日向高校




























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第24章
雪だるまとヤキモチ
昼休み。教室でお昼ご飯を食べていると、急に廊下が騒がしくなる。
「師匠〜(先輩〜)」師匠と呼ぶのは陽菜しかいない。

陽菜「あっ!師匠がいたぁ〜!」
ひより「動画見ましたよ!先輩、雪が好きなんですね?」
ひなの「ふふっ。先輩、可愛かったです」
和也「あのことは記憶から無くしてもらえると助かります…。それで、そのことを言いにきたの?」
ひより「違いますよ〜!ひよたん達と雪だるま作りましょ?」
和也「雪だるま??」
陽菜「はい!さっき、屋上を見に行ったら、まだ雪が積もってたので!」
ひなの「雪だるま楽しみです!」

3人はキラキラした目をしている。
和也「いいよ。作ろっか」
ひより「わーい!なら、早く行きましょ!」
3人に手を引かれて屋上へと向かった。

和也「てか、雪だるまってどうやって作るの?」
陽菜「師匠、雪だるま作ったことないんですか?」
和也「うん。そもそも、こんなに雪が積もってるのを見るのも初めて」
ひより「だから、あんなにはしゃいでたんですね〜」
陽菜「なら、弟子の陽菜が教えてあげます!ひよたんとひなのは、頭を作って?」
ひなの「わかりました!頑張ります!」

こうして、雪だるま作りが始まった。
陽菜「よいしょ、よいしょ」
陽菜が隣で雪玉を転がしている。
陽菜「だいぶ大きくなりましたぁ!でも、手が冷たいですね!」
陽菜は手袋がないのか、素手で雪玉を作っていた。
和也「陽菜、手貸して?」
陽菜「手ですか?どうぞ?」
陽菜が手を和也の方に差し出す。
和也「これあげるね?1つしかないから、2人には内緒ね?」
和也はポケットからカイロを取り出し、陽菜の手の上に置いた。
陽菜「温かい。和くん!ありがとう!」
和也「いえいえ。なら、もう少し頑張ろ?」

雪だるまを作り始めて10分。2つの雪玉が完成した。
ひより「後はこれを乗せるだけです!」
ひよりとひなのが作った雪玉を和也と陽菜が作った方にに乗せた。
『かんせーい!!』4人で作った雪だるまが完成した。
陽菜「雪だるま作るの楽しいね!」
ひより「また雪が降ったら作ろうね!」
雪だるまを作り終わり、記念写真を撮って、お昼休みが終わったので教室に戻った。

午後からの授業が終わり、掃除の時間になると、菜緒が不機嫌そうな顔をして教室まで来た。
和也「菜緒、どうしたの?」
菜緒「和くん、お昼休みに雪だるま作ったの?」
和也「うん。陽菜達と作ったけど、それがどうしたの?」
菜緒「菜緒と作ろって言ったやん!」
和也「確かに朝言われたけど、あれ本気だったの?」
菜緒「和くんのバカちん!!もう知らない!」
菜緒は和也の筆箱を持って立ち去っていった。
和也「菜緒!?」
愛奈「あーあ、怒らせちゃったね〜?」
紗理菜「菜緒ちゃん、追いかけなくていいの?」
和也「ごめん。ちょっと行ってくるね」
和也は急いで菜緒の後を追いかけた。

しゃもじ ( 2021/12/16(木) 19:33 )