日向高校




























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第25章
親孝行
和也「母さん、これはどこに入れる?」
年が変わって3日過ぎた。
その頃佐藤家では親の海外出張の荷造りをしていた。

母「そこの大きい段ボールに入れてちょうだい」
和也は母の指示通り、大きめの段ボールに額に入った家族写真を入れる。

菜緒「パパー、これはどこにする?」
美玖「これはここでいいかな?」
メンバーも何人か荷造りのお手伝いに来てくれていた。

父「うん。そこでいいよ。せっかくの休みなのに悪いね」
美玲「ううん、いつもお世話になってるもん!これぐらいはさせて?」
史帆「でも、やっぱりパパとママに会えなくなるのは寂しいな…」
史帆は泣きそうになってしまう。

久美「パパ、ママ、他に私達にできることはないかな?」
母「もう充分よ。ありがとうね?」
母もみんなの優しさに少し涙目になっていた。
父はみんなの姿を見て、誰にも聞こえない様な小さな声で、「みんなのライブ最後に観てみたかったな…」と呟いた。

美玲「……。」
美玲は父の姿を見つめていた。
和也「美玲、どうしたの?」
美玲「和くん、後でみんなに話があるんだ」
美玲は和也に笑いかけてる。
和也「うん、わかった」

その後、荷造りが終わってみんなを家まで送っていく。
和也「それで話って?」
公園に立ち寄り、美玲が話始めた。

美玲「あのね、パパとママにみーぱん達のライブを観れたいの!」
久美「ライブ??」
美玲「さっきパパが呟いたんだ。ライブを最後に観たかったって…。いつもお世話になって、本当の家族の様に優しくしてくれて。だから、パパとママに親孝行したいの!」
和也「父さんが…?」
和也は父がそんな事を言っていた事にびっくりする。

美玲「どうかな?」
菜緒「私、やりたいです!」
美玖「私も!!」
久美「そうだね!やろう!」
史帆「なら、としちゃんは今日来れなかった子に連絡するね!」
陽菜「私は招待状作ります!」

美玲「決まりだね!和くん、明日と明後日体育館使えるかな?」
和也「えっ、確認してみるよ。なんかありがとね…?」
久美「みんなのパパとママだもん!当たり前だよ!」
美玲「そうだよ!なら、明日は練習して、明後日ライブしよ!白石先生にはみーぱんが連絡するね!」
菜緒「和くんはピアノよろしくね?」
和也「うん!わかった。ほんとありがと!」
久美「最高のライブにしようね!!」

『オーッ!!』みんなは手を上げて気合いを入れた。
和也はみんなの優しさに涙が溢れそうになった。

そして、他のメンバーも快く協力してくれて、先生が体育館を2日間の使用許可を取ってくれた。

アイドル部にとって、今年1発目のライブが決まったのだった。

■筆者メッセージ
1人暮らしになったら官能増やしていきます!
しゃもじ ( 2022/02/09(水) 18:43 )