日向高校




























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第15章
変化球な彼女
今日はひなのとアイスを食べに行くことになっているので、駅でひなのを待っている。「あの〜先輩」気配もなく後ろから話をかけられてびっくりする。
和也「うわぁ!びっくりした」
ひなの「驚かせちゃってごめんなさい」
和也「大丈夫だよ。全く気配を感じなかったからびっくりしちゃって」
ひなのの姿を見ていると、いつもと違う感じがした。
ひなの「あの〜私の顔に何かついてますか?」
ひなのは恥ずかしそうにしている。
和也「あっ、ごめん。何もついてないよ。なんかいつもと違うな〜って思ってさ。私服だからかな?なんか新鮮」
ひなの「新鮮・・・。フレーーシュ!」
ひなのが急に大声を出した。
和也「急にどうしたの?」
ひなの「人生で初めてのデートなので、少し緊張してしまって、大声を出してみました」
不思議な子だと改めて思ったが、ひなのの初めてのデートが自分ということに嬉しく思った。
和也「あははっ、そうなんだね。少しは緊張がほぐれたかな?」
ひなの「はい!なんか先輩の顔を見ていたら落ち着いてきました」
和也「それじゃ、早速行こっか?」
ひなの「はい!行きたい所は調べてきたので、私が案内します!」
電車に乗って目的地を目指す。横に座るひなのを無意識にまた見てしまう。(なんかいつもと違うような)さっきは私服のせいだと思っていたが、顔がいつもと違った。
ひなの「やっぱり顔に何かついてますか?」
ひなのは不思議そうに聞いてきた。
和也「あっ、ごめんね。やっぱりいつもと雰囲気違うなぁ〜って思って」
ひなの「ふふ。たぶん少しお化粧をしているからだと思いますよ」
和也「あー!そう言われてみれば!」
和也は理由が分かり、思わず大声を出してしまった。
ひなの「先輩も大声出してますけど緊張してるんですか?」
和也「ごめん。思わず声が出ちゃったよ。ひなのも化粧するんだね」
ひなの「今日はデートなので、少し大人っぽくしてきました。菜緒さんにアドバイスも貰いました」
和也「菜緒に?菜緒は今日出かけること知ってるの?」
ひなの「はい!先輩とデートしてきますってお話しました」
和也「そうなんだね。なんか、明日菜緒に会うのが少し怖いな・・・」
ひなの「なんでですか?菜緒さんは優しいですよ?」
和也「そうだね、菜緒は優しいよね」
和也は何もないことを祈り、自分に言い聞かせた。
ひなの「あっ!この駅で降ります!」
ひなのが行きたがってたアイスクリーム屋さんがある街に着いた。
ひなの「うーん。困りましたね」
和也「困ったってどうしたの?」
ひなの「スマホで地図を見ているのですが、全くわかりません!」
「ぷっ」ひなのがあまりに深刻そうな顔をして言うので、思わず吹き出してしまった。
和也「この近くなんだよね?まだまだ時間あるしゆっくり探そ?探検みたいで楽しそうだしね」
ひなの「はい!よろしくお願いします」
和也は頷いて歩き出そうとしたら、ひなのが袖を掴んだ。
和也「ん?どうしたの?」
ひなの「あの〜、先輩の手を温めようかと思いまして」
和也「手を?手は冷えてないよ?」
ひなの「そうじゃなくて。なら、私の手を温めてください」
そう言ってひなのは手を握ってきた。和也は、ようやくひなのが何を言いたいのか理解した。
和也「じゃあ、手が冷えないようにちゃんと掴んでてね?」
ひなのは少し恥ずかしそうだったが、笑顔で頷いた。こうして、ひなのとの初めてのデートが始まった。

■筆者メッセージ
すみません!ちょっと短いかもです
しゃもじ ( 2021/06/12(土) 18:38 )