日向高校




























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第14章
仲直りの秘策
和也「よっこいしょ。布団持ってきたよ〜」
久美が泊まるので布団を部屋に持ってきた。
久美「ありがと。でも、申し訳ないんだけど・・・」
久美は急にモジモジし始めた。
和也「どうかしたの?」
久美「今日は一緒に寝たらだめかなぁ?」
和也は少し驚いた。久美は、普段の部活はしっかりしていて、部活以外はみんなを笑わせたりしているが、甘えた姿を見たことがなかったからだ。
久美「だめかな?」
和也「あ、うん、いいよ。それじゃ、時間も遅いし寝ようか」
久美「うん!!ありがと〜!」
2人は布団の中に入った。
久美「こういうの初めてだから緊張する〜!」
久美はすっかり元気になっていた。
和也「久美でも緊張することあるんだね」
久美「それどういう意味?」
和也「だって、よく部室でふざけてるからさ。みんなのモノマネしたり、ギャグをしたりさ」
久美「みんなが笑顔になって、笑い合えたりするのが好きなんだよね〜!何気ない日常が1番幸せだと思うから」
和也「そっか。やっぱり久美をリーダーでよかったよ!」
久美「だから、キャプテンだってばぁ〜!!」
久美は胸を軽く叩いてきた。
和也「冗談だって!痛いから〜」
和也は久美の手を掴んで叩くのを阻止した。すると、「あっ」久美の顔がもの凄く近くて目が合った。お互い至近距離で顔を見たことなかったので、急に恥ずかしくなって距離をとった。
和也「ご、ごめんね」
久美「私こそごめんね」
少しの間沈黙していた。すると久美が、「私も和也君にかまってほしいな」と顔を赤くしながら言った。
和也「えっ?どういうこと?」
久美「としちゃんとか、みーぱんとか、こさかなとかは和也君に抱きついたり、手を繋いだりしてるでしょ?だから、たまには私もって思ってさ」
和也「な、なんだそういうことか」
久美「なにと勘違いしていたの?」
和也「なにも勘違いしていないよ」
和也は少し焦っていた。
久美「和也君は嘘が下手だよね。こういうことと勘違いしてたんでしょ?」
久美は和也にキスをした。
久美「私のファーストキスだよ!」
久美は少し照れながらそう言った。
和也「久美のファーストキスが俺でよかったのかな」
久美「最初は和也君がよかったの。この先も・・・。すぅー」
久美は寝てしまった。いっぱい泣いたから疲れていたのだろう。
和也「キャプテンいつもありがと」
和也は普段の感謝を口にして、久美頭を撫でた。そして、和也も眠りについた。
翌朝。朝ごはんを食べて、家を出る準備をする。
母「和也!これ久美ちゃんのお母さんに渡しておいて」
久美が洗面所に行っていない時に、母さんが封筒を渡してきた。
和也「なにこれ?」
母「久美ちゃんとお母さんが仲直りするために必要な物よ!こっちは中々時間が合わなくて行けないので、気にしないで下さいって伝えておいてね」
和也「なんかよくわからないけど」
母さんと話していると久美が戻って来た。
和也「それじゃいってくるね」
久美「ママ!ありがとうございました」
母「いいのよ。いつでもいらっしゃい!ちゃんとお母さんと仲直りするのよ」
久美「うん!おじゃましました!」
こうして、久美の家に向かう。
和也「ところで、お母さんと喧嘩したって言ってたけど、原因はなんだったの?」
和也は喧嘩の原因を聞いていなかったので、気になって聞いてみた。
久美「うーん。ちょっとね」
久美は困った顔をして教えてくれなかった。和也もそれ以上は聞かなかった。家に着いて、「ただいま」久美が家の中に入った。
久美母「おかえりなさい!あっ、もしかして和也君?」
和也「あっ、はい。初めまして。佐藤和也です」
久美母「初めまして!お母さんとは旅行に行ったから仲良しだけど、和也君に会うのは初めてね。久美の母です」
久美のお母さんは丁寧に頭を下げてくれた。
久美母「迷惑かけてごめんなさいね」
和也「家は大丈夫です。母もみんなが家に来ると喜んでくれるので」
久美母「ありがとう。こんなとこじゃ申し訳ないから家の中に入ってね」
和也「あっ、おじゃまします」
久美のお母さんは家の中に入れてくれた。
久美母「お茶の用意するから座っててね」
和也「ありがとうございます」
久美母「それより久美はまだ怒ってるの?」
久美「なにその言い方!ママが私が楽しみにして取っておいた、ケーキを食べたからいけないんじゃない!」
久美母「だから謝ったじゃない」
和也「ケーキ?喧嘩の原因はケーキを食べられたからなの?」
久美「そうだよ!部活が終わってから食べようと楽しみにしてたのに!」
和也「なんだ、そんなことか」
久美「そんなこと!?」
久美がもの凄い顔で睨む。
和也「い、いや、そんなに美味しいケーキなんだね」
久美「そうだよ!有名なケーキ屋さんのケーキなんだから!」
久美母「何回も謝ったでしょ。和也君、お茶どうぞ」
久美のお母さんが机にお茶を置いてくれた。
和也「ありがとうございます、あっ!そうだ。これ母からです。なんか、時間が合わなくて行けないので、気にしないで下さいだそうです」
和也は久美のお母さんに封筒を渡した。
久美母「なんだろう。開けてもいいかな?」
和也「はい。自分も中身を知らないので気になります」
久美のお母さんは封筒を開けて中身を出した。
久美「あーーっ!!これって?」
久美母「商店街の福引の2等賞の!」
和也「ん?なにこれ?」
久美「スイーツバイキングの無料券だよ!知らないの?」
和也「全く知らない。てか、母さんは喧嘩の原因知っててこれ渡したんだ」
久美母「申し訳なくて貰えないわ」
和也「いえ、貰ってください。多分うちに会っても意味がないんで」
久美母「うーん。そうだ!今日3人で行かない?期限も近いし、4名様までって書いてあるし!」
久美「行きたい!!和也君もいこーよ!」
和也「えっ!でも、いいのかな?親子水入らずの方がよくない?」
久美「元を言えば和也君のママがくれた物だから、和也君が行かないと逆に申し訳ないよ」
久美母「そうよ。我が家の為にもお願い出来ないかしら?」
和也「そういうことならお願いします」
久美「やったー!4名様ってことはもう1人誘ってもいいの?」
久美母「和也君がいいならいいんじゃない?」
久美「和也君いいかな?」
和也「別にいいけど誰を誘うの?」
久美「としちゃん誘おうかなって」
和也「なるほどね!そうしよっか」
そして、久美はかとしに電話をする。かとしは、電話越しでも聞こえるぐらいの声で喜んでいた。そして、かとしとの電話が終わった。
久美「和也君の名前出したら喜んでたよ!すぐに来るって!」
和也「バイキングで喜んでたんじゃないんだ」
久美「バイキングは二の次みたいだね!」
久美母「ならお母さんも準備しようかな!」
久美のお母さんもご機嫌だった。
久美「私も準備しなくちゃ!和也君は待っててね!」
こうして、4人でスイーツバイキングに行くことになったのだった。

■筆者メッセージ
いつの間にか閲覧50000超えました〜!これからも宜しくお願いします!たぶんまだまだ終わらないので笑
しゃもじ ( 2021/06/09(水) 06:17 )