日向高校




























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第15章
水玉ピンクの歌
優佳が入部して数日が経ち、今日は1日練習の日だ。「♪〜」和也は「キュン」をピアノで弾いた。弾き終わるとみんなが拍手をしてくれた。
美玲「和君すごい!!天才だよぉ〜」
鈴花「ほんとにちゃんと練習してたんだ」
好花「デレデレしてるだけじゃなかったんですね!」
和也「そうだよ。ずっと言ってたでしょ?」
史帆「さすが和君だぁ〜!」
かとしが後ろから抱きついてくる。
和也「ありがと。みんなの調子はどう?」
菜緒「白石先生と七瀬さんが振り付け考えてくれて、今、フリを固めてる所だよ」
和也「そっか。一緒に頑張ろうね」
久美「うん!!発表の時は衣装着るの?」
和也「その予定だよ。初披露だしね」
美穂「やったぁ〜!やっと衣装着て踊れる〜!」
優佳「衣装なんてあるの?」
潮「そうだよ!商店街の方が作ってくれたの!あっ、でもかげこの衣装・・・」
みんなは気まずそうに和也を見る。
和也「そうだ!ごめん忘れてた。ちょっと待ってて」
和也は走って体育館を出て行った。数分して体育館に戻ってきた。
和也「これ。優佳の衣装だよ!」
優佳「えっ?私のもあるの?」
和也「商店街の人が予備にって多く作ってくれたんだ。ごめんね?自分のことで頭がいっぱいで忘れてたよ。ジャージは今注文してるから、もう少し待っててね」
優佳「嬉しい。監督ありがと〜」
優佳が和也に抱きついた。
史帆「あぁ〜!こら〜離れろぉ〜!優佳はまだ早い〜!」
優佳「えーいいじゃんか〜!」
優佳はみんなに離された。
美玲「次はみーぱんの番〜!」
久美「あっ!みーぱん、またどさくさに紛れて!!」
白石「みんな何やってるの〜?」
白石先生と七瀬さんが体育館に来た。
好花「先生、七瀬さん大変なんです!優佳さんが先輩の良さに気づいてしまいました!」
七瀬「優佳さん??まいやんが言ってた新しく入った子?」
優佳「影山優佳です。七瀬さんのことはみんなから聞きました!よろしくお願いします」
七瀬「こちらこそよろしくね」
七瀬さんは優しく微笑んだ。
白石「佐藤君とじゃれるのは後にして、練習始めるよ〜!佐藤君、演奏お願い」
こうして、本番に向けて練習を始めた。優佳が入ったことで、少し立ち位置などが変わったが、みんなはすぐに対応してくれた。
白石「上村さんちょっと遅れてるよ!それと、もう少し笑顔で踊ろうか」
ひなの「はい。すみません」
ひなのは踊るのに必死で顔が暗くなっていた。
白石「はい!休憩にしようか。ちゃんと水分補給して休んでね〜」
『はーい』みんなは疲れていたのか、すぐに座り込んだ。
菜緒「ねぇ、和君。なのちゃん見なかった?」
和也「見てないよ?どうかした?」
菜緒「さっきちょっと注意されてたから大丈夫か気になっちゃって」
和也「そうだね。ちょっと探してくるね。菜緒はゆっくり休んでて?」
菜緒「ごめんね?ありがと」
ひなのを探しに体育館をでた。しかし、学校の至る所を探してもひなのは居なかった。(ひなの、どこいっちゃったんだろう)そう思いながら、まだ探してなかった屋上に向かった。「水玉〜ピンク〜」屋上に入るとどこからか歌声が聞こえた。声の先に向かうとひなのが歌っていた。
和也「やっと見つけた。探したよ」
ひなの「先輩・・・。どうしてここに?」
和也「菜緒がひなのが居なくなったから心配してたからさ。それで探しに来たんだ」
ひなの「そうなんですか。勝手に居なくなってすみません」
ひなのは落ち込んだ顔をしていた。
和也「さっきの歌はひなのが作ったの?」
ひなの「はい。水玉ピンクの歌です」
和也「そうなんだね。もう一度聴かせてくれるかな?」
