日向高校




























小説トップ
第25章
気持ちのこもった招待状
翌朝、和也はまだ誰も起きてない時間に起きて、ダイニングテーブルに招待状と1枚の封筒を置いて家を出た。

鈴花「先輩!おはようございます!どうでしたか?」
玄関を開けると鈴花が立っていた。

和也「鈴花、おはよ。たぶん大丈夫だよ」
鈴花「ふふっ、ならよかったです!ちょっと内容が気になりますけどね?」
和也「気にしなくていいの。それより、早くいくよ?」
鈴花「はーい!」
鈴花と一緒に学校に向かった。



母「あら?なにかしら?」
和也が家を出た後、母が起きてきてダイニングテーブルに置いてある封筒と招待状を手に取った。

父「母さん、どうしたんだ?」
すぐに父も起きてきて、母が持っていた招待状を受け取る。


 『スペシャルライブの招待状!!』
 パパとママを日向高校アイドル部の
 スペシャルライブにご招待します!
  開演は16時からになります!
  場所は日向高校体育館です!
  遅れないないようにしてね!
       
       日向高校アイドル部より


父「スペシャルライブ…。もしかして…」
母「お父さん、身に覚えあるの?」
父「前にみんなが荷造りを手伝ってくれた時に、ポロッと口にしたんだ」
母「それを聞いてくれてる子がいたのね…」
父「小さな声だったのに…それより、そっちの封筒は?」
母「こっちは和也からみたいなの」
母が封筒から手紙を取り出した。


     父さん 母さんへ

まず初めに俺のわがままを聞いてくれてありがとう。それとごめんなさい。

祐が俺をかばって亡くなった時、本当に絶望しました。
でも、父さんと母さんが側で慰めてくれて、一緒に苦しんでくれて…。
本当に支えられました。

日向町に引っ越してきてから、みんなに出会って、バスケとは違う道だけど、心から頑張ろうと思えることに出会えました。

たぶん、それは他の誰でもないみんなだったから今の自分があると思います。

みんなの事を本当の家族の様に思ってくれてありがとう。
父さんと母さんがみんなを大好きな様に、俺もみんなのことが大好きです。

だから、俺はこっちでみんなと夢に向かって頑張ります。

父さんは安心して仕事に励んで下さい。
母さんは父さんのことを支えてあげて下さい。

最後になったけど、父さんと母さん元に産まれてこれて、父さんと母さんが親で本当によかったです。

それではライブでお待ちしてます。

             和也


2人は手紙を読み終わると、大粒の涙を流した。

母「お父さん。和也は立派な子になりましたね?」
父「そうだな。本当に誇りに思うよ…」
母「ライブ楽しみですね?」
母がそう言うと、父は涙を流しながら微笑んで頷いた。
母「和也の顔にそっくり…」
父「まぁ、親子だからな」
父は照れ臭そうにして頭をかいた。
母「ふふっ、時間に間にあう様に色々済ませましょうか?」

2人は引っ越しの準備を進めて、ライブが行われる日向高校に向かったのだった。

しゃもじ ( 2022/02/12(土) 19:59 )