日向高校




























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第5章
和也の過去
部活が終わり、みんなが和也の元に集まって座る。
部活が始まる前に佐々木さんと約束したから。

〜部活前〜
久美「佐藤くん。部活が終わったら過去のこと教えてくれないかな?無理にとは言わないけど。」
和也「うん。いいよ。いつかはって思ってたから。」

和也「楽しくない話だよ?いい話ではないし?」
美玲「大丈夫。教えて?」
和也「あれは中学1年の時〜」

〜4年前〜
和也「今日から中学生か〜これからいっぱいバスケができるぞ〜!」
中学に入りたての頃、和也はバスケが好きで一日中バスケをしていた。
中学もバスケ部に入り、充実した毎日を過ごしていた。
中学1ながら和也の才能は、中1レベルを超えており、すぐにレギュラーになるとも言われていた。
そして、同級生の亀山祐。のちに和也の親友であり、相棒になる人間だ。
この2人は入部当時から競い合っていた。
和也「亀!絶対負けないからな!」
祐「俺だって負けないから!」
2人は毎日の様に遊び、バスケをしていた。そして、中学で初めての大会の新人戦を迎えた。勿論2人はレギュラーだった。ただ、2人はポジションが同じだった。どちらかがポジションを変えなきゃいけなかった。
祐「和也。俺がPGにいくよ。」
和也「なんで?いつも沢山点とって勝ちたいって言ってたじゃん。」
祐「正直、和也のシュート力には勝てない。でも、パスの精度は俺の方が上だから。俺が和也を輝かせる。」
そうして、和也と祐は中学3年間で、全国に名前を轟かせた。
新人戦は地区優勝、そして、県大会準優という結果で終わった。
祐「くそー!負けたー!最後絶対にバスカンだったのに!」
和也「ギリギリのプレーだったからね。もっと上手くなろうな!」
祐「当たり前だろ!俺らのコンビなら全国優勝もできるって!」
2人はライバルであり、最高のパートナー。そして、お互い一人っ子のため、兄弟の様な感じでもあった。
こうして、2年後の中学最後の大会。和也達は全国大会準決勝まで来ていた。
祐「絶対勝って決勝にいこうぜ!」
和也「あたりまえじゃん!」
準決勝は和也と祐の活躍もあり、何とか勝てた。
試合が終わり、会場を後にすると沢山のスポーツ記者がいた。
「佐藤君、亀山君。次は決勝だね!調子はどうだい?」
「2人は同じ高校に行くの?」
凄い勢いで迫ってくる。今まで沢山の取材を受けたが、今大会で、MVP確実とされていた和也を取材しようと、今までの倍は記者が来ていた。
顧問「すみませーん。子ども達も疲れてるので。」
あまりの人の多さに声がかき消される。
「トンっ!」誰かは分からない。ただ、押された衝撃で和也は道路に飛び出した。
「プップー!!」車のクラクションが聞こえる。
祐「和也危ない!!」
和也は気を失っていた。そして、目が覚める。見慣れない景色。
和也「ここは、、、?」
看護師「先生!!佐藤君が起きました!」
なんか騒がしい。
母「和也!!」
何故か母さんが泣いている。色々と思い出す。取材を受けて、何かにぶつかって、車。
和也「母さん!!祐は??」
母「祐君は・・・」
和也はベッドから駆け出す。
母「和也!!」
体が痛い。でも、必死に祐を探していた。病室に祐の名前があった。
和也「祐!!!」
祐の顔には白に布が被せてあった。
理解できなかった。いや、理解は出来ていた。でも、頭では分かっていたけど、受け入れられなかった。
和也「おばさん。これじゃ祐が息しづらいよ?とってあげてよ。」
祐の母は泣いていた。
「かずちゃん。祐はねもう、、。」
動揺して言葉の意味が分からなかった。追いかけて来た和也の母が言う。
「祐君は和也が道路に飛び出た時に助けてくれたのよ。車もそんなにスピードが出てなかったけど、打ちどころが悪くて。」
母さんも泣いていた。
和也「俺のせい、、、?」
「違うわ。和ちゃんのせいじゃない。」
祐の母が言う。
和也「どう考えても俺のせいだろ!!俺がちゃんと逃げていれば、、、」
「和ちゃん!しっかりして!あなたのせいではない。」
いつも2人でいて、泊まったりしてたから、「子どもがもう1人できたみたい」っていつも喜んでくれていた。祐の母も辛いが、和也の事を想ってくれていた。
和也は、当時その時の優しさに気づけなくて自分を責めた。
そして、バスケも辞めて学校には行くものの、友達とは遊ばず、帰って来ては部屋引きこもった。高校に入り、笑ってはいたが、どう見ても無理して笑っていた。その状況を知った祐の母が
「ここでの思い出は和ちゃんには良くないかも。違う環境ならもう一度、元気な姿を見せてくれるかも。」
その助言で和也の両親は引っ越しを決意した。和也も両親、祐の両親にこれ以上心配をかけまいと無理して元気に振る舞った。
そして、日向町に引っ越して日向高校に入り、そしてみんなと出会った。みんなの笑顔が太陽のように感じ、日陰にいた和也を照らしてくれる。和也は時々、いつまでも日陰にいる和也を心配して、祐がみんなと出会わせてくれたのではないかと思った。和也が人に優しく出来るのは、大切な人が居なくなる悲しみを知ってるから、この世に絶対ということはなく、ちゃんと想いを伝えて人のことを考えないと、後悔すると知っているからだろう。和也にとってアイドル部のみんなは、心の支えであり、今後人生をかけて守るべき存在になっていた。

■筆者メッセージ
途中で無理矢理設定したので、内容がおかしいかもです!涙
しゃもじ ( 2021/05/01(土) 17:48 )