日向高校




























小説トップ
第22章
憧れの先輩
白石先生からの差し入れを食べ終わり、片付けをする。
陽菜「あーあ、師匠のお子様ランチ食べれなかったです」
和也「また今度作ってあげるから、家においで?」
陽菜「うんっ!いきたいです!」
久美「和也くーん!これどこに置けばいい?」
和也「重いから俺が持つよ!」
和也は久美の元に向かい、物を持って教室を出た。
ひより「陽菜、嬉しそうな顔してるけど、先輩と何話してたの?」
陽菜「なんもなーい!今日はいい日だ!」
鈴花「今日って、もう夕方で終わりかけてるけどね」
好花「てか、明日って…」

10分後、和也が教室に戻ると、教室は綺麗に片付いていた。
和也「みんな凄いね。綺麗にしてくれてありがとう」
史帆「えへへっ、としちゃん、頑張りましたぁ〜!」
芽依「芽依も頑張りましたぁ〜!」
愛奈「としちゃんとめいめいは追いかけっこしてなかったっけ?」
史帆「あっ、まなふぃ!!それ以上言うと、共演NGにするぞーっ!」
紗理菜「共演NGってテレビじゃないんだから」
優佳「あの2人はなんだかんだ仲が良いよね」
史帆と愛奈を見て、紗理菜と優佳は苦笑いをしていた。

美玖「ところで、洗い物は大丈夫ですかね?」
ひなの「こちらも終わった事ですし、お手伝いに行きますか?」
和也「そうだね。そうしてもらえると助かるよ」

みんなで調理室に向かっていると、「あの…すみません…」と声をかけられる。
紗理菜「2年生では無さそうだけど、1年生かな?」
鈴花「はい。私達と同じクラスの子です」
優佳「どうしたのかな?」
後輩「佐藤先輩にお願いがありまして…」
和也「えっ?俺?」
史帆「えっ!?和くん!?」
陽菜「どうしたのでしょうか?」
和也の名前を聞いて、みんなは少し警戒していた。
後輩「ここではちょっと…」
和也「うーん、ちょっとみんな先に行っててくれる?」
美玖「私達も一緒に聞きますよ?」
好花「そうですよ!先輩だけだと心配ですし!」
みんなは和也を心配して、一緒に残ろうとする。
久美「なら、先に行ってるね?和也くんも早く来てね?」
史帆「えぇ?久美さん、いいの?」
久美「和也くんなら大丈夫だよ。それにあの子の気持ちも考えてあげなきゃ」
史帆「……。そうだね。和くん、先に行ってるね?」
和也「うん、ありがと」
みんなは和也と別れて、調理室に向かった。

和也「それで、どうしたのかな?」
後輩「私…私…憧れてるんです!」
和也「ありがとう。でも、ごめんね?俺、みんなを裏切ることが出来ないからさ」
後輩の女の子は俯いて無言になる。
(傷つけちゃったかな…)
和也は気にして、フォローの言葉をかけようとすると、「……じゃないです」と小さな声で呟いた。
和也「ごめんね。ちょっと聞こえなかった」
後輩「あの…先輩じゃないです。私が憧れてるのは佐々木久美さんなんです」
「……。」数秒間、その場の空気が凍りついた。
恥ずかしすぎる。自分の顔が赤くなっているのが分かった。
和也「あははっ、そっか。久美か!」
後輩「あははっ、そうなんです。久美さんなんです」
2人は気まずそうに笑いあう。
後輩「それで…後夜祭のフォークダンスを一緒に踊りたいんですけど、中々、話をかけることが出来なくって…」
和也「それで、俺にお願いしてほしいと?」
後輩「はい…先輩なのに使う様な形になってすみません…」
和也「それは全然いいよ。あとで話してみるよ」
後輩「すみません。なら、また後で教室に伺わせてもらいます」
そう言って女の子は走っていなくなった。

話が終わったので、調理室に向かった。
和也は調理室に入ると、そこにはみんなが頬を膨らませて、和也が入ってくるのを待っていたのだった。

しゃもじ ( 2021/10/28(木) 19:35 )