日向高校




























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第26章
2人のペース
和也「あの〜、そろそろ買い物行かない?」

お昼ご飯を食べてから、夕方までテレビを観て時間を過ごした。

しかし、なにを観るかでも一悶着あり、京子はお笑いが観たがったが、美穂はドラマを観たがった。
結局、交代で観るということでまとまったが、中々合わない2人である。

美穂「そうですね!そろそろ行かないと夜ご飯遅くなっちゃいますね」
京子「和は何が食べたい?ラーメン?うどん?それともそばかパスタ?」
和也「なぜ麺類だけ…」
美穂「そうですよ!先輩は私のクラムチャウダーが食べたいんですよ?」
和也「そんなこと一言も言ってないけど…」
京子「ちょっと美穂!今日は麺類なの!」
美穂「今日はっていうよりいつもですよね?」
また不穏な空気が流れ始める。

京子「和に両方食べてもらおうか?」
美穂「そうですね!なら、行きましょー!」
2人はコートを来て玄関に向かう。

美穂「先輩?なにしてるんですか?」
和也「えっ、だって今…喧嘩…」
京子「喧嘩?なんのこと?てか、美穂のコートめっちゃ可愛いじゃん!」
美穂「そうですか?お気に入りなんで嬉しいです!京子さんのコートも可愛いですね?」
先程とは打って変わって仲良く喋る京子と美穂。
和也は首を傾げながら2人の後をついて行った。

スーパーで今日の夜ご飯と、何日か分の食材を購入して家に戻ってきた。

和也「ふーっ、やっぱり買い物は車がないと不便だね」
美穂「確かに…大変ですね」
京子「お買い物の時は私が手伝ってあげる!」
和也「ありがと。もし、大変だったらお願いするよ」

少し休憩して、京子と美穂が夜ご飯の準備を始める。
和也「本当にラーメンとクラムチャウダーにするの?」
美穂「はい!最近、疲れるようになったんで、先輩に食べて欲しいんです!」
京子「今日は味噌ラーメンの気分なんだよね〜!」
和也「まぁいいけど…」
そして、2人はご機嫌に料理を作り出す。

美穂「〜〜♪〜〜♪」
美穂が『キュン』の鼻歌を口ずさむと、それに合わせて京子が歌い出す。

(なんだかんだで息があってる…)
そんな2人をダイニングテーブルに座って見ていた。

京子は美穂に状況を何度も聞いて、ラーメンを作るタイミングを見計らっている。

1時間後。テーブルに並べられた、味噌ラーメンとクラムチャウダー。
誰がどう見ても異色の組み合わせだ。

美穂「京子さんの作ったラーメン美味しそうですね〜!」
京子「美穂のクラムチャウダーもめっちゃ美味しそうじゃん!」
和也「両方美味しそうだね。食べてもいいかな?もう、腹ペコなんだよね」
美穂「どうぞ!」
京子「召し上がれ!」
和也はまずラーメンから食べ始める。

和也「うん!美味しい!」
京子「へへっ!褒められた!」
京子は美穂に向かってピースする。

美穂「むぅ!先輩!はやくクラムチャウダーも食べてください!」
美穂は和也に褒められたいのか、早く食べるように急かす。

和也「こっちも美味しい!美穂はすごいね?」
美穂「やったぁ〜!先輩の胃袋ゲットです!」
京子「ちょっと和!ラーメンが伸びちゃうから早く食べて!」
美穂「先輩!冷めちゃうから早く食べてください!」
和也「ちょ、ちょっと!俺にもペースと言うものが…」

息が合っているのか、合っていないのか、2人のペースに翻弄される和也なのであった。

■筆者メッセージ
更新遅れてすみません!
次回から官能を入れていきます!
しゃもじ ( 2022/03/10(木) 19:02 )