日向高校




























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第26章
新学期
今日から新学期が始まる。
和也は登校していると、「あの…」と後ろから声をかけられる。
和也は振り返ると、後輩らしき女の子が立っていた。

和也「えーっと、どうしたのかな?」
後輩「あのですね…チョコレートかクッキーどっちが好きですか?」
和也「チョコかクッキー?うーん、どっちも好きだよ?」
後輩「そうですか!ありがとうございました!」
その子は近くで待っていた友達に何かを嬉しそうに報告していた。
(何だったんだろう?)和也は何のことかさっぱり分からなかった。

和也「みんなおはよ」
学校に着いて、教室に入ってみんなに挨拶をする。

紗理菜「和也くんおはよ!」
優佳「おはよー!1人暮らしの調子はどう?」
和也「うーん、毎日誰かが来てくれるから1人暮らしの感じがしない」
愛奈「あははっ!そうだよね!グループトークで誰が行くか決めてたわ!」
和也「なにそのグループ…」
どうやら和也が知らないメッセージグループがあるらしい。

紗理菜「これだよ?」
紗理菜がスマホの画面を見せてくれる。
そこには『和くんのお家』とタイトルがついたグループが。

史帆「はいはーい!今日はとしちゃんが和くんのお家に行きまーす!」

美穂「史帆さんは前も行きましたよね?次は私です!」

彩花「待った待ったぁ〜!次は私でしょ〜?」

ひより「あや姉さん、ちょっと待って下さい!次はひよたんの番です!」

和也「こうやって決めてたんだ…」
和也はトークを見て苦笑いしている。
優佳「私達はみんなの迫力に負けて出番なし!」
和也「ははっ、確かに凄いね。特に史帆と美玲」

史帆と美玲の話をしていると、『和くーん!!』廊下から、2人の叫び声が。

美玲「おはよ〜!!」
史帆「和くん!寒いから暖めてくれ〜!」
史帆と美玲が慌ただしく教室に入ってきて和也に抱きつく、

和也「2人ともおはよ。俺も今着いたから暖かくないよ?」
美玲「いいの〜!!」
史帆「なら、としちゃんが暖めてあげる〜!」
そんな2人を見て、紗理菜達は苦笑いしている。

和也「ところでそんなに慌ててどうしたの?」
史帆「そうだ!!チョコかクッキーどっちが食べたい?」
美玲「ケーキかタルトでもいいよ?」
和也「急にどうしたの?」
愛奈「あーっ、なるほどね〜!」
愛奈は何かに気づいたみたいだ。

和也「んっ?どういうこと?」
和也が愛奈に聞こうとすると、『だめーっ!!』と史帆と美玲が愛奈の口を押さえる。

「んーっ!!!」愛奈は口を押さえられて苦しそうにもがいている。

史帆「こらっ!まなふぃ!」
美玲「ぜーったい内緒なんだからね!」
愛奈は大きく頷き、手を離すように訴えかける。

愛奈「ぷはぁー!!苦しいわぁ!」
愛奈は顔を少し赤くして、息を整えている。
愛奈「まぁ、1ヶ月後にはわかるからそれまで待ってて!」
和也「1ヶ月後?そういえば、朝来る時も1年生の子に同じこと聞かれたなー」
和也がポロッと言った言葉に反応する美玲と史帆。

美玲「はぁ?」
史帆「なぬ?」
和也「ど、どうしたの?急に怖い顔して…」
和也はなにか地雷を踏んでしまったと悟った。

史帆「かーずーくーん!!!」
美玲「ちょっと座りなさい!!」
いつものお決まりのパターンが始まる。

美穂「せーんぱい!あれ?どうしたんですか?」
鈴花「めっちゃ怒られてますけど?」
優佳「まぁ、いつものやつよ?」
美玖「また何かやらかしたんですか?」
菜緒「今回はなにやったんですか?」
紗理菜「あのね…」
紗理菜が今回のことを説明した。

それを聞いた後輩メンバーが和也に近寄る。
和也「みんな!!」
和也は助けに来てくれたのだと思い、少し笑顔になると、『先輩!!(和くん!!)』と怖い顔をする。

和也の笑顔は一瞬に消えて、HRが続くまで説教は続いたのであった。

しゃもじ ( 2022/03/06(日) 20:39 )