後半が始まり、日向高校は相手高校のプレッシャーを受けて、中々攻めれないでいた。
久美「うぅ。さっきから真ん中を超えてないよ…」
鈴花「さすがの先輩でも難しいのかな…」
好花「サッカーやるの初めてだもんね…」
陽菜「師匠なら大丈夫！」
不安がっているメンバーを他所に、陽菜だけ強気で言い切った。
ひより「なんでそんな自信あるの？」
陽菜「だって師匠だもん！！」
明里「なにそれ！？」
美玖「でも、なんかそんな気がしてきた」
美穂「先輩、頑張れ〜！！」
菜緒「あっ…。動く」
愛萌「えっ、何が動くの？」
菜緒「和くんが」
愛萌「えっ？先輩が？」
菜緒「和くん、何か狙ってるよ」

菜緒がそう言った瞬間、中盤でボールを持った主将が、スルーパスを送った。
それは、相手のDFの裏をかいて、スペースが空いている敵陣に転がる。
和也はハーフラインから全速力でボールを追いかけた。

そして、フリーで和也にボールが渡った。
優佳「フリーだ！！和也くんいけーっ！」
ゴール前までドリブルをして、シュートフォームに入る。
しかし、ドリブルをしている間に相手DFに追いつかれ、左からプレッシャーをかけられて、和也は体勢を崩す。
美玲・史帆「和くん！！」
和也は倒れながらもシュートを打った。

和也「いててっ。ボールは？？」
顔を上げて、ボールの行方を確認する。
すると、『きゃー！！』とアイドル部のメンバーが騒いでいる声が聞こえた。
それは、和也のシュートが相手ゴールに入ったと確信させるものであった。

『和也ー！！』サッカー部のメンバーが両手を上げて、近寄ってきた。
主将「よくやった！！お前、すごいよ！」
部員B「先輩ヤバいっす！あの体勢からシュートして入るなんて！」
和也「ははっ、たまたまだよ。それにまだ同点だし、振り出しに戻っただけだよ」
主将「そうだな！もう1点とるぞ！」
『オーッ！』和也の一撃は、テンションを上げるには、最高の一撃だった。

そして、サッカー部の他にも、テンションが上がっている集団が。
美玲「入った！入ったよ！！」
史帆「キャー！！和くん、カッコいい！」
京子「優佳！やったね！」
優佳「うん！和也くん、すごいよ！」
愛萌「菜緒、なんで、先輩が動くってわかったの？」
菜緒「えっ？和くんを見てたら分かるやろ？」
愛萌「いや、全然わかんないって…」

メンバーが盛り上がっていると、先生が応援に駆けつけてきた。
白石「盛り上がってるけど、試合どうなってる？」
彩花「先生おそーい！！和也くんがすごいんです！」
芽依「さっきまで負けてたけど、同点になりましたぁ〜！」
鈴花「先輩が決めたんです！」
白石「ありゃ、もう少し早くこればよかった」
陽菜「次も師匠がゴールしてくれますよ！」
白石「なら、そうなるように頑張って応援しなきゃね！」

和也の同点ゴールで息を吹き返した日向高校。
試合は同点になり、残り時間は20分となった。