日向高校




























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第19章
先輩としたいこと
ご飯を食べ終わり部屋に戻る。
時間になったら誰かが迎えに来てくれるそうだ。
メンバーから言われたのは、「彼氏、彼女の様な時間を過ごすこと!」そう言われていた。和也は出かける準備をする。
すると、部屋のチャイムが鳴った。ドアを開けると、「やっほっす〜」元気な声で挨拶する好花がいた。
和也「や、やっほっす〜。好花が一緒にいてくれる人なの?」
好花「そうなんですよ!私が当たりましたぁ〜!」
和也「そうなんだ。ありがとう、嬉しいよ」
好花「嬉しいなら嬉しいです!」
和也「うん。でも、ごめんね?まだ準備できてないんだ」
好花「いや、私が早く会いたくて、予定の時間より早く来ちゃったんです。だから、気にしないでください!」
和也「ありがとう。もう少しだから、部屋の中で待ってて」
和也は好花を部屋の中に入れた。
好花「先輩のお部屋片付いてますね〜」
和也「そうかな?荷物が少ないだけだよ。歯磨きしてくるから待っててね」
和也は洗面所に向かった。
歯磨きを終えて、好花の元に戻ると好花は紙に何かを書いていた。
和也「何書いてるの??」
好花「あっ!先輩!なにもないですよ!」
和也「なんか焦ってる。どうしたの?」
好花「えーっと、先輩もやりたいことを書いてたんです。午前中しかないから、無駄な時間を過ごさない様にまとめておかないと」
和也「そうなんだ。その紙見せてくれる?」
好花「えーっ!恥ずかしいですよ」
和也「俺もできることは協力したいからさ」
好花「確かに先輩の協力は必要ですね。わかりました」
好花から紙を受け取った。
和也「1.先輩と手を繋いで歩く」
好花「うわぁぁ〜!声に出して読まないで下さいよ〜!恥ずかしいやん!」
和也「ごめんね、つい声に出しちゃった」
和也は続きを読み始めた。その紙からは好花の想いが伝わってうれしくなる。
なにより、最後に書いてある言葉が印象深い。「先輩と幸せなデートをしたい」好花はこう書いていてくれた。
好花「もういいですか?恥ずかしいです」
和也「うん、ありがとう。それじゃ、時間がもったいないし行こっ?」
和也は好花に手を差し出した。
好花「えっ?いいんですか?」
和也「うん。だって彼氏、彼女のデートでしょ?こういうデートしたことないからわかんないけど、やっぱ付き合ってると手繋ぎたいよね!」
好花「私が先輩の初めてなんだぁ〜!嬉しいです!」
好花は最高の笑顔をみせてくれる。
和也「うーん。なんかピンとこないね」
好花「えっ、もしかして嫌でした」
先ほどの笑顔とは一変し、泣きそうな顔をする好花。
和也「ううん。彼氏、彼女なんだから先輩とか敬語は違和感があるな〜って思って。そうだ!名前で呼んで、敬語もやめよ!」
好花「ええっ!そんなの申し訳ないですよ!」
和也「大丈夫だよ。普段の素の好花でいてよ?」
好花「いいんですか?」
和也「うん!俺もそっちの方が嬉しいから」
好花「なら・・・和君。いこっ?」
好花は和也の手を握った。
和也「恋人同士ならこっちにしよ」
和也は握り方を恋人繋ぎにした。好花は顔を真っ赤にしている。
そして、部屋から出ようとした時、「和君、待って?」好花が手を引っ張って和也を引き止めた。
和也「んっ?どうした?」
好花「あの、予定変更してもいいかな?」
和也「いいけど、どうするの?」
好花「まだ、ホテル出るまで時間あるし、その・・・」
和也「どうしたの?」
好花「私、和君とくっつきたい!!」
好花は和也に抱きついた。和也は好花の思いもよらない言葉に少しテンパった。
和也「くっつきたいとはどういう?」
好花「こーゆうことだよ」
好花はちょっと背伸びして、和也にキスをした。
和也はどうすればいいのか、やっと理解できたのであった。
和也「でも、俺、ゴム持ってないから最後までできないよ?」
好花「大丈夫だよ。私、持ってるから」
和也「えっ!?なんで持ってるの?」
好花「修学旅行で和君とくっつけたらいいなって思ってて、もしもの時のために」
そう言いながら、かばんからポーチを取り出して、その中に入っているゴムを取り出した。
そして、再び好花は和也に抱きついた。

■筆者メッセージ
リクエストが多かったので、このちゃんにしました!
しゃもじ ( 2021/08/04(水) 08:07 )