日向高校




























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第25章
陽菜からの招待状
翌日、体育館では白石の声が響いていた。

白石「濱岸さん!ターン遅れてるよ!影山さんも!森本さん、移動が遅い!」

白石の指摘に対してメンバーは真剣な表情で『はいっ!』と大きな声で返事をする。
それはお世話になったもう1つの家族に恩返しとして最高のパフォーマンスをみせる為だ。

久美「よしっ!少し休憩したらもう1回やるよ!」
久美のキャプテンらしい一言も飛び交い、メンバーのモチベーションは最高に高まっていた。

美玲「おひな、例のあれは完成したの?」
陽菜「もちろんです!後でお見せしますね!」
陽菜はニコニコな表情をしていた。

菜緒「なぁ、和くん。今、何が食べたい?」
菜緒がピアノの椅子に座っている和也に話しかける。

和也「今?うーん、あっ!菜緒の豆腐ハンバーグ食べたいかな?」
菜緒「もう、ほんま菜緒のことが好きやなぁ〜!」
菜緒は顔を少し赤くして喜んでいる。

和也「なんか話が飛躍している様な…それでなんでまた?」
菜緒「もうすぐ1人暮らしになるやろ?だから、寂しくない様に和くんの食べたい物を作ろうと思ったの!」
和也「そういうことか。ありがとう。嬉しいよ」
菜緒「ふふふっ。なら、1人暮らしになった日にお家にいくね?」
菜緒はそう言って立ち去っていった。

そして、レッスンは再開し、日が暮れるまで行われた。

美玲「おひな〜!見せて!」
部室に戻ると、美玲が陽菜にお願いする。
陽菜「はい!どうぞ!!」
陽菜はかばんから1枚のカードを取り出した。

美玲「おぉ〜!いい感じじゃん!和くーん!来てぇ〜!」
美玲が大きな声で和也を呼ぶと、他のメンバーも集まった。

和也「どうしたの?」
美玲「おひなが明日の招待状を作ってくれたの!」
美玲が和也に招待状を見せる。

和也「おぉ!すごくいいね!陽菜、ありがと」
和也はそう言って陽菜の頭を撫でた。
陽菜「えへへっ、やったぁ〜!」
陽菜は和也に褒められてスキップして喜んだ。

久美「よしっ!なら、あとはこの招待状を渡すだけだね!」
和也「わかった。渡しておくよ」
京子「ちょっと待って!もしかして、普通に渡そうとしてる?」
和也「えっ、そうだけどなんで?」

『はぁ〜〜』和也の返答を聞いたメンバーが、大きなため息をついた。

和也「えっ。俺、なんかまずいこと言った?」
彩花「キミは何のためにみーぱんが内緒に動いたと思ってるの?」
鈴花「女心だけでなく、親心までわからないとは…」
ひなの「なんだか可哀想です」
和也「ひなの、そんな哀れんだ目で見ないで…」
美穂「先輩、いいですか?言う通りにやって下さいね?」

その後、メンバーによる招待状の渡し方をレクチャーされた。

和也「えぇ!なんか恥ずかしいよ」
一通り説明を聞いた和也が何故か恥ずかしがる。
好花「だめです!先輩はただでさえ鈍感なので、日頃の感謝を込めて下さい!」
美玖「そうだよ!!ぜーーったいだからね!」
和也「う、うん。わかったよ」
みんなの勢いに圧倒されて、和也は頷くしかなかった。

そして、帰り道、和也はある所によってから家に帰ったのであった。

しゃもじ ( 2022/02/10(木) 18:54 )