日向高校




























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第22章
日向高校の問題児
美玲「ふぁーあ」
打ち上げの準備をしていると、美玲が大きなあくびをする。
和也「美玲が眠たそうにするの珍しいね?さすがに疲れた?」
美玲「えっ?見てたの!恥ずかしい〜!昨日、ちょっと夜更かししちゃってさぁ〜」
和也「そうなんだ。大丈夫?美玲の分は俺がやっとくから、部屋で寝ててもいいよ?」
美玲「ううん、大丈夫だよ?みんなに悪いし…」
和也「うーん。あっ、そうだ!」
久美「和也くん、どうしたの?」
和也「俺、部屋の掃除をしたいんだった!ちょっとやってきていいかな?」
史帆「和くんのお部屋が散らかってるの珍しいね?」
和也「最近忙しかったからね」
久美「確かに忙しかったもんね〜!なら、みーぱん、手伝ってあげてよ」
美玲「えっ!?みーぱん?でも、今、飾り付け作ってるし…」
京子「いいから、いいから!和を手伝ってあげてよ!」
菜緒「これは菜緒達がやっておきます!」
和也「ごめんね!なら、お願いね!」
美玲「えっ、ちょっと和くん〜!」
和也は美玲の手を掴んで、部屋に向かう。

『パタン』部屋に着いて、ドアを閉める。
美玲「和くん、どういうこと?」
和也の部屋に入ると、部屋の中はいつも通り綺麗で、全く散らかってなかった。
和也「顔にくまができてるよ?ちょっとでもいいから寝たほうがいいよ?それに、なんか手も赤くなってるし…」
和也は美玲にそう言うと、美玲は慌てて手を隠した。
美玲「でも、みーぱんだけ寝るのも…」
和也「大丈夫。美玲の分は俺がちゃんとやるからさ」
和也は美玲の背中を押した。
美玲を布団の中に入れて、美玲の頭撫でる。
和也「どうしたかわからないけど、あんまり無理しないようにね?」
美玲「和くんに頭撫でられると、落ち着いてすぐ眠たくなっちゃう……すぅー…」
美玲は本当にすぐ寝てしまった。
和也は音を立てないように、ゆっくり部屋を出て、リビングに戻った。

久美「みーぱん、寝た?」
和也「うん、合わせてくれてありがとね?」
京子「みーぱん、今日、ずっと眠たそうにしてたからね」
紗理菜「無理し過ぎちゃうから、ちょっと心配だったの」
和也「そうだね。美玲の分は俺がやるからね」
菜緒「俺がじゃなくて、みんなでね?」
優佳「どっかの誰かさんも無理し過ぎる癖があるからね〜!」
史帆「白石先生も、和くんみたいな生徒持って大変ですね〜?」
白石「そうなのよね〜!体育祭の時は勝手に勝負事して大怪我するし、修学旅行の時は川に飛び込むし、部活に誘っておいて、海外に引っ越そうとするし、心配しかかけないのよ」
和也「返す言葉もありません」
真夏「えぇ!?和也くんってまさかの問題児なの?」
久美「そうなんですよ!超が付くほど問題児なんです!」
和也「いやいや、いたって普通ですよ?」
白石「いたって普通の人が、学校サボって走って隣町の病院までいくかしらね〜?」
和也「いや〜、あれはビビりましたね〜!振り向いたら、先生が怖い顔してたんで」
真夏「あぁ〜!わかるわかる!まいやんの黒石モードはめっちゃ怖いよね〜!鬼みたいだもん!」
七瀬「へぇ〜、こんな感じ?」
和也・真夏「そうそう、こんな感じ……あっ…」
七瀬さんが誘導した方を見ると、めちゃくちゃ怖い顔をしている白石先生が…
白石「2人とも、どう言うつもりかしら?」
和也「ごめんなさい…」
真夏「許してください…」
白石「そこに座りなさい!!!」
和也と真夏は床に正座させられる。
菜緒「これは和くんが悪いわ…」
久美「うんうん。私達は作業を続けようか」
紗理菜「そうだね…。白石先生を怒らせないようにしようね…」

10分後。白石先生のお説教が終わった。
和也「はぁ…怖かった…」
史帆「ふふっ、和くん、口は災いの元だよ?」
和也「確かに…。それより、陽菜はどこに行ったの?」
菜緒「あれ?確かに言われれば、さっきからいない」
久美「かわださーん?」
京子「陽菜ちゃんって、本当によく消えるよね?」
和也「もしかして!」
和也は音を立てないように、自分の部屋に戻った。
和也「やっぱり…」
ベットを見ると、美玲に寄り添って寝ている陽菜の姿が。
和也「ふふっ、ほんと親子みたい…」
和也は微笑みながら2人の頭を撫でたのであった。

しゃもじ ( 2021/11/02(火) 07:14 )