日向高校




























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第23章
秘密特訓
和也「みんな…どうしたの?」
久美「どうしたのはこっちのセリフ!こんな時間まで1人でどうしたの?」
和也「いや…これはちょっと練習したくってさ」
史帆「もう!また1人で抱え込もうとする!」
京子「優佳から聞いて、全部知ってるんだから!」
美玲「和くんのことだから、絶対1人でどうにかしようとすると思ったの」
優佳「私がもっと早く言ってればよかったよね…」
和也が1人で頑張ってるのを見て、優佳は自分の所為だと思い、表情が暗くなる。
和也「いやいや!そんなことないから大丈夫だよ!」
そんな姿を見したて、和也は笑顔で応える。
優佳「和也くん…ありがと…」

美穂「先輩、これ飲んで下さい」
先程、頬に触れたであろうスポドリを美穂から渡される。
和也「ありがと!いただきます」
練習し始めて、全く水分を取ってなかったので、美穂から渡されたスポドリはありがたかった。

菜緒「調子はどう…?」
和也「全然だめ!サッカーって難しいね」
心配をかけない様、明るく応える。
好花「よしっ!私、お手伝いします!」
鈴花「私も!ボール拾いぐらいなら出来ますよ!」
和也「嬉しいけど大丈夫だよ?寒いし、風邪ひいちゃうよ」
明里「私達なら大丈夫です!」
美玖「風邪ひいたら、和くんが看病してくれるでしょ?」
彩花「そうと決まれば休憩終わり!はい、もう少し頑張ろ?」
彩花は和也に手を差し伸べる。
和也はその手を掴んで立ち上がった。
芽依「優佳は和くんにパス出してあげてなぁ〜!」
優佳「うん!任せて!」

それから、メンバーが練習に付き合ってくれて、ボールを拾いに行かなくてもよくなったので効率も上がった。
それに、みんなと練習することで、折れかかっていた気持ちも再び奮い立たせることができた。

紗理菜「おしい!もう少し右!!」
愛奈「次は左に行き過ぎやで!」
コーンの近くから指示を出してくれる、紗理菜と愛奈。

陽菜「あっ!ひよたん、そっちに行ったよ!」
ひより「ふふっ、待てぇ〜!」
飛んできたボールを楽しそうに追いかける陽菜とひより。

愛萌「先輩、頑張ってください〜!」
ひなの「ファイトです!」
未来虹「私、飲み物買ってきます!」
茉莉「私もいくよ!陽世は先輩の応援お願い!」
陽世「うん!なのちゃんと愛萌さんと応援するね!」
みんなそれぞれ自分に出来る事をやってくれる。

和也「はぁ…はぁ…次がラストかな」
練習を続けて1時間。もうすぐ下校時間になる。
和也は目を瞑ってイメージする。
身体の動き、蹴り込む角度。何回も何回も繰り返して形にしてきた。
そして、目を開けてボールを蹴り上げた。

和也が蹴ったボールは、緩いカーブがかかり、綺麗な弧を描く。
『ガシャン』蹴ったボールは、ボールかごの中に入った。
美玲「入った!入ったぁ〜!!」
菜緒「和くん、やったぁ〜!すごい!すごいよ!」
菜緒が駆け寄ってきて抱きついてきた。
和也「菜緒、ありがと!でも、ごめんね?今、汗かいてるし、砂まみれだから汚いよ」
和也はそう言って菜緒を離そうとする。
菜緒「汚くない!!だから、離れない!」
菜緒は逆に力強く抱きしめてくる。
和也「頑固だなぁ〜。でも、ありがと」
美玖「ちょっと待ったぁ〜!なんで、菜緒だけ抱きついてるのさぁ!」
史帆「そうだぞ!離れなさい!」
菜緒は美玖と史帆に無理矢理離された。

和也「みんな本当にありがと!明日、頑張るから応援よろしくね?」
久美「もちろん!!その代わり、ぜーったい、カッコいいところ見せてよね?」
和也「ははっ、期待に応えれるように頑張るよ」
優佳「和也くん、サッカー部のことお願いします!」
和也「うん、俺に出来ることは精一杯やるよ」
白石「あなた達!もう帰る時間だからね!」
みんなと話していると、白石先生が呼びに来る。
帰り支度をして、下校する前に先生にお礼をしに行った。
和也「先生、明日、頑張りますね」
白石「頑張るのは当たり前!いいところ見せなさいね!」
先生らしい喝を入れられて、和也は頷き学校を後にした。

しゃもじ ( 2021/11/28(日) 21:32 )