよ」
声をかけてきてくれた子は吉田綾乃クリスティー。純日本だが、海外でも使える様にと両親がつけてくれたらしいと、山下さんが教えてくれた。
和也「吉田さんありがとう。一年生の女の子って誰だろう」
山下「もしかして、本当にナンパしたの!?遠藤君の浮気者〜!」
和也「してないって。んっ?賀喜さん?」
教室の扉に目を向けると賀喜さんが立っていた。
和也「賀喜さんどうしたの?ってさくらもいたんだ」
賀喜さんの後ろに隠れているさくら。
賀喜「お兄さんが倒れたって聞いて、さくちゃん心配してたんです。それで、教室に行きたがってたんですが、1人じゃ怖かったらしくて私も一緒に」
さくら「お兄ちゃん大丈夫?」
和也「そうなんだ。ありがとう。もう大丈夫だから」
山下「あっ!遥香ちゃん!」
様子を見に来た山下さん。どうやら賀喜さんと知り合いみたいだ。
和也「賀喜さん、山下さんと知り合いなの?」
賀喜さんは山下さんを見ると急にモジモジし始めた。
賀喜「はい。山下さんは私の憧れの人なので」
山下「私、憧れちゃってるんです!」
和也「だから、そんなに顔が赤くなったんだ」
賀喜「もー恥ずかしい!さくちゃん助けて!」
次は賀喜さんがさくらの後ろに隠れる。
「えっ!えっ?」さくらも挙動不審になる。
山下「この可愛い子はもしかして?」
遠藤「俺の妹のさくら」
さくら「え、遠藤さくらです。よろしくお願いします」
ガッチガチに緊張しているさくら。それを見るとなぜか笑えてくる。
山下「近くでみると本当に可愛いね!そうだ!今から一緒にご飯食べない?」
和也「山下さん、人見知りって言ってなかった?」
山下「なんか、遠藤君と妹ちゃんならなんか人見知りしないんだよね〜!遥香ちゃんは昔から知ってるし」
和也「って、言ってるけどどうする?」
賀喜「ご一緒してもいいんですか?」
和也「いいんじゃない?本人が言ってるし」
賀喜「なら、一緒に食べたいです!ねっ?さくちゃん?」
さくら「えっ、あっ、うん」
山下「やった〜!それじゃお弁当持ってきて屋上いこ〜!」
和也「いってらっしゃい」
『えっ?』3人は一斉に和也を見る。
和也「なに?どうしたの?」
山下「いや、いってらっしゃいって何をおっしゃってるの?」
さくら「お兄ちゃんも一緒じゃないの?」
賀喜「普通そうですよね?てか、お兄さんがいないと緊張してしゃべれないです」
和也「俺には緊張しないのか」
山下「遠藤君も後輩に慕われてますな!」
和也「そうじゃないような」
山下「ふふっ、ならお弁当持ってきて屋上集合ね〜!」
『はい』さくらと賀喜さんはお弁当を取りに一度教室に戻った。

和也「じゃ、俺は購買に行くから」
山下「そうなの?なら、私もついてこっかな」
和也「山下さんは先に屋上行っててよ。さくら達が先に着いたら、困っちゃうだろうし」
山下「うーん。それもそうだね。なら、先にいってきまーす!」
和也「よろしくね」
しかし、山下さんは中々動こうとしない。
和也「なんで動かないの?」
山下「よろしくねじゃないでしょ?」
和也は山下さんの発言にポカーンとしてしまう。
和也「なら、何と言えばよろしいのでしょうか?」
すると、山下さんは上目遣いで、「いってらっしゃいでしょ?」と言う。
和也「うっ、い、いってらっしゃい」
山下さんの上目遣いにドキッとする。
山下「うん!行ってきます!早く来てね!」
山下さんは笑顔になり、屋上へと向かった。
(どこが人見知りなんだ)和也は心の中でそう思った。

しゃもじ ( 2021/08/17(火) 08:00 )