日向高校




























小説トップ
第23章
優佳からのお願い
和也「あの…これは一体…?」
翌日、和也が教室に入ると、不敵な笑みを浮かべた優佳が、お菓子や飲み物を渡してきた。

優佳「何って、お菓子と飲み物だよ?」
和也「それは見たらわかるけど、一体なぜ?」
優佳「まぁまぁ、気になさらず食べて下さいな?」
和也「なんか、めっちゃ怪しいんだけど…」
優佳「いいから、食べて!」
優佳はお菓子を1つ取って、和也の口の中に無理矢理入れ込んだ。
優佳「食べたね?今、食べたよね?」
和也「いや…食べたと言うか、食べさせられたと言うか…」
優佳「やったぁ〜!なら、私のお願い事聞いて!」
和也「お願い事?なんか嫌な予感しかしないんだけど…」
どうやら、優佳はお願い事をする為に、お菓子や飲み物を買ってきたらしい。

優佳「ふふっ、和也くん!サッカーの試合に出てください!」
和也「……。サッカーの試合?」
優佳「そうそう!来週の土曜日に練習試合があるんだけど、みんな用事とか色々あって、どうしても1人足りないの!」
和也「練習試合なら、違う日に変更してもらえばいいのでは?」
優佳「それが、相手高校もその日しか空いてないみたいなの」
和也「なるほどね…でも、なんで優佳が?」
優佳「私、サッカー好きでしょ?だから、部活が休みの日にサッカー部を見に行ってたの。それで、サッカー部の人たちから、和也くんを誘って欲しいと頼まれたの」
和也「なんで俺!?」
優佳「運動神経がいいからじゃない?」
和也「でも、俺、サッカーってやったことないから無…」
史帆「和くんがサッカーするの!?」
和也が断ろうとすると、最悪のタイミングでみんなが現れた。
菜緒「和くんがサッカーかぁ〜!ちょっといいかも!」
久美「これは応援に行かなきゃだね!」
彩花「お弁当作ってあげるからね!」
陽菜「師匠はサッカーもできるんですか?すごいです!」
和也「いやいや、話し飛んでるけど、まだやるって言ってないし」
優佳「えぇ〜、やってくれないの?意地悪〜!」
優佳が泣いたフリをする。
京子「あぁ〜!和が泣かせたー!」
美穂「先輩、いけないんだぁ〜!」
和也「いやいや、めっちゃ嘘泣き…」
鈴花「乙女の涙を嘘泣きだなんてひどいですよ!」
和也「そんなめちゃくちゃな…。それに、白石先生が許可しないだろうし!」

和也は白石先生を理由に再び断ろうとすると、「あらっ?サッカーやるの?」とタイミング良く白石先生が現れた。
和也「やると言うか、お願いされてるんですけど、自分も監督の仕事があるし、出来ないですよね?」
白石「いいじゃない!」
和也「えっ……」
予想外の反応に和也は絶句する。
白石「佐藤くんもたまには身体を動かさないとね!それに、勝負って燃えるのよね〜!よしっ、顧問命令だ!出なさい!顧問の先生に話してくるわね!」
白石先生はそう言うと、教室を出て行った。
紗理菜「決まりだね?」
優佳「やったぁ〜!なら、私もサッカー部のキャプテンに伝えてくるね!」
優佳は満面の笑みで、教室を出て行った。
和也「やっぱり泣いてないじゃん…」

こうして、和也は優佳のお願いで、来週の土曜日にサッカーの試合に出ることになったのだった。

■筆者メッセージ
おっちさん
すみません!ありがとうございます!
全然気づきませんでした
しゃもじ ( 2021/11/05(金) 18:58 )