日向高校




























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第13章
お墓参り
美穂との旅行から数日経ち、和也は美玲と電車に乗っていた。
美玲「そういえば、和君とお出かけするの水族館以来だね?」
和也「そうだね。でも、転校してから美玲と1番いる気がするから、久しぶりって感じがしないかも」
美玲「え〜なんか嬉しい〜!和君の1番だぁ〜!」
和也「あははっ。そういえば気になっていたけど、学校でも俺といる時間が多い気がするけど、他の男の子と喋らないの?」
美玲「ん〜話しかけられたら喋るけど、基本的にみーぱんから喋りかけることはないかな?教室でも史帆とかといるからさ」
和也「そうなんだ。でも、夏休みが終わったらみんな人気者になるかもね?」
美玲「なんでぇ〜?」
和也「夏祭りのライブすごい良かったし、学校の子も観に来てたからさ!いっぱい話しかけられるかもね?」
美玲「そんなことないと思うけどな〜!もしそうなったら、和君がみーぱんを守ってね?」
和也「美玲がそうなって嫌な気持ちになるんだったら守るね」
美玲「やったぁ!和君はみーぱんのヒーローだ!」
美玲はそう言うと腕を組んでくれた。
電車を何回か乗り継いで東京に着いた。
美玲「ねぇねぇ、後でお買い物行ってもいい?」
和也「いいよ。夏休みで時間もあるし、ゆっくり楽しも!」
美玲は笑顔になり、和也の手を握った。
まずはお墓参りに行く。祐のお墓の前について、目を閉じて手を合わせる。
(祐。アイドル部の初ライブ成功したよ。観てくれたかな?これから先みんなはもっと輝くから、ずっと見守っててな)
和也は目を開けて美玲の方をみると、まだ目を閉じていた。数秒後、美玲は目を開けて和也を見る。
和也「何を報告してたの?」
美玲「初ライブが成功したこととか色々だよ?」
和也「そっか!一緒に来てくれてありがとね!」
美玲「ううん!一緒に来たかったから!みーぱんも祐君に伝えたいことあったしね!」
和也「そっか!ありがと!それじゃ行こっか?」
美玲は頷き、お墓から離れようとした時に、「和ちゃん?」後ろから名前を呼ばれた。
和也「あっ、おばさん!」
祐母「やっぱり和ちゃんね!そちらの子は前一緒に来たくてくれた子ね?」
美玲「はい!佐々木美玲です。」
祐母「可愛い子ね!お墓参りに来てくれたの?」
和也「うん。祐に報告したいことがあったからさ」
祐母「そうなのね!ありがとう。もし、時間があったら、お家で線香をあげてもらえないかしら?美玲ちゃんも一緒に」
和也は美玲の方を見た。
美玲「はい!おじゃまさせてもらってもいいですか?」
祐母「ありがとう。それじゃ行きましょうか」
祐の母さんの車に乗って家に向かう。
『お邪魔します』祐の家について中に入る。久しぶりの祐の家。懐かしさと悲しい記憶が蘇り、少し手が震えてしまう。
すると、それに気づいた美玲がそっと手を握ってくれて、小声で「大丈夫。みーぱんがいるよ」と言ってくれた。
仏壇の前に座りお線香をあげる。美玲とおばさんは違う部屋で待っててくれている。
祐母「美玲ちゃんは和ちゃんの彼女さんかな?」
美玲「違います、違います!!和君は私達の部活の監督で!」
祐母「ふふっ。美玲ちゃんは和ちゃんのことが好きなのね。」
美玲は顔を真っ赤にしていたので、和也への気持ちに気づかれてしまった。
祐母「そっちでの和ちゃんはどうかしら?」
美玲「和君は優しくて温かい人です。和君がいたから今の私達があるんです。」
祐母「そうなのね。私からも和ちゃんのことをお願いしていいかしら?」
美玲「もちろんです!祐君のお墓の前で、和君のことは私達が守るって約束しましたから!」
(祐君。初ライブ成功しました。私は祐君に会ったことないけど、和君の親友ならきっと和君に似て優しい人だよね?これからも和君を見守ってください。こっちでは和君の笑顔は私達が守ります。)
美玲は祐のお墓の前でこう伝えていた。
それを聞いた祐の母は泣いていた。ずっと美玲の手を握りながら、『ありがとう』と言っていた。しばらくして、和君が戻ってきた。
和也「2人で何話してたの?」
美玲「ひーみつ!みーぱんと祐君ママの内緒のお話だよ〜!」
和也「なんかいつの間にか仲良くなってるよ」
祐母「美玲ちゃんは本当にいい子だから大切にしてあげなきゃね?」
和也「うん!そのつもりだよ」
祐母「よかった。ところで2人はこの後どうするの?」
和也「この後は買い物に行って帰るつもりだよ?」
祐母「そうなの?もっとゆっくり話したいから泊まっていって欲しかったのに」
美玲「でも、いきなり悪いですよ」
祐母「うちはいつでも大歓迎なのに。パパも久しぶりに和ちゃんに会いたいでしょうし」
美玲「和君どうする?」
和也「美玲はいきなり泊まっても大丈夫なの?」
美玲「ママに聞いてみるね」
美玲はお母さんに電話をかけた。少ししたら電話を切った。
美玲「ママが和君と一緒ならいいって!」
祐母「和ちゃんは美玲ちゃんのお母さんにも信頼されているのね!和ちゃんのお母さんには、おばさんから連絡するわね!」
おばさんは母さんに電話をかけ始めた。
和也「いきなりこんなことになってごめんね?」
美玲「全然!和君とお泊まりできて嬉しいもん!」
和也「そっか。ありがと!」
祐母「和ちゃんのお母さんもいいって言ってたわよ!色々準備しなくっちゃ!」
和也「あははっ、おばさん張り切りすぎだよ!」
こうして2人は祐の家に泊まることになった。

しゃもじ ( 2021/05/28(金) 06:38 )