日向高校




























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第16章
師匠の優しさ
陽菜が体調不良なので陽菜の看病をすることにした。陽菜の部屋に入ると、陽菜はパンダのぬいぐるみを抱いて寝ていた。(あっ、このぬいぐるみ・・・)陽菜が抱いていたぬいぐるみは、動物園に行ったときにプレゼントしたぬいぐるみだった。大事に抱いている姿をみて、和也は少し嬉しくなった。和也はベットの近くに座って陽菜の手を握った。しばらく寝ている陽菜を見ていたが、いつしか睡魔に負けて寝てしまった。

(んんっ、なんだか手が温かい)私は起きると、手に温もりを感じた。
陽菜「あれ!?和君!?なんで?」
手を握ったまま寝ている和君を見て、びっくりしてしまう。もしかしてと思い、私は空いている手でスマホを確認した。スマホは和君からの通知がたくさんきていた。(そっか。連絡できなかったから、心配して来てくれたんだ)私は嬉しくなって、すぐにでも和也に抱きつきたくなった。しかし、寝ている和君を起こすのと嫌だったので、和君をベットで寝かせようと試みた。
陽菜「んー、んー!だめだ、動かない。パンダさん助けて!」
パンダのぬいぐるみに話をかけたが応えてくれなかった。私はもう1度試みた。
和也「うーん。あれ?陽菜起きたの?てか、何してるの?」
陽菜「えーっと、起きたら和君がいて、びっくりして抱きつきたくなったんだけど、和君が起きたら嫌だったから、ベットで寝てもらおうと移動させてました」
和也「ふふっ。全部説明してくれたね。もう体調は大丈夫?」
和君は優しい笑顔で心配をしてくれる。
陽菜「はい!寝ていたら元気になりました。あと、和君が手を握っていてくれたから」
和也「ならよかった。お腹空いてない?お粥温めてくるね」
和君は立ち上がり、部屋を出ようとした。
「だめ!」私は和君の手を引っ張った。その勢いに和君は体勢が崩れて、私に覆い被さるように倒れた。
和也「いてて、陽菜大丈夫?」
陽菜「うん。大丈夫。和君、離れたら嫌です」
和也「でも、陽菜苦しくない?」
私は和君が覆い被さっている状態で抱きついている。
陽菜「ううん。和君を感じれるから大丈夫」
私は自分でもびっくりするぐらい大胆な発言をしていた。でも、和君がずっと側にいてくれたことが嬉しくて、いつもは中々言えない正直な気持ちが言えた。
陽菜「和君、チューして下さい」
そうやって言うと和君は優しくチューをしてくれた。私は和君の口の中に舌を入れた。前もやったが和君の体温を感じれるようで嬉しくなる。私はもう一歩大人になろうとした。
陽菜「和君、陽菜、和君と・・・」
いざ言おうとすると恥ずかしくて言えなかった。すると、和君は優しい顔で、「この先は陽菜が元気になって、その時に気持ちが変わらなかったらにしようね?今は体調を治そ?陽菜の元気な笑顔をみたいから」そう言ってくれて頭を撫でてくれた。
陽菜「うん!ちゃんと元気になります!」
私は和君の優しくて相手のことを1番に考えてくれる所が好きなんだと改めて思った。「ぐぅー」ずっと寝ていてお腹が空いてしまい、お腹がなってしまった。
和也「ふふっ、お腹空いたよね?お粥温めてくるね」
和君は部屋を出ていった。最悪だ。私は枕に顔を埋めて足をバタバタさせる。少しすると和君がお粥を持ってきてくれた。
和也「ちゃんと食べてね?」
陽菜「和君に食べさせてほしいです」
和也「いいよ。フーッ、フーッ。熱いから気をつけてね」
和君は本当にお粥を食べさせてくれた。そのお粥は、今まで何度も食べた味なのに、特別美味しくて幸せな味がした。そして、私は何故か涙が溢れた。
和也「えっ、ごめん!熱かったよね」
陽菜「違います、違います。今の陽菜は世界で一番幸せです!」
和也「ん?お粥が熱くて幸せなの?」
こういう天然で鈍感な和君も大好きだ。そして、和君はママが帰ってくるまでずっとそばにいてくれた。体調が悪くなっちゃって紅葉を観に行けなくて、世界で一番幸せだと思えた日になった。

■筆者メッセージ
なんだかんだで更新!
今回はかわださんsideのお話でした。決して紅葉デートを書くのが面倒とかじゃないですからね(笑)いつかちゃんと書きます!笑
しゃもじ ( 2021/06/22(火) 12:42 )