日向高校




























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第24章
先輩のおかげで
和也は未来虹に過去の事を話し始めた。
祐との思い出の事、自分を庇って事故にあって亡くなった事。

話している途中、ももが何かで濡れていることに気づく。
それは未来虹から溢れ出る涙だとすぐに気づいた。
和也は話しながらティッシュを手に取り、未来虹の近くに置く。
未来虹は「ありがとうございます」と呟いて、ティッシュで涙を拭いた。

和也「それで、みんなと出会えて、自分自身と向き合えて変われたんだよ?過去から逃げていた俺をみんなが救ってくれた。おひさまの様な笑顔と優しさで。あっ、俺は1人じゃないんだって感じさせてくれたんだ」
話している途中、和也自身も驚く事があった。
今まで過去の話をすると絶対泣いていたが、今回は泣かなかった。
それは、祐との過去が悲しい思い出ではなく、懐かしい大切な思い出に変わったからなのかもしれない。
みんなとの出会いは和也を強くしてくれた。

和也「だから、俺はこれから先もみんなを大切にしたいし、絶対に守りたいんだ。それで、みんなと夢を叶えたい」

話を終えると、未来虹が起き上がった。
ずっと泣いていたせいなのか、目と鼻がが赤くなっており、口もプルプル震わせている。

未来虹「和也先輩…」
未来虹が和也を抱きしめた。
未来虹「先輩?私、和也先輩と出会えてよかったです…。和也先輩のおかげで私も変われましたよ?」
同じシャンプーやボディソープを使っているのに、未来虹からは違う匂いがした。
その匂いは和也を落ち着かせ、安心させる。

和也「そうなの?」
未来虹「はい。和也先輩のおかげで自分の事好きになれました。昔から背の高い事や、大きな口で笑う事がコンプレックスだったけど、先輩のおかげでそんな自分も悪くないなって。この個性を大切にしようと思いました」
和也「そっか。それはよかった…」
和也は未来虹の身体を少し強く抱き寄せた。

未来虹「んっ…」
少し力が強かったのか、未来虹から息が漏れる。
和也「ごめん。強かったね」
未来虹「ううん、もっと強く抱きしめてください…」
未来虹はそう言って、自身も和也を強く抱きしめて。
和也も未来虹の細い身体を強く抱きしめる。
未来虹「和也先輩を感じれて幸せです…」

和也はゆっくり未来虹をベットに押し倒すと、未来虹はこれから何が起きるのか悟ったのか、目を閉じた。
そして、和也は未来虹に優しくキスをした。

和也「未来虹、俺…」
未来虹「大丈夫です…。私、和也先輩なら嬉しいから。でも、優しくしてくださいね?」
そう言って未来虹は再び目を閉じた。
和也は未来虹にキスをすると、未来虹は和也の首に腕を回した。

触れ合うだけのキスが何回か続き、顔を離すと、未来虹が寂しそうな表情をする。
未来虹「和也先輩、もっとチューして…?」
そう呟いて、自ら顔を近づけ和也にキスをしたのだった。

しゃもじ ( 2022/01/20(木) 21:21 )