日向高校




























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サイドストーリー
芽依の誕生日
ある日の放課後。生徒が帰った教室で和也と彩花の声が響いていた。

彩花「絶対だーめっ!」
和也「そこをなんとか!お願い!」
和也が彩花に何かをお願いしている。

彩花「めいめいの誕生日は私が祝ってあげたいもん!いくら和也くんのお願いでもなぁ〜。でも、条件次第かな?」
何か企んでいる顔をしている彩花。

和也「条件?何すればいいの?」
彩花「ふふっ、あのね〜!今度デートしよ?」
和也「デート?それでいいならぜひ」
彩花「やったぁ〜!まぁ、デートしてもらえなくても和也くんに譲るつもりだったけどね!」
彩花はイタズラな笑みをうかべる。

彩花「あっ、そういえばイチゴ狩りに行きたいってめいめいが言ってたよ?1年中出来るところ調べておいたから後でメッセージ送るね!」
和也「色々ありがとうね?」
彩花「へへっ、その代わりにデートの時はいっぱい甘えるからね!さっ、帰ろ?」
彩花を家まで送っていき、その日の夜に芽依に連絡をした。


そして、芽依の誕生日当日。
イチゴ狩りには電車で行かないと行けない距離だったので、駅で待ち合わせをする。
8月と言うこともあり、まだまだ暑い日が続く。
屋根の下な日陰で待っていると、後ろから『トントン』と背中をツンツンされる。

後ろを振り向くと、芽依が嬉しそうに立っていた。
和也「おはよ」
芽依「おはよ〜!えへへっ」
和也「どうしたの?」
芽依「ううん、なんでもないよ!早く行こ〜!」
芽依は和也の手を引っ張って、駅のホームに向かっていく。

芽依「今日はどこに連れてってくれるん?」
彩花にどこに行くかはサプライズがいいと言われたので、芽依には行き先を伝えていなかった。

和也「まだ内緒かな?喜んでもらえるといいけど」
芽依「和くんと一緒なら全部楽しいから大丈夫〜!」
芽依は足をパタパタさせながら喜んでいる。
こういうところを見ると、同い年なのに子どもっぽく感じる。

しばらく電話に乗り、目的地の最寄り駅に着いた。
そこから更に移動して目的地に着いた。

芽依「えっ?えっ?イチゴ狩り!」
目的地に着いた芽依は興奮した様子を見せる。
和也「彩花が夏でもイチゴ狩りが出来る所を探してくれたんだ」
芽依「あやが?嬉しい…」
芽依の目から大粒の涙が溢れる。

和也「ふふっ、誕生日だから泣かないの。いくよ?」
和也は芽依の手を握って歩き出す。

受け付けを済ませて、ビニールシートの中に入る。
芽依「えへへっ、いっぱい種類がある!」
芽依はすっかり泣き止んでおり、いつも通りの笑顔をみせる。

和也「全部の種類食べようね?」
芽依「うん!!」
2人はイチゴ狩りを始める。

芽依「うめい!!」
イチゴを食べると、芽依が大きな声を出す。
和也「本当だ。美味しい!」
芽依「へへっ、和くんが隣に居るからもっと美味しい!」
和也「ふふっ、なんかありがと」
その後もイチゴを食べ続けていると、芽依が急におかしなことを言い始める。

芽依「なぁ、和くん。鬼ごっこせーへん?」
和也「鬼ごっこ?えっ、いつ?」
芽依「今〜!」
和也「それはまた急だね」
芽依「なんかしたくなったんよ。どう?」
和也「うーん、流石にここでは出来ないから外に出てからだね?」
芽依「はーい!」
芽依はそう言って再びイチゴを食べ始めた。

そして、イチゴでお腹いっぱいになった2人はビニールハウスの外に出た。
和也「ふーっ、お腹いっぱい」
芽依「めいも〜!でも、美味しかった」
和也「そうだね。それじゃ、やる?」
芽依「んっ??何を?」
和也「何って鬼ごっこ」
芽依「んー、もう大丈夫〜!」
和也「そ、そうなんだね」
芽依「鬼ごっこよりもこっちの方がええなぁ〜!」
芽依は和也の胸に飛び込んで抱きつく。

芽依「えへへっ、幸せ〜」
芽依は幸せそうにしている芽依を見て優しく微笑む。
そして、猫の様な気分屋な芽依を『ギュッ』と抱きしめたのだった。

■筆者メッセージ
誕生日に更新したかったのですが、めっちゃ遅くなりました(;_;)
しゃもじ ( 2022/08/26(金) 12:32 )