日向高校




























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最終章
イベントとデート
ライブまで残り数日。合同練習は最後の仕上げに入っていた。

白石「美玲さん!ターンが速い!史帆さんはもっと移動早く!」
体育館には白石の声が響く。

和也「少し演奏にズレがあるね。フルートが少し遅いかな。もう少しだから頑張ろ!」
『はい!!』和也の優しい声に吹奏楽部のメンバーは元気よく返事する。

史帆「うぅ〜!白石先生が怖〜い」
休憩時間になり、疲れ切った身体を休ませているメンバー達。

愛萌「ライブがもう少しだから気合いが入ってますね」
美玲「それに比べてあっちは…」
陽菜「幸せそうです…」
アイドル部のメンバーは羨ましそうに吹奏楽部を見る。

「なに話してるの?」ドリンクを持った和也がメンバーの元にやってきた。
美玖「あっ、和くん!」
和也「みんな頑張ってたね。はい、ドリンク」
彩花「ありがとう〜!今日は浮気しなかったね?」
和也「元々浮気した覚えはないって」
菜緒「でも、さっき楽しそうに話してたやん?」
芽依「吹奏楽部の子達、キラキラした笑顔してたで?」
和也「それは…」
和也は答えようとしていると、「佐藤くーん!」と吹奏楽部の部長に呼ばれた。

和也「ごめん!呼ばれたからいくね」
和也は吹奏楽部の元に戻っていった。

久美「行っちゃった…」
未来虹「なんか寂しいですね」
京子「でーもー!もうすぐあれがあるじゃん!」
明里「あれってなんですか?」
美穂「あっ!すっかり忘れてました!」
ひなの「なんのことですか?」
優佳「3月14日のことだよ〜!」
『あっ!!』みんなは大切なことを思い出した。

紗理菜「でも、バレンタインを忘れてた人が覚えてるかな?」
愛奈「いや、絶対忘れてるやろ!」
ひより「なんとかして思い出させないといけませんね!」
鈴花「でも、どうやって?」
好花「ここは直帰に勝負でいきます?」
ひなの「ここは変化球で勝負の方がいいのでは?」
茉莉「なのちゃんが言う変化球ってなんだろう?」
陽世「さぁ〜。でも、ろくな事ではないのは確かだね…」
あるイベントのことで盛り上がるメンバー。

白石「何に盛り上がってるの?」
史帆「あっ!先生!」
美玲「3月14日のことです!」
白石「3月14日…あっ!なるほどね〜!」
ニヤニヤしてみんなを見渡す。

白石「まぁそれもいいけど、まずはライブだからね!」
『はい!!』返事をしてステージに戻り、練習を再開させた。

そして、部活が終わり下校時間になる。
和也は、白石に呼ばれていたので1人だけ遅く下校する。
部室の鍵を閉めていると、「せーんぱい?」と後ろから誰かに呼ばれた。

和也「ひなの?どうしたの?」
後ろを振り向くと笑顔のひなのが立っていた。
ひなの「先輩のこと待ってました。一緒に帰りませんか?」
和也「いいよ。なら、行こっか」
2人は並んで歩き出した。

ひなの「もうすぐライブですね。楽しみです」
和也「そうだね。そういえば、今日の練習見てて思ったけど、ひなの、表現力が増したね?」
ひなの「えっ!そうですか!?」
いつもとは違い興奮気味に食いつく。

和也「うん。なんか表情が大人びたというか、曲に入り込んでる気がした」
ひなの「実は少し前から意識する様にしたんです。だから、先輩に気づいてもらえて嬉しいです!」
うれしそうに目を細めて喜ぶひなの。

ひなの「あの…もしよかったらでいいんですが、お願い事聞いてもらえないでしょうか?」
和也「お願い事?ひなのがお願い事なんて珍しいね?どうした?」
ひなの「もし…今度のライブで完璧なパフォーマンスが出来たら、またデート…してもらえませんか?」
和也「うん、いいよ。なら、ひなののこと応援してるね?」
ひなの「はい!!よろしくお願いします!」
ひなのと約束をして、ライブ当日を迎えることになった。

しゃもじ ( 2022/06/26(日) 12:52 )