日向高校




























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第25章
息子のことを…
久美「準備できた〜?」
アイドル部のメンバーは朝早くからライブの準備をしている。

美玲「準備バッチリ〜!後は着替えるだけだぁ〜!」
菜緒「久しぶりのライブだから緊張するなぁ〜」
菜緒がそう言いながら和也に抱きついた。

和也「父さんと母さんだけだから気軽にいこ?」
菜緒「パパとママだからって手は抜かないよ?」
菜緒が真剣な表情をする。
和也「ふふっ、そうだね。よろしくね?」
和也は菜緒の頭を撫でた。

美玖「ちょっと!いつまで抱きついてるの?」
美穂「そうそう!菜緒だけずるい!順番待ちしてるんだから早く!」
和也「順番待ち?」
和也は菜緒の後ろを見ると、メンバー全員が1列ならんでいた。

史帆「こしゃ〜!はやく〜!としちゃんは待ちくたびれたぞ〜!」
菜緒「ふふっ、はーい!なら、和くん。菜緒、頑張るね!」
そう言って菜緒が離れていった。

その後、みんなにハグをしてライブの時間になった。

白石「お父さん、お母さんこちらです!」
校門で白石と七瀬が和也の両親のことを待っていた。
母「白石先生、七瀬さん。今日はよろしくお願いします!」
白石「いえいえ。それでは行きましょうか?」
白石の案内の元、真っ暗になった体育館の中心にライトアップされている、2脚の椅子。2人はそこに座った。

すると、ステージがライトアップされる。
美玲「パパ!ママ!スペシャルライブにようこそ!!」
久美「今日は楽しんでください!」
京子「それじゃ、早速いくよ〜!」
京子の合図の元、和也がピアノの前に座り、演奏を始める。

『〜〜♪』ピアノの綺麗な音色が体育館に響く。

『君はどんな夢見てるか?何も語らずに…』

一曲目は『青春の馬』から始まる。
そして、『キュン』、『ドレミソラシド』と披露した。
みんなは踊っている時に最高の笑顔をしていたが、寂しさのあまり泣き出すメンバーもいた。

久美「今日はありがとうございました!!」
『ありがとうございました!!』
3曲終わり、スペシャルライブは終わった。
『パチパチパチ』父と母は立ち上がって泣きながら拍手をして幕を閉じた。


翌日。遂に父と母の出発する日になった。
メンバー、先生、七瀬が駅まで見送りに来た。

父「白石先生。和也のことお願いします」
白石「はい。和也くんのことは私が責任持ってみるので、安心してください」
史帆「ちょっと先生!私がじゃなくて、私達がでしょ〜!」
七瀬「まるで、まいやんと一緒に暮らすみたいやん!」
和也「白石先生、料理美味しいからそれもいいかもな〜!」
和也が冗談で言うと、みんなは真剣に怒り始めた。

京子「おいっ!!遂に本性をだしたな!」
彩花「やっぱり白石先生が好きだったんだ〜!」
鈴花「私達は遊びだったのかぁ〜!」
ひなの「遊び…先輩ひどいです…」
和也「うわぁぁ!ひなの、冗談だからね?そんな悲しい顔しないで!」
菜緒「なんで、なのちゃんだけフォローすんねん!!」
菜緒が和也の背中をつねる。
和也「いたたたっ!!菜緒、痛いよ!ごめんって!」
みんなと和也のやり取りをみて両親は笑っていた。

そして、もうすぐ電車に乗る時間になると、母と父が真剣な表情をする。

母「みんなにお願いがあるけどいいかしら?」
美穂「お願い?」
母・父「これからも息子のことをお願いします」
母と父がみんなに頭を下げた。

美玲「うんっ!!パパとママが帰ってくるまで任せてよ!」
美玖「帰ってきてからも任せてね!」
母「みんな…ありがとう…」
母はみんなの返事を聞いて泣き出した。

好花「ママ…泣かないで…私達も…」
史帆「今日は泣かないって決めたのに…笑顔でお見送りするって決めたのに…」
陽菜「ママ〜!パパ〜!」
陽菜が母に抱きついた。
すると、他のメンバーも父と母に抱きついた。
紗理菜「寂しい…寂しいよぉ…」
芽依「うぅ…いやや…いかんで…」
別れを悲しんでいる中、電車が駅に到着した。

父「みんな。次帰ってくる時までに絶対夢を叶えておくんだよ?それと、和也。元気でいるんだぞ?」
母「和也、数ヶ月留守にするけど、ちゃんとご飯食べて元気でいるのよ?みんなに迷惑かけちゃだめよ?」
和也「うん。父さんも母さんも元気で…」
両親は和也と同じ優しい笑顔で電車に乗った。

メンバーと和也。先生と七瀬は電車が見えなくなるまで手を振り続けたのだった。

しゃもじ ( 2022/02/14(月) 19:11 )