日向高校




























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最終章
愛情と優しさ
「かんせーい!!」しばらくして、好花と鈴花の料理が完成した。

和也「えーっと…これはナポリタンでいいのかな?」
鈴花「先輩、何言ってるんですか?どう見てもペペロンチーノですよ?」
和也「ペペロンチーノ…ちなみに作ったことは?」
好花「全くないです!!」
和也「だよね…」
テーブルに置かれたのは、少し赤くなった麺に、ベーコンやピーマンなどの具材が入っていた。

和也「このペペロンチーノのはなんで赤いのかな?」
好花「ペペロンチーノってイタリア語で唐辛子を意味してるそうなんです!唐辛子がどこにあるかわからなかったので、タバスコを入れてみました!」
(なぜペペロンチーノの意味は分かるのに、タバスコを入れるとヤバいことはわからなかったのだろう…)
和也は当然の様に疑問に思った。

鈴花「さぁ、ボナペティート!!」
和也「な、なにその言葉?」
鈴花「イタリア語で召し上がれと言う意味です!さっき調べました!」
和也「そ、そうなんだ。いただきます」
和也は覚悟を決めて、フォークにパスタを巻き、口に近づける。

(タバスコの匂いだ…)鼻を近づけるだけでも感じる。
恐る恐る口の中に入れると、『ゴホッ!ゴホッゴホッ』想像していたよりも辛く、思わずむせてしまう。

鈴花「やっぱりだめでした?」
好花「先輩、ごめんなさい!もう食べない方がいいですね…」
好花が皿をひこうとすると、和也が手を掴んで止める。
和也「ううん、ちょっとびっくりしちゃったけど美味しいよ。だから、食べるよ」
そう言って、辛さを感じる前に食べ切ろうと次々のパスタを口の中に入れていく。

そして、10分後。皿の上にのっていた少し赤いパスタは綺麗になくなった。
和也「ごちそうさまでした…」
鈴花「本当に全部食べてくれたんですね…」
和也「もちろん。2人が作ってくれた料理だからね」
好花「やっぱり先輩は優しいですね?」
好花と鈴花は少し涙目になりながら微笑んだ。

その後、片付けが終わり3人でゲームをして楽しんだ。
和也「あっ、布団入れてこなくちゃ」
外が少しずつ暗くなり、ゲームに夢中になっていた和也はベランダに向かった。

布団をベットし敷いてリビングに戻る。
鈴花「あっ!先輩!お願いがあるんですけどいいですか?」
和也「お願い?どうしたの?」
好花「今日、先輩のお家にお泊まりしてもいいですか?」
和也「今日?鈴花の家じゃなくていいの?」
好花「鈴とも話して決めたんです!」
鈴花「だから、お願いします!」
和也「うん、いいよ。それじゃ、お昼ご飯を作ってくれたお礼に、夜ご飯は俺が作るよ」
鈴花「ほんとですか!?やったー!」
好花「鈴!早速荷物取りに行こ!」
2人は子供の様にはしゃぎ、荷物を取りに行くために鈴花の家に戻った。

和也はその間に買い物に行くための準備をした。

『おじゃましまーす!』5分ぐらいして2人が和也の家に戻ってきた。
鈴花「あれ?先輩、どこかにいくんですか?」
和也「うん。冷蔵庫の中が少なくなったから買い物に。2人は家でゲームでもしてて?」
好花「私達も一緒に行きます!ねっ?鈴?」
鈴花「もちろん!それじゃ、出発しましょ〜!」
2人に背中を押されて家を出る。
そして、3人でスーパーに向かったのだった。

しゃもじ ( 2022/05/25(水) 12:27 )