日向高校




























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第26章
バレンタインとお泊り
美穂を送って行った後、和也はある人に連絡をした。

和也「何時頃来る?今、外だから迎えに行こうか?」
メッセージを送ると、すぐに返信がくる。

「色々準備してて、まだお風呂もご飯もまだなんです」

和也はメッセージを読み、すぐに返信する。

和也「お風呂はうちで入る?ご飯は俺もまだだから、一緒に食べる?」

「いいんですか?」と返信が来たので、「うん。なら、迎えに行くね」と送信して、その人の家に向かった。

美穂の家から20分程歩くと、少し先に人影が見えた。

和也「お待たせ。外で待っててくれたんだね?」
和也は近寄り、話しかけると彼女はニコッと笑った。

陽菜「はい!早く会いたかったので!」
和也「それにしても凄い荷物だね?」
陽菜はリュックを背負って、両手で大きな箱を持っている。
恐らくリュックは着替えなどの荷物が入っているのだろう。
そう思った和也は自然と箱に視線がいってしまう。

陽菜はその視線の先に気づく。
陽菜「ふふふっ、これはまだ内緒です!」
和也「気になるなー」
陽菜「我慢してね?後で見せてあげるから!」
陽菜はニコニコしている。その笑顔につられて、和也も自然と笑顔になる。

和也「楽しみにしてるね?それじゃ、帰ろっか?」
陽菜「はい!あっ…」
陽菜は何かに気づいて、少し寂しそうな表情をする。

和也「どうしたの?」
陽菜「両手塞がってて、手が繋げない…」
陽菜は両手で箱を持っている。例え和也が持っても両手になってしまう。

陽菜「寂しいけど、これは陽菜が持つしかねぇので!」
たまに出る謎な口調が出て、陽菜は「行きましょう!」と歩き出す。

和也「ご飯何が食べたい?」
陽菜「うーん、和くんが作ってくれるならなんでも食べたい!」
和也「人参でも?」
陽菜「人参は食べません」
和也「なんでもじゃないじゃん」
陽菜「うーん、食べさせて貰えるなら…でも…」
真剣な表情で悩んでいる陽菜。

和也「あははっ、冗談だよ。陽菜が好きなの作るね」
陽菜「うんっ!」
陽菜と話しながら帰ると、あっという間に家に着いた。

和也「お風呂の準備してくるから、適当に座ってて?」
陽菜「あっ、これ…冷蔵庫に…」
和也「これ?わかった」
陽菜から箱を開けとる。

陽菜「ありがとうございます!」
陽菜はお礼を言って、ソファに座った。

和也は冷蔵庫に箱を入れて、お風呂場に向かった。
お風呂の準備をして、すぐに夜ご飯の支度をする為に台所に向かう。

陽菜「陽菜もお手伝いします!」
和也「大丈夫だよ。陽菜はレッスンで疲れてるでしょ?」
陽菜「大丈夫だよ!弟子として師匠だけやらせる訳にはいきません!」
和也「ありがとう。なら、ジャガイモの皮を剥いてくれるかな?」
陽菜「はい!」
陽菜は嬉しそう台所に向かってくる。

そして、和也の横でジャガイモの皮を剥き始める。
和也はその間にお米をといで、炊飯器にセットする。

すると、「師匠!大変です!!」と陽菜の大きな声が聞こえた。
和也は陽菜の方を見ると、そこには小さく変わり果てたジャガイモの姿があったのだった。

しゃもじ ( 2022/04/19(火) 19:57 )