日向高校




























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第23章
気にしない2人
翌朝。和也は美玲にもらったマフラーを巻いて登校する。
「和くんおはよ〜!」
後ろから声をかけられたので振り向くと、そこにはニコニコしている美玲がいた。
和也「美玲、おはよ。そんなニコニコしていいことあった?」
美玲「えへへっ、凄くいいことあったんだぁ!」
和也「そうなんだ。何があったの?」
美玲「まずは和くんがマフラーを巻いてくれていること!」
和也「ほんとありがとう。おかげさまで暖かいよ。まずはって他にもあるの?」
美玲「うん!でも、これはあんまり見せたくないなぁ〜」
和也「めっちゃ気になる。見せて?」
美玲「しょうがないなぁ〜!これ!」
美玲は満面の笑みでスマホを見せてきた。
和也「なにこれ……」
美玲「えへへっ、いいでしょ〜!昨日ママが送ってくれたんだぁ!」

美玲が見せてくれたのは、昨日、疲れてソファで寝落ちした和也の写真。
しかも、マフラーを大事そうに抱き抱えていた。
和也「いつの間に…。消して!」
美玲「だめぇ〜!これは待ち受け画面にするだから!」
和也「だめ!消して!」
美玲「い〜や〜だ〜!!」
和也と美玲はスマホの取り合いをしていると、「和くん、なにしてるの!?」話かけられる。
和也「あっ、菜緒。おはよ。美玲からスマホ取り上げて!」
菜緒「みーぱんさんのスマホ?」
美玲「こさかなおはよ!これ見て〜?」
美玲がスマホを菜緒に渡す。
和也「あっ!!見せちゃダメ!」
和也の抵抗も虚しく、菜緒は美玲からスマホを受け取る。
菜緒「なにこれ!可愛い〜!!」
美玲「でしょ!昨日、ママが送ってくれたの!」
菜緒「そうなんですね!てか、和くん、そのマフラーどうしたの?」
和也「これ?美玲が誕生日プレゼントにって作ってくれたんだ」
菜緒「えっ!すごーい!!」
美玲「やったぁ〜!」
菜緒「マフラーを作ってたから、最近眠そうだったんですね」
美玲「うん!寒くなってきたし、早く上げたかったからさ!」
美玲の話を聞いていると、和也は思い出し笑いをしてしまう。
菜緒「和くん、何笑ってるの?」
和也「いや、美玲のちゃんちゃんこ姿を思い出しちゃって」
菜緒「ちゃんちゃんこ?」
美玲「わぁ〜!!こらっ!和くん!!」
美玲は頬を膨らませて、怒った態度を見せる。
和也「さっきのお返し」
美玲「もう!すぐ意地悪するんだから!」
和也「それはお互い様だよね」
美玲と話していると、菜緒も頬を膨らませていた。
和也「菜緒はどうして怒ってるの?」
菜緒「別に!!みーぱんさんが首を暖めるなら、菜緒は手を暖めてあげるから!」
菜緒はそう言って、和也の手を握った。
和也「菜緒の手冷たいよ?これあげるよ」
和也は、ブレザーのポケットからカイロを取り出し、菜緒に渡した。
菜緒「えっ?いいの?」
和也「うん。ちゃんと暖めなね?」
菜緒「うんっ!和くん、ありがとう!」
菜緒の表情が笑顔になる。

美玲「ねぇ〜、みーぱんもほしい!」
和也「ごめん、今日はこれしかもってないんだ」
美玲「えぇ〜!なら、こっちで我慢する!」
美玲はそう言うと、もう片方の手を握った。
美玲「それじゃ、行こっか!」
菜緒「はい!そうですね!」
和也「えっ?このままいくの?」
菜緒「なに?嫌なの?」
和也「嫌と言うか、俺、2人と手を繋いでてヤバいやつみたいじゃない?」
美玲「まぁまぁ、気にしないの〜!逆に見せつけちゃえ〜!」
菜緒「そうそう!周りなんて気にしないの!」
和也とは対象にテンションの高い2人。
そのテンションに負けて、周りに気にしながら登校する和也であった。

しゃもじ ( 2021/11/18(木) 21:20 )