日向高校




























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第12章
感動の初ライブ
夏祭り当日の朝、違和感を感じる。
「うわぁ」目を開けると陽菜が抱きついて寝ていた。びっくりして声を出したせいで陽菜が起きた。
陽菜「和君、おはよー」
和也「おはよ。なんでここにいるの?」
陽菜「緊張して眠れなくて、和君に会いたくなったからお家に来たら、ママがまだ寝てるって言ってたので、お部屋に来たんですけど、和君が気持ち良さそうに寝てたから一緒に寝ちゃいました。」
和也「そ、そうなんだ。よく眠れた?」
陽菜「はい!和君の隣は居心地がいいです」
陽菜は抱きつく力を強くした。
和也「いたたたっ、力強いよ」
陽菜「ふふっ、くっつきたかったので」
しばらく陽菜が離してくれなかったので一緒に横になっていた。
和也「そろそろ起きようか?」
陽菜「はい!でも、最後に元気欲しいです」
和也「元気?どうすればいいかな?」
すると、陽菜の顔が近づいてくる。
陽菜「元気貰えました!これで今日は大丈夫です!」
陽菜は和也にキスをした。いきなりだったので和也は少し放心状態になった。
陽菜「和君どうしたの?」
和也「あ、陽菜が元気になったなら良かったよ」
そう言うと陽菜は笑顔になった。起きてから色々準備をして家を出る。
和也「今から学校に行くけど陽菜はどうする?」
陽菜「陽菜も一緒に行きます!」
2人で学校に行くことになった。学校に着き、夏祭りに必要な物を準備していると部室に誰か入ってきた。
???「あっ!和君とおひな!」
陽菜「みーぱんさん!おはようございます!」
和也「おはよ!どうしたの?」
美玲「なんか落ち着かなくてさ〜!学校に来て、振りの確認をしようと思って」
和也「そうなんだね!美玲は凄いね」
美玲「そんなことないよぉ〜!それで和君とおひなはなんでここに?」
和也「夏祭りに必要な物を取りにね」
陽菜「緊張して眠れなかったので、朝、師匠のお家にお邪魔していました!」
美玲「そうなんだぁ!みーぱんも和君のお家にいけばよかった!」
陽菜「みーぱんさん!私も一緒に振りの確認してもいいですか?」
美玲「もちろん!一緒にやろ!」
『私達も一緒にやる〜!!』
美玲「みんな!どうしたの?」
メンバーが続々と部室に入ってくる。
久美「みんな同じ気持ちだよ!」
京子「絶対成功させよう」
史帆「和君おはよ〜!やっぱ1日の朝は和君に会ってからじゃないとはじまらないな〜!」
美穂「なんで監督と陽菜が一緒に?」
鈴花「贔屓してるからでしょ?」
好花「陽菜だけずるーい!!」
美玲「よし!みんなで頑張ろぉ〜!!」
みんなは体育館に向かった。和也は準備があるので部室に残っている。
菜緒「ねぇ、和君」
和也「ん?菜緒どうしたの?」
菜緒「どうしよう。震えが止まらない」
菜緒が泣きそうな顔をしていた。三曲やるうちの一曲が菜緒がセンターの曲があるため、不安と緊張で押し潰されそうになっているのだろう。
和也「大丈夫。菜緒なら大丈夫だよ」
和也は菜緒をそっと抱きしめた。
菜緒「でも、菜緒が失敗しちゃったらって考えると怖くて」
菜緒は泣きはじめてしまった。
和也「菜緒は1人じゃないよ?みんながいるから!挫けそうになったらみんなが支えてくれるよ?」
和也は菜緒を身体を反転させた。
菜緒「みんな・・・」
和也「ねっ?」
菜緒の視線は先には一年生メンバーがいた。
愛萌「菜緒がいなかったから戻って来ちゃった」
美玖「1人で悩むな〜!みんないるんだぞ!」
美穂「菜緒は私達が支えるから」
明里「菜緒なら大丈夫!はい!笑顔!」
鈴花「菜緒!パリピース!」
好花「そうそう!菜緒は笑ってるのが可愛いんだぞ〜!」
ひなの「菜緒さん!元気田支店長!」
陽菜「師匠の一番弟子の陽菜が二番弟子の菜緒を支えます!」
ひより「陽菜だけじゃ頼りないからひよたんも!」
菜緒「みんな・・・ありがと・・・」
菜緒はみんなの優しさで更に涙が溢れた。
和也「菜緒は1人じゃないからね?行っておいで」
和也が菜緒の背中をそっと押すと、菜緒はみんなの元に駆け寄り抱きついた。
美穂「それじゃ練習に行こ〜!先輩も早く来てくださいね〜!」
みんなは体育館に移動した。夏祭りの時間になるまで練習は続いた。
そして、夏祭りが始まる。日向町は屋台などが出ており賑わっていた。
盆踊り会場にちょっとしたステージを作ってくれており、そこで披露することになっている。ステージ裏に生田さん、七瀬さんが来てくれた。
白石「よし!みんな気合いは入ってる?」
生田「みんななら大丈夫!」
七瀬「カッコいい姿みせてな?」
『はい!』みんなはお互いの背中を叩いたり、励ましあったりしていたが、何故か急に一列に並びはじめた。
和也「どうしたの??」
史帆「和君、手握って?」
かとしがそう言うと手を握る。
史帆「よし!元気注入!としちゃんやるぞぉ〜!」
そして、1人1人手を握っていった。そして時間になる。
久美「よし!みんな笑顔でやり切るよ!」
和也「いってらっしゃい!」
みんなはステージに出ていった。
久美「日向高校アイドル部です!それでは楽しんでください!」
キャプテンが挨拶をして、音楽が流れた。みんなはキラキラした笑顔をして踊り始める。和也はステージ横で見ていて、自然と涙が流れた。今までのことが一気にフラッシュバックしたせいだろう。今日のみんなの姿は一生忘れないものになった。

しゃもじ ( 2021/05/24(月) 08:17 )