日向高校




























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第14章
炎上したメッセージ
合唱祭でピアノを弾くことになった和也。決まったその日から、家でピアノの練習をしていた。
母「和也がピアノを弾いているところを見るの久しぶりね」
美玲「ピアノを弾く和君もカッコいいなぁ〜!」
母さんと美玲が弾いている所をずっと見ている。
和也「あのー、なんでいるのかな?」
美玲「えっ?だって、誰か歌う人がいた方がやりやすいでしょ?」
和也「そうだけど、これクラスの合唱曲だよ?」
美玲「だって、みーぱんも和君のピアノで歌いたいんだもん♪」
和也「そうなんだね。なんかありがと」
こうして、毎日メンバーが交代で和也の家に来ていた。そして、土曜日。
白石「今日は佐藤君とデートだね〜」
和也「デートなんですか?レッスンを受けに行くだけじゃ」
白石「もう!せっかく楽しい雰囲気が台無しじゃないか!」
白石先生と電車で東京に向かう。
和也「ごめんなさい。でも、生田さんがレッスンしてくれるのはありがたいですけど、迷惑かけちゃってますよね」
白石「今はちょうど舞台がない時期らしいよ?佐藤君に会えるのが嬉しいって言ってたし!」
和也「そうなんですね!生田さんって、歌だけじゃなくて、ピアノも上手なんですか?」
白石「昔、ピアノで全国大会に出たことあるくらい上手よ!」
和也「まじですか・・・恐ろしい人ですね」
そんな話をしていると東京に着いた。
白石「ここに絵梨花が来てくれるはずなんだけど、どこにいるかな?」
和也「どこでしょう?ここまで人が多いとわからないですね」
「まいやーん!!和也くーん!」どこからか大声で呼ばれている。
和也「生田さんの声ですね」
白石「そうね。ちょっと恥ずかしい」
生田「あっ!いたーっ!!」
無事に生田さんと合流できた。そして、生田さんと大きなビルの中に入り、スタジオらしき所に着いた。
生田「ここ貸してもらったから、沢山練習できるからね!」
和也「色々手伝ってもらってすみません。それと、楽曲ありがとうございました。みんな泣いて喜んでいました」
生田「ほんと!?嬉しいなぁ〜!今回は和也君がピアノで演奏してくれるんでしょ?」
和也「はい。合唱祭で披露することになりました」
生田「よし!頑張ろぉ〜!これ楽譜ね」
白石「絵梨花ありがとね〜!」
白石先生が生田さんに抱きついた。
生田「いいよ〜!まいやんとみんなの為だもん!それじゃ練習始めよ!」
和也はピアノを弾き始めた。
生田「おぉー和也君上手いね〜!でも、ここはこうした方がいいよ!」
生田さんが隣に座って演奏してくれた。距離が近くて少しドキドキしてしまう。
白石「中々いい感じですね〜!そうだ!!」
白石先生は何かをしていたが、練習に集中していたので気にしなかった。
生田「ちょっと休憩しよっか!てか、和也君のスマホ凄い鳴ってるよ?」
和也「ほんとだ!何かあったんかな」
和也はメッセージを開いた。すると、部活のグループの通知が凄いことになっていた。
史帆「和君どういうこと?説明しなさい!!」
美玲「なんかちょっと嬉しそうだし、」
京子「こっちは頑張って練習しているのに」
明里「そうだそうだ!!」
菜緒「なにニヤニヤしてるん?ばーーか!!」
美玖「ピアノの練習はちゃんとしてるんですか?」
陽菜「師匠!!だめですよ!」
美穂「やっぱり大人の女性がいいんだ!」
好花「はぁー。先輩も男の子って訳ですね」
和也は身に覚えのない事でめちゃくちゃ責められていた。すると、ある事に気づいた。
和也「もしかして白石先生!!」
白石「ん?私は佐藤君の頑張りをみんなに教えただけだよ!」
白石先生はメンバーに和也の練習風景の写真を送っていたのだった。
メッセージはまだまだ来ている。
かとしからは白石先生が送ったであろう写真が送られてきた。
生田「あぁー私と和也君の写真だ!いい感じじゃん」
白石「でしょ〜!我ながら上手く撮れたわ」
生田「上手上手♪まいやん、私にも送っといてね〜!」
人の気も知らないで、能天気に話す2人。和也はどう返答するか悩んでいると
生田「面白そうだからちょっと貸して」
和也「あっ、ちょっと生田さん!」
生田さんがスマホを取り上げてメッセージを打っていた。
生田「絵梨花だよ!和也君は私の隣で頑張って練習してまーす!!」
史帆「えっ!生田さん??」
美玲「生田さんだぁ〜!楽曲ありがとうございます!!」
京子「本物?やばい!めっちゃ貴重だよ!」
生田「みんな合唱祭頑張ってね〜!和也君は私に任せてね〜!」
菜緒「和君!!生田さんに浮気したら許さんから!」
史帆「帰ってきたらゆっくり話を聞かせてもらうから!」
美玲「和君〜早く帰っておいで〜!」
生田「和也君がなんか怯えてるよ〜!それじゃあ練習に戻るから、みんなも頑張ってね!」
生田さんはメッセージを打ち終わって、スマホを和也に返した。和也の顔は青ざめていた。その光景をみて白石先生は爆笑していたのだった。

しゃもじ ( 2021/06/07(月) 22:12 )