日向高校




























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第23章
少し早いプレゼント
朝のHRが終わった後、美玲が急いで教室に入ってきた。
美玲「和くん!!」
和也「そんなに急いでどうしたの?」
美玲「これ…ありがと…」
美玲はお礼を言ってカーディガンを渡してきた。
和也「あーっ、それか。うん、全然いいよ」
美玲「和くんも寒いのにごめんね?」
和也「俺は大丈夫だよ。朝練してたから、むしろ暑かったよ」
美玲「無理しないでね?それと、今日の放課後一緒に帰れるかな?」
和也「部活あるから遅くなっちゃうから、待たせることになっちゃうよ?」
美玲「大丈夫だよ!それまでやることあるから!それじゃ、また後でね!」
美玲はそう言い残し、教室に戻っていった。

昼休み。和也がサッカーの試合に出ると決まってから、毎日の様に誰かがお弁当を作ってくれる。
今日、作ってきてくれたのはひなのだった。
ひなの「お口に合うかわかりませんが、食べてください」
昼休み、部室でお弁当を食べることにした。
和也「ありがと。でも、なんか悪いな…。朝から大変だったでしょ?」
ひなの「いえ、むしろ楽しかったです。誰かのことを思ってお料理するのって、なんか楽しかったです!」
和也「そっか。ありがとね?食べてもいいかな?」
ひなの「はい!美味しいかわかりませんが…」
お弁当をあけると、綺麗に巻かれた卵焼きや、美味しそうなきんぴらごぼうなどが入っていた。
和也「めっちゃ美味しそう!いただきます!」
和也はきんぴらごぼうを一口食べる。
ひなの「どうでしょうか…?」
和也「うまっ!これ、めっちゃ美味しいよ!」
和也が絶賛すると、ひなのは嬉しそうに小さく拍手をして、首を揺らす。

和也「ごちそうさま。美味しかったです」
お弁当を食べ終わり、ひなのにお礼を言う。
ひなの「喜んでもらえて良かったです!またお作りしますね?」
和也「ありがと。でも、無理はしないでね?」
和也はそう言って、ひなのの頭を撫でた。
ひなのは頭を撫でられると、嬉しそうに目を細めていた。

昼休みが終わり、午後からの授業を受けて、放課後になる。
サッカー部の部活を終え、和也は急いで部室で待っている美玲の元に向かった。
和也「ごめん、お待たせ!」
美玲「和くん、お疲れさま!全然待ってないから大丈夫だよ!」
和也「ありがと。それじゃ帰ろっか?」
美玲「うん!あっ、その前にちょっと目を瞑って?」
和也「目を?どうしたの?」
美玲「いいから早く〜!」
美玲に急かされて、和也は目を閉じた。
目を閉じると、美玲が近づいてくる気配がした。
そして、突然、首回りが暖かくなった。
美玲「よしっ!もう、いいよ?」
和也は目を開けると、首にはマフラーが巻かれていた。
和也「これって…」
美玲「少し早いけど、誕生日プレゼントだよ!」
和也「もしかして手作り?」
美玲「うん。初めて作ったからちょっと下手っぴだけ…きゃあ!」
和也は美玲が話している途中、美玲を抱きしめた。
最近、美玲が眠そうにしていた理由がようやくわかった。
このマフラーを遅くまで作ってくれていたからだ。
和也「美玲…ありがと…」
美玲「ううん。和くんが風邪引いたら嫌だから。本当は誕生日にあげたかったけど、最近寒いから早くあげることにしたんだ!」
和也「うれしいよ。一生大事にする」
美玲「喜んでもらえて、みーぱんも嬉しい」
2人は自然にキスをした。
美玲「ふふっ、学校でするとちょっとだけドキドキするね!」
和也「そうだね!なら、バレないうちに帰ろっか?」
美玲は頷いて、手を握ってきた。
そして、2人はそのまま部室を出て行った。

しゃもじ ( 2021/11/17(水) 21:23 )