日向高校




























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第15章
恒例の打ち上げ
合唱祭が終わって、メンバーと商店街の方に挨拶をする。一通り挨拶が終わり、荷物をまとめて帰ろうとしていると、「あーママだぁ〜!」美玲がお母さんを見つけたのか駆け寄って行った。(美玲のお母さんが来てたんだ)和也はそう思っていると、『ママ〜!!』みんなも駆け寄っていった。和也はまさかと思って振り向くと母さんがいた。
和也「母さん!なんでここに?」
母「なんでって観に来たからしかないでしょ?みんなのお母さん達も観にきてたわよ」
和也「いやいや、そうじゃなくて・・・てか、聞いてないし」
母さんはメンバーと話しており、和也の話を聞いていなかった。
優佳「なんでみんなは監督のお母さんをママって呼ぶの?」
和也「なんか、みんなのことを娘だと思ってるみたいだよ。みんなもそれが嬉しくてママって呼んでるみたい」
優佳「そうなんだ。なんかいいなぁ〜」
優佳が寂しそうな顔をしていると、母さんが優佳を見て反応した。
母「あっ!あなたが優佳ちゃん??」
優佳「はい。でも、どうして私を?」
母「和也から聞いてたの。留学帰りなんだってね?すごいわね!」
美玲「影もアイドル部だからママの娘だね!」
優佳「えっ?私も娘にしてもらえるの?」
母「当たり前じゃない!優佳ちゃんもおばさんの娘よ?」
母さんとがそう言うと優佳は嬉しそうに笑っていた。
白石「お母さん。ご無沙汰してます」
母「白石先生!いつも息子がお世話になってます」
白石「いえいえ、佐藤君のおかげで色々助かってますよ」
母「そう言ってもらえるなら良かったです。あっ、そうだ。みんなこの後は打ち上げするの?」
久美「その予定だったんだけど、練習のことで頭がいっぱいでお店を予約してなくて」
母「ちょうどよかった!さっき親戚から、お鍋セットがいっぱい届いたから、みんなで食べない?」
『食べる〜!!』みんなは盛り上がっている。
和也「えっ!まさか家で?」
母「そうよ。今決まったから。あっ、でもお母さんとお父さんは、出かけなきゃいけないから、和也頼んだわよ」
和也「そんなめちゃくちゃな」
美玲「任せてください!和君のご飯はみーぱんが作ります!」
史帆「としちゃんも〜!」
陽菜「私も師匠のご飯作ります!」
母「みんなありがとね?そうだ!白石先生もよかったらどうですか?」
白石「えっ!?でも、申し訳ありませんし」
白石先生は断ろうとしていると、「あっ!ママ」生田さんが七瀬さんとこちらに来た。
母「えっ?絵梨花ちゃんもいるの?」
生田「うん!たまたまお仕事が休みで!それで、みんなを待ってたのに全然来ないから見に来たの!それでどうしたの?」
母「打ち上げをお家でするから、白石先生を誘っていたの」
生田「打ち上げ!?行きたーい!」
白石「ちょっと絵梨花!」
生田「いいじゃーん!まいやん、なーさん行こうよ〜」
母「なーさん?あっ、もしかして七瀬さんですか?」
七瀬「あっ、はい。初めまして。佐藤君のお母さんですよね?」
母「そうです。息子から話は聞いています。お世話になっているそうで」
七瀬「いえいえそんな。佐藤君は立派なお子さんですね」
母「そんなことないですよ!七瀬さんもよかったらどうですか?」
和也「どうですかって母さんいないじゃん」
生田「え?ママはいないの?」
母「そうなの。明日までお父さんとお出かけで」
生田「それじゃ子ども達だけじゃ危ないから尚更いかなきゃ!ねっ?まいやん」
白石「うーん。ならお邪魔しようかしら」
好花「やったー!白石先生も生田さんも七瀬さんも来てくれる〜!」
京子「やばい、すごい嬉しい!」
みんなは大はしゃぎで喜んでいる。
母「それじゃ、後のことは和也に伝えておくから、みんな楽しんでね?」
そう言ってお母さんは行ってしまった。
美玲「ねぇねぇ、今日、和君のお家にお泊まりしていい〜?」
美穂「あっ!私もお泊まりしたいです!」
美玖「私も泊まりたいけど、明日朝から用事があるから無理だぁ〜」
和也「いいよ。母さんに言っておくね」
こうして、打ち上げを家ですることになった。みんなは一度解散して、各自の家に帰った。和也も家に帰ると、玄関に段ボールが置いてあり、その中に鍋セットがたくさん入っていた。
和也「九州のおじさんはまたこんなに送ってきたの?土鍋まで入ってるし」
母「そうなのよ!ありがたいわね〜」
和也「そうだね。あっ、そういえば、今日みんな泊まるらしいよ」
母「あら、そうなのね!布団の準備しとかなくちゃ!」
母さんは嬉しそうにリビングから出て行った。すると、父さんが2階から降りてきた。
父「おぉ、和也おかえり。合唱祭はどうだった?」
和也「ただいま。成功したよ。クラスも最優秀賞取れたし」
父「そっか!それはよかったな、今日から母さんと出かけてくるから」
和也「母さんから聞いたよ。気をつけて行ってきてね」
父「あぁ!お留守番頼んだぞ」
和也は頷いて自分の部屋に向かった。30分程して再びリビングに戻ると、父さんと母さんが家を出るところだった。
和也「2人ともいってらっしゃい」
母「いってくるわね!お鍋の具は冷蔵庫に入ってるから、美玲ちゃん達に作ってもらってね!布団も置いてあるから」
和也「わかった。ありがとう」
父「それじゃ母さん行こうか!行ってきます!」
2人は家を出て行ったが家の前で誰かと話している。少しして玄関が開いた。
生田「和也君きたよ〜!っているじゃん!」
白石「おじゃまします。ちょうどお母さん達も出かける所だったのね」
七瀬「佐藤君、大勢で押しかけて悪いなぁ」
和也「大丈夫ですよ!慣れているんで!それじゃ上がってください」
こうして、合唱祭の打ち上げが始まろうとしていた。

しゃもじ ( 2021/06/15(火) 16:49 )