日向高校




























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第25章
初詣
史帆「和くん、お願い事しておみくじ引きにいこ〜?」
少しするとみんなは落ち着いた。

和也「そうだね。いこっか?」
久美「よし!みんな行くよー!」
『はーい!』みんなで拝殿に向かった。

菜緒「結構並んでるね?」
隣で菜緒が手に息を吹きかけながら、擦って温めている。

和也「菜緒、手袋はどうしたの?」
菜緒「急いでたら忘れちゃった」
和也「そうなんだ。手、貸して?」
和也は菜緒の冷え切った手に自分の手袋を付けた。

菜緒「和くんの手が冷えちゃうよ…」
和也「俺は大丈夫だよ?ポケットあるし」
和也はコートのポケットに手を入れる。
菜緒「ありがとう…」
和也「どういたしまして」
そう言って和也は微笑んだ。

陽菜「みーぱんさん、ずっと気になってたんですけど、首が赤くなってますよ?」
すぐ後ろで陽菜が美玲のキスマークに気づいた。

和也はヤバいと思い振り向く。すると、美玲はニコニコしていた。
菜緒「和くん、どうしたの?」
和也「な、なんでもないよ!」
菜緒「へんなの〜!」
菜緒は慌てている和也を見て不思議がっている。

美玲「ん〜、これはね〜!」
美玲の発言に和也は息を呑む。
美玲「アイロンで火傷しちゃったの〜!熱かったんだよね〜!」
陽菜「そうなんですか?大丈夫ですか?」
美玲「大丈夫大丈夫!もう痛くないから!おひな、心配してくれてありがとね〜!」
美玲は陽菜に抱きつくと、陽菜は嬉しそうな表情をした。

少し並んで拝殿に着いた。
和也は小銭を賽銭箱に投げ、手を合わせる。

(今年もみんなが幸せで、元気に過ごせます様に…あと、みんなの夢が叶います様に…)

和也はアイドル部みんなの幸せを願った。

美穂「先輩は何をお願いしたんですか?」 

お参りが終わって、再びテントの下まで戻ってきた一同。

鈴花「あっ!それ気になる!」
和也「んっ?内緒だよ?言ったら叶わないって聞くし」
好花「浮気がバレません様にとかですか?」
和也「違うから!」
愛萌「でも、先輩もそういうジンクス信じるんですね?」
和也「まぁ、今回だけね?」
明里「そう言われるとますます気になりますね!」
和也「だーめ!」
和也はみんなの為なら、ちょっとしたジンクスも信じようと思った。

史帆「ねぇねぇ、和くん!としちゃんが何お願いしたか気になる?」
史帆が急に後ろから抱きついてきた。

和也「んっ?聞いてもいいの?」
史帆「うんっ!あのね〜、和くんに僕の天使って呼んでもらえるようお願いしたの!」

『……。』史帆の発言でみんなの時が止まった。

彩花「それって初詣でお願いすること?」
愛奈「いや、絶対ちゃうで?」
久美「そもそも神様にお願いすることじゃないよね…」

史帆「ねぇ〜!言ってよ〜!早く〜!」
史帆は和也の前に立って、手を握って振り回す。

美玖「結局、和くんにお願いしてますよ…」
ひなの「史帆さんは面白いです!」

和也「ほんとに言うの…?」
史帆「うんっ!だって、神様にお願いしたんだもん!」
和也「どんな理屈なんだ…。ふーっ。よしっ!」
和也は深呼吸して気合いを入れる。

和也「僕の天使!!」
史帆「えへへっ、はーい!!」
史帆は照れながら和也に抱きついた。

久美「なんでそこで抱きつくのよ!」
美穂「としさん!離れてください!!」
2人が抱きついた史帆をはがそうとする。
史帆「いーやーだー!!」
史帆も抱きつく力を強めて離れようとしなかった。

和也「いたたっ!菜緒!ちょっと痛い!」
なぜか、菜緒に背中をつねられる和也。

紗理菜「なんか色々すごいことになってるね…」
愛奈「ほっといておみくじ引きに行こっか?」

まだまだアイドル部の夜は終わらないのであった。

しゃもじ ( 2022/02/07(月) 19:01 )