ひなの「えっ?あ、はい」
ひなのは水玉ピンクの歌を歌ってくれた。歌い終わると不安そうな顔をしている。
和也「良い歌だね?なんか、ひなのらしくて可愛いよ」
ひなの「ありがとうございます。嬉しいです」
和也「ひなのはさ、もっと自信持っていいと思うよ?」
ひなの「自信ですか?でも、私は歌もダンスも上手じゃないから、みなさんに迷惑をかけてしまいます」
和也「俺からしたら歌もダンスも上手だよ?俺なんてダンスしながら歌うことなんて出来ないもん。それにみんなは絶対迷惑なんて思ってないよ?」
ひなの「そうなんですか?先輩は何でも出来そうなのに」
和也「出来ないことの方が多いよ。でも、ひなのはそれが出来るんだよ?だから、もっと自信を持ってね?俺はひなのの歌もダンスも好きだからさ」
ひなの「先輩・・・。ありがとうございます」
ひなのは嬉しかったのか泣いてしまった。すると、その時「あーっ!!」入り口から叫び声が聞こえた。
菜緒「和君!私のなのちゃん泣かせた〜!」
美玲「和君、悪い人だぁ〜!」
美玖「先輩、やっちゃいましたねぇ〜!」
和也「えっ?これは違うよ!?誤解だって!」
和也はみんなに責められて焦っている。
史帆「あははっ!嘘だよ〜!全部聞いてましたから!」
京子「和、めっちゃ焦ってるじゃん!」
みんなは焦る和也を見て笑っていた。
美穂「せんぱぁ〜い。私の歌とダンスはどうですかぁ〜」
美穂が急に甘えた声を出して聞いてきた。
和也「えっ、上手だと思うよ?」
美穂「好きですかぁ〜?」
和也「う、うん。好きだよ」
美穂「ふふっ、やったぁ〜!」
美穂は飛び跳ねて喜んでいた。
史帆「こら〜和君!!美穂のぶりっ子なんかに釣られちゃって!!」
久美「情けないったらありゃしない!」
美玲「ねぇ、ねぇ、みーぱんの事は好き??」
ひより「みーぱんさん!その質問は絶対おかしいですから!」
みんながまた騒ぎ始めた。みんなが和也と揉める中、菜緒がひなのに近づいた。
菜緒「なのちゃんはアイドル部にとってぜったーーーい必要な子だからね?だから、どんなことがあっても迷惑なんて思わないよ?一緒に頑張ろうね!」
ひなの「はい!頑張ります!」
ひなのに笑顔が戻った。和也は隙をついて屋上から逃げ出した。
陽菜「あっ!師匠が逃げましたぁ〜!」
彩花「こら、待てぇ〜!!」
みんなが和也を追いかけた。
菜緒「よし!なのちゃんもいくよ!」
菜緒はひなのの手を握って走り出した。
そして、みんな体育館に戻り、練習を再開した。
白石「上村さんすごく笑顔だけど、佐藤君なにかしてくれた?」
和也「自分は何もしてないですよ?どうしてなんだろう?菜緒のおかげかな?」
和也はひなのが笑顔になった理由を知らなかった。そして、練習は無事に終わった。和也は体育館の片付けをしていると、ひなのが近寄ってきた。
和也「ひなの、どうしたの?」
ひなの「あの、えっとですね・・・」
ひなのは恥ずかしそうにモジモジしている。
和也「うん。どうした?」
ひなの「あの、先輩は明日何か予定はありますか?」
和也「明日?特に何もないよ?」
ひなの「もし、よかったらですけど私と遊んでくれませんか?」
和也「うん、いいよ。遊びに行こっか」
ひなの「ほんとですか?嬉しいです!」
和也「誘ってくれてありがと。どこか行きたい所はある?」
ひなの「うーん。あっ!アイスを食べに行きたいです!」
和也「ならそうしよっか!」
ひなの「はい!それでは明日の為に早く帰って眠ります!お疲れ様でした!」
ひなのはそう言い残すと走って体育館を出て行った。和也はその後ろ姿を見て、思わず笑みが溢れたのだった。

■筆者メッセージ
サブさん、日向坂後援会さん、ルウさん
コメントありがとうございます!これからも楽しんでもらえるように頑張ります!
しゃもじ ( 2021/06/11(金) 23:12 )