監督辞めちゃうの??
球技大会が終わり、美穂は体育館にバッシュを忘れたので取りに行っていた。
(佐藤先輩すごかったな〜!今度バスケ教えてもらお)
そんなことを思っていると
体育館の入り口の近くで、佐藤先輩とバスケ部の顧問の先生が話していた。
息を潜めて近くに行く。
先生「率直に言う!佐藤!バスケ部に入ってくれ!」
(えっ、先輩がバスケ部に誘われている。)
美穂は急いでキャプテンに連絡する。
久美「えっ!!!」
部室でいきなり久美が叫ぶ。
史帆「びっくりしたな〜いきなり何!?」
久美「美穂からメッセージで、監督がバスケ部に引き抜きされてるって!」
美玲「えぇっ?監督辞めちゃうの?」
京子「嘘でしょ!?」
丹生「でも、今日の活躍をみたら当然の流れですよね。」
史帆「だめだめ!監督は私たちの監督だよ!やだぁ」
泣き出す史帆。みんなも不安な顔を見せる。
久美「まだ体育館にいるって!行こ!」
みんな部室から駆け出した。
久美「美穂!!監督どこ?」
美穂「あそこです。」
史帆「としちゃん行ってくる!」
美穂「ちょっと待ってください。」
美穂は史帆を止めて、物陰から見るように言う。
先生「佐藤が居れば、インターハイ出場も、いや、優勝だって夢じゃない!どうだ」
和也「お断りします。」
先生「なんでだ?そんな素晴らしい才能があるのに勿体ない。アイドル部が原因か?あんな出来たばっかの部にいる必要ないだろう。お前には何もメリットがないだろ!」
和也「お言葉ですが先生。勘違いしてますよ?」
先生「勘違い?」
和也「お前にはメリットがないって言いましたよね?逆ですよ。俺にはメリットしかないんです。先生知ってますか?アイドル部のみんなは俺にとって太陽なんです。転校してきた時、俺は過去のことでずっと日陰にいたんです。でも、みんなに会って、だんだん日陰から日向に出してくれました。毎日が楽しくてしょうがないんです。先生の夢はインターハイだと思いますが、俺の今の夢は、みんなと一緒にアイドルになる為に歩むことなんです。だから、バスケ入部の話はお断りします。今はアイドル部の監督なんで。」
先生「すまない。熱くなってひどいことをいった。ただ、入りたくなったらいつでも来てくれ!」
和也「わかりました。」
先生は立ち去って行った次の瞬間
『がーんーどーぐー』
和也「うわぁ!なに???」
みんなが泣きながら近寄って来た。
和也「なに?どうしたの?何があったのさ?」
美玲「どごにも行がないでね〜」
史帆「ずっど私の監督でいでよ〜」
京子「あんたがいるからアイドル部入ったのに、勝手にいなくなったら許さないから!」
後輩達も泣きながら抱きついて来た。
ようやく状況が理解できた和也は
和也「大丈夫だよ。どこにも行かないから。」
みんな泣きながら笑う。
和也「さぁ、部活いこうか!」
「うん!(はい!)」
和也は改めてみんなのことが好きだと思った。