日向高校




























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第16章
菜緒の行きたい所
和也「今日はどこにいくの?」
和也は菜緒に聞いた。今日は菜緒が行きたい所に行くので、どこに行くのか聞いていなかった。
菜緒「内緒〜!着いてからのお楽しみだよ〜!」
和也「気になるな〜。でも、菜緒の行きたい所なら大丈夫そうだね」
菜緒「そうなの?なんで?」
和也「前は恐竜だったから、次は動物園とかかなって思って」
菜緒「まだまだ菜緒の事わかってませんね〜!」
和也「えっ?違うの?どこに行くんだろう」
菜緒「着いたからのお楽しみ〜!次の駅で降りるよ〜」
電車から降りて、菜緒が手を繋いで引っ張っていってくれる。
菜緒「うーん。そろそろ着くと思うけどなぁ〜」
菜緒はスマホの地図アプリを開いて、目的地まで案内してくれる。
菜緒「あっ!ここだ!!早く入ろ〜!」
店の表に出ているかんばんを見る前に、菜緒が引っ張るので、何も分からず店内に入る。
和也「ここって・・・」
菜緒「そう!爬虫類カフェでーす!ずっと和君と来たかったの〜」
和也「そ、そうなんだね。放し飼いになってる・・・」
和也がうろたえていると、店員さんが来て、先まで案内してくれる。
菜緒「うわぁ〜!あのトカゲ可愛いね?」
和也「可愛い・・・?そ、そうだね」
満面な笑顔の菜緒と引きつった笑顔の和也。2人のリアクションは対照的だった。
菜緒「大きいイグアナだ!なんか恐竜みたいだね!エサあげれるみたいだね」
和也「イグアナって何食べるの?」
菜緒「野菜とか果物らしいよ?エサあげたいなぁ〜!和君、行こ〜!」
菜緒は再び和也の手を引っ張ってイグアナに近づく。店員さんからバナナをもらい、イグアナにエサをあげる。
菜緒「あれ?全然食べてくれへん」
和也「お腹いっぱいなのかな?」
和也もバナナを近づけた。すると、イグアナは凄い勢いで食べ始めた。
和也「あっ。めっちゃ食べてる」
菜緒「えーなんでなん?菜緒もあげたい!」
再び菜緒がバナナを近づけると、イグアナは食べ始めた。
菜緒「食べたぁ!可愛いな〜」
和也「よかったね。初めは怖かったけど慣れてくると、ちょっと可愛いかも」
菜緒「でしょ?たまに、爬虫類の動画を観ていてハマったの!」
和也「そうなんだね。なんか菜緒が爬虫類好きなんて意外だね」
菜緒「そうかな?和君も動画観れば好きになるよ?今度一緒に観ようね?」
和也「菜緒と観るならいいかもね!1人じゃ観れないけど」
そう言うと菜緒は嬉しそうに笑った。一通り爬虫類と触れ合って、席に戻ってゆっくりしていると、「よかったらこの子と写真撮りませんか?」と店員さんが話しかけてきた。
菜緒「ほんとですか!?撮りたーい!」
和也「えっ、ほんとに・・・」
店員さんは大きな蛇を持ってきてくれたが、和也は蛇が大の苦手だった。
菜緒「首に巻いてもいいんですか?」
店員「はい。彼氏さんも是非!」
菜緒「彼氏だって!なんか嬉しい」
菜緒が嬉しがってるので断りづらい空気になっている。そして、断れないまま店員さんが蛇を回してくれた。
店員「撮りますよ〜!はい、チーズ!」
写真を撮ってもらい、その写真を確認すると菜緒が笑い出した。
菜緒「あははっ、和君、すごく顔が引きってるよ?」
和也「この状況で笑顔になれる菜緒がすごいよ・・・」
しばらく爬虫類カフェを楽しんで店を後にした。店から出ると菜緒が腕を絡めてきた。
和也「急にどうしたの?」
菜緒「和君にくっつきたくなっちゃった」
和也「そうなんだね。この後はどうする?」
菜緒「もう一つ行きたい所があるんだけどいい?」
和也「いいよ?今日は菜緒が頑張ったご褒美だからね」
菜緒「やったね!じゃあ行こ!」
菜緒はスマホで地図を検索して歩き始める。しばらくして目的地についた。
和也「えっ?行きたい所はここだったの?」
菜緒「うん。和君とくっつけるのが菜緒にとっての1番のご褒美だから」
だどりついたのはラブホテルだった。
和也「そうなんだね。なんかありがと」
菜緒「菜緒もいつもありがと。いこっ?」
2人はラブホテルの中に入って行ったのだった。

しゃもじ ( 2021/06/18(金) 03:48 